第百十四話 天国と地獄
第百十四話 天国と地獄
悲惨な目に遭っているバルト三国の面々。似たような立場の人として韓国がいます。韓国は日本の家で暮らしているのです。
ところがその生活は使用人どころか。かなり待遇が違います。
「ほら、白い御飯だぞ」
「白い服じゃなくてもっといい服を用意したからな」
「おかずもしっかり食べてな。キムチか?いいぞ、どんどん食え」
「勉強でわからないところがあれば何でも聞いてくれ」
「ノートに鉛筆。用意しておいたからな」
日本の上司がとにかく世話をやきます。完全に家の子と同じです。その扱いは日本とほぼ同じです。かつての上司のところにいた時より遥かにいい位です。部屋だって立派なものです。
ところが本人は。
「俺って日本とその上司にいじめられていたんだぜ」
血色のいいツヤツヤとした顔で奇麗な服を着ての言葉です。
「それこそえげつなくてよ。無理矢理日本の家に連れて来られて働かせられて鞭で打たれて。それはもう悲惨で悲惨だったんだぜ」
「本当かな」
「絶対嘘だよ」
「ロシアさんに比べたら日本さんなんて」
それを聞いたバルト三国の面々の言葉です。
「あんなものじゃないっていうか」
「本当に強制労働と鞭だから」
「しかもシベリア行きのチケットにコルホーズ」
見事なフルコースです。
「そんなのに比べたらねえ」
「天国じゃないか」
「御馳走があって勉強させてもらっていい服着て部屋もいいし。完全に家の子扱い」
「兄が弟を教え諭すように!」
ここで日本の上司の声が三人にも聞こえます。
「労りと慈しみの心を以って!」
「接してもらえるなんて」
「しかも実行に移すなんて」
「どれだけいいんだろう」
本当にロシアと一緒にいるのは大変なことなのでした。
第百十四話 完
2008・4・12
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