第百二十五話 何処までわかっていないんだ
第百二十五話 何処までわかってないんだ
遠い目になり、それがやがていよいよラストの戦いになろうとしていたジャイアントなゼブラマスクの方と闘う時の額に傷がある悪役だけれど本当はとっても優しい人やそれを見守るファン達の様な目になっていたイギリスとフランスに対してポーランドはさらに言います。
「っつか俺マジで考えてるんだけどーーーー」
「ああ、何だ」
「言ってみてくれ」
本当に優しい目になっています。達観すらそこにはあります。
「ドイツが来ても俺一人で追い返せるしーーーー」
「あのドイツをだな」
「それは凄いな」
二人の目がさらに優しいものになり悟りすら見えてきました。子供に対するコントが五十五番の人達みたいです。
「そっから俺ドイツに攻め込んでやっつけてやろうと思ってるんよ。それどうよ」
「そうだな」
「いいんじゃないのか?」
全然期待していませんがそれは優しい目に掻き消されています。
「是非な」
「頑張ってくれ」
「応援してくれるんよね」
「任せてくれ」
二人は答えます。
「暖かい声援を送るさ」
「その時。健闘を祈る」
「そんでさ。俺が入れたコーヒー」
話はコーヒーにいきます。やっぱりというか何というか全くわかっていないポーランドです。
「イギリス飲まんかったよね。紅茶にする?今から」
「いや、いいから」
何時になく優しい断りの言葉でした。
「御前が入れてくれた最後のコーヒーかも知れないからな。飲ませてもらうよ」
「美味しいな、本当に」
「最後じゃないしーー、ピンクの家にしたらまた呼ぶしーーーーー」
「これからすっごい楽しみだな」
「ああ、本当にな」
二人は今を見てはいませんでした。遥か彼方を見ていました。気のせいか苦難の時にはいつも姿を現わすあのお日様の様な大ちゃんな方が見えてきました。
「これからよくなるよ!」
「ならねえよ」
心の中で突っ込みを入れる二人でした。
第百二十五話 完
2008・4・18
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