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第千十九話 いつもフランスと
             第千十九話  いつもフランスと
 長い間本当に忘れていました。けれど今は違います。
「俺にはいつも天使が一緒にいるからな」
「ああ、彼女かよ」
 イギリスはその天使が誰なのか問わずともわかりました。もう言われなくてもわかることです。少なくとも彼にとってはそうなのです。
「長い間忘れていたのに一旦思い出すとかよ」
「まあな。やっぱりあの天使が一緒にいると心強いぜ」
「あの時はフランスさんが頑張ったからですよ」
 けれどその天使ジャンヌは微笑んでこう言うのでした。
「私は何もしていませんよ。神の御言葉に従っただけです」
「いや、それでなんだよ」
 けれどフランスはジャンヌに対して微笑んで言葉を返します。
「だからな。俺はこいつに勝てたし」
「悪かったな」
 イギリスはむっとした顔でフランスに言い返します。
「あの時はずっと俺が勝ってたんだがな」
「けれど俺に天使がついてからだよ。俺が勝ちだしてな」
「百年も戦争していてずっと勝っていたのによ」
 ジャンヌ登場で形勢が逆転してしまったのです。それで最後の最後にフランスが奇跡の勝利を収めたというわけなのです。
「負けちまったな」
「これも全部ジャンヌのおかげだぜ。俺にはそれ以来勝利の女神がついてるんだよ」
「ですからフランスさんが頑張ったからですよ」
 謙遜して言うジャンヌでした。けれどフランスの横にはいつも確かに天使がいるのでした。


第千十九話   完


                 2009・10・30
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