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第百四十話 知ってはいた
               第百四十話  知ってはいた
「あの時のフランス兄ちゃんには本当に参ったよ」
 イタリアはその時のことを日本とドイツにも話しています。
「勝手に来て勝手に俺のせいにするんだから」
「あいつらしいな」
「そうですね」
 ドイツと日本は実にフランスらしいと納得することしきりでした。フランスの人望がよくわかります。
「まあ俺実はフランス兄ちゃんが来ること知っていたんだけれどね」
「何っ!?」
「えっ!?」
 二人は今度は驚きの声をあげました。
「御前今何て言った!?」
「イタリア君はそのことを知ってたんですか!?」
「だってわかるじゃない」
 いつもの能天気な調子で二人に答えます。
「ああ来るなって。わかってたんだよ」
「それで準備は?」
「しなかったよ」
 チーズとベーコン、それにトマトがたっぷりと上に乗ったピッツァを食べながら二人に答えます。
「当然」
「・・・・・・それは何時わかったんだ?」
「何ヶ月か前に」
 充分な時間があったのでした。ドイツの言葉に答えます。
「わかってはいたけれどね」
「で、何で準備をしなかったんですか?」
 今度は日本が問い掛けます。
「何となく」
「何となくってイタリア君」
 日本は呆然としています。
「それじゃあどうしようもないですよ」
「こいつはその時からこいつだったのか」
 ドイツは頭を抱えています。
「全く。困った奴だ」
「でさ、二人共」
 その二人に相変わらずの能天気で声をかけます。
「ピッツァ食べる?美味しいよ」
 イタリアはその時からイタリアで。今もイタリアなのですか。そしてこれからもイタリアなのでしょう。


第百四十話   完


                  2008・4・25
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