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第千百七十九話 けれど一人だけ
             第千百七十九話  けれど一人だけ
 皆それぞれ楽しいクリスマスを過ごせました。しかしです。
 一人だけそうではありませんでした。カナダはです。
「ええと、サンタさんは?」
「来なかったな」
 クマ二郎さんがカナダに対して言います。
「誰も」
「ええと、クリスマスだったよね確か」
 カナダもそのことを確かめずにはいられませんでした。
「今日って」
「そうだったがそれがどうかしたのか?」
「何でサンタさん来なかったのかな」
 このことが不思議で仕方ないのです。何しろクリスマスといえばサンタですから。カナダが言うことも一理あるといいますか当然であります。
「どうしてなの?」
「忘れられたんじゃないのか?」
 クマ二郎さんは言いにくいことをはっきりと言いました。
「これは」
「いや、それって」
 カナダも薄々わかっていることだったので言われてかなりショックです。
「酷いじゃないか。僕だけ忘れるなんて」
「けれど誰も来ない」
 これが現実です。カナダのお家には誰も来ませんでした。彼とクマ二郎さんだけでクリスマスを送ったのでした。非常に寂しいものだったのは言うまでもありません。


第千百七十九話   完


                  2010・1・18
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