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第百三十八話 何故か嫌いじゃない
              第百三十八話  何故か嫌いじゃない
「何かな」
「何だよ」
 何故か今日もイギリスの家にいて二人でお互いの悪口を言い合いながらもワインにスコッチを飲み合っている二人。ここでフランスがぽつりと言い出したのでした。
「イタリアもここに呼ぶか?」
「イタリアもかよ」
「ああ、何か急にあいつを呼びたくなったんだよ」
 こうイギリスに答えるのです。
「何でか俺もわからないけれどな」
「御前結構イタリアのこと気にかけてるよな」
「まあな」
 イギリスにそれを指摘されても否定しません。ワインを一口飲んでから答えます。
「昔から付き合いあるしな。それに」
「それに?」
「悪い奴じゃないだろ」
 こう言うのです。
「あいつは」
「それでも御前あいつ馬鹿にはしてるよな」
「それはそうだけれどな」
 これも認めます。何故か今日はやけに素直です。外見はフランスで中身は別の国なのでしょうか。
「それでも。嫌いじゃないんだよ」
「嫌いじゃないか」
「何でか俺もわからないけれどな」
「そういえば俺もだ」
 実はイギリスもそうなのでした。彼もイタリアは嫌いではありません。
「へたれで抜けてるけれどな」
「何故か憎めないんだよな」
「そうだよな。不思議な奴だよ」
「じゃあ呼ぶか?」
「そうだな」
 こうしてイタリアは二人に呼ばれて御馳走されることになったのですがそれがどうしてかは彼は知りません。イギリスとフランスだけが知っていることなのでした。そうしたことは決して口には出さない二人ですけれど。


第百三十八話   完


                  2008・4・24
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