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第十三話 畑作

すいません。キリをよくしようとしたら、かなり短くなってしまいました。


妹がここに来てから、今日で三日だ。

そして俺たちは今、農作業中だ。

いや、農作業と言うと少し大げさだな。まだ苗すらも無いし。

植木鉢に土を入れているだけだから、家庭菜園の方が近いかもしれない。


「くそっ、何で俺がこんなことを……」

「文句言うなよ。タダ飯食わせて働かないって奴は飯抜きだ。」

「あー、わかったよ。」


俺たち、といったように、俺とルドルフでダンジョン内に(・・・・・・・)植木鉢を置いて、そこにコアの指示通りに土を入れる作業中だ。

なぜダンジョン内なのか。その理由は、昨日飼育ルームにオプションの「疑似太陽」を設置したからだ。


そんなポイントどこにあるって?

俺のだ俺の。

度重なるレベルアップで、増えに増えたMPの過剰分をDPに回しているのだ。

お陰で一階層の制作もスピードアップした。ほんとスライム様々だね。


つか疑似太陽っていうか青空(・・)なんだが……

普通に雲とか浮いてるし。

しかしジャンプしてみると、確かに天井がある。

映像みたいな物なのだろうか。維持にDPが要らないのが不思議なくらいだ。


あと、十メートル位ある天井に軽いジャンプで届いた俺を見て、ルドルフが目を見開いていたが、放っておいた。


土は、コアの言う配分通りに、外から持ってきた。

まあ近くに元畑も山もあるので、土には困らない。

ゆくゆくはあらゆる作物を栽培したいものだ。最近偏食気味だし、同じようなものばかり食べているので飽きが来ている。


まあ現段階で栽培できる物なんて、レッドボアのエサ位なもんだが。


そういえば、他のダンジョンマスターは食事などどうしているかコアに聞いたのだが、ダンジョンコアと融合することでダンジョンの魔力を使って生きられるんだと。

つまり飯を食べる必要がない。羨ましいことだ。


土の採集には、いつものビニール袋とスコップをもっていった。

スコップは、最下級武器宝箱の中から偶然出てきたものだ。

スコップは武器じゃないだろ。農具か作業具だよ。どこにスコップで戦う冒険者がいるんだよ。


ちなみに武器は未だに最下級の宝箱から出たものを使っている。

まあ節約って意味も有るんだが、なにより既にオーバーキル気味な所があるんだ。

そもそも俺は強いモンスターと戦うつもりはないし、レベルアップによって上がったステータスで、完全に一撃必殺状態になっているのだ。レア装備など現時点では必要ない。


だって山で、上がった筋力を生かして土を掘るためにスコップを思い切り使おうとしたら、土砂崩れが起こったんだ。

崩れた方向が家と反対側でよかった。あやうく入り口が土に埋まるところだった。

ちなみにこの事件でスコップは曲がってしまった。

鉄製だったので、腕力で強引に直したが。


うん、ちょっと自分が人外の道を歩み始めている気がする。

しっかりと手加減を覚えよう。


植木鉢は、なんか庭にあった。

よくあるだろ?何のためにあるかわからない、放置された植木鉢。


「ていうか別に俺たちが働かなくとも、スケルトン達に任せときゃいいんじゃねえか?」

「いや、スケルトンはまだ、こういう複雑な仕事が出来るほど知能がない。故に任せることは出来ない。」

「まあ、脳がないからな…」

「いや上手いこと言ったつもりか?……とりあえずこの植木鉢をあそこに運んでくれ。」

「へいへいっと………っとわぁ!?」


あ、ルドルフこけた。


「いやなにやってんだお前」

「いや、すまねえ」


ルドルフは持っていた植木鉢をぶん投げてしまった。

床には植木鉢の破片と、大量の土がぶちまけられている。


「あーあ、どうすんだこれ。」


ご主人様(マスター)!!』


ん?ポケットの中のモバイルコアが唐突に俺を呼んだ。


「大丈夫だ。掃除はすべてルドルフに任せるから。」

『いえ、そうじゃないんです!』


コアはかなり興奮しているようだ。

つかいったい何があったんだ?


『今、新しいオプションが追加されました…』

「は?なんで?」


そんな機会あったか?あったことと言えば、ルドルフがこけた位だが……


『ルドルフさんがこけて、土が床にばらまかれた時に、「地面」「荒野」「畑」の三つのオプションが追加されました。』






な、なんだってーーーー!!?









「……なんか、死体召喚の時みたいだな。」

『というか、現象自体はほとんど同じです。』


ゴブリンという死体があれば、ゴブリンを召喚出来たのと同じように、土という材料があれば畑をオプションとして作れるのだろうか。

確かに檻を作るときより消費DPは抑えられているが、よく分からない理屈だ。


どうやら土のこぼれた面積だけ、畑や地面が作れるらしい。

土はあまり薄く広げては効果がなかった。指の関節一つ分位の厚さは必要みたいだ。


「しかし、土を敷くのと畑にするのってなにが違うんだ?」

『土の深さではないでしょうか。』

「ああ、なるほど。」


というわけでスコップを持ってきて、畑を掘ってみる。

しばらく掘っても底が見えない。ニメートル位はありそうだ。


「これは本格的に、栽培計画が進みそうだな。」

『ルドルフさんファインプレーです。』


うむ。この成果だけでも、あいつをここに住まわせた意味があったという物だ。

ちなみにそのルドルフは、 俺たち二人の実験と議論についていけず、呆けている。

まあダンジョンの仕組みをルドルフにはほとんど教えてないから当然か。裏切ったことも考えて、これからも情報を無闇に教えるつもりはないが。


「で、次はこいつで実験だ。」


そういって俺が取り出したのは、その辺で拾った、葉の付いた木の枝だ。

これを土に落としてみる。


『オプションで「木」が追加されました。』


ふむ。予想通りだ。

オプションを設置してみると、木が一気に成長した。

なんだそりゃ、苗木からじゃないのかよ。

目の前に突然生えた木は、すでに天井に届きそうになっている。


……もしかすると、もしかするかもしれないぞ……?


「良し、じゃあ、土に草をばらまくぞ。」


そう言って、土が見えなくなるほど草をばらまいた。


『「草原」が追加されましたね。』


よし!これでレッドボアの放牧ができる!!

大躍進!


その後、穀物を畑に埋めれば、その穀物の畑のオプションが追加されることが分かった。

しかも、草を抜いたり収穫したりしても、すぐに次のが生えてきて、成長済みの大きさとなる。

加えて、収穫物が消えたりすることはない。

食べては居ないが、劣化も無さそうだ。


再生したのは、理由が無いこともない。

ダンジョンの壁が壊れたら修復されるように、オプションも破壊されると修復されるようになっている。


つまり、収穫が破壊と受け取られたということ。

ダンジョンの修復には微量のDPが必要だが、本当に微量である。

わざわざ複製魔法(コピー)を使うよりも消費は格段に少ない。


というか成長分の質量とか、どうなっているんだ。

いくらファンタジーでも物理法則無視しすぎだろ……


「……これは想像以上にやばいな……」


このとき、ダンジョン内での超短期間無限栽培法が確立した。



今回のあらすじ


ダンジョン内で農作業!

ていうかこれ、畑って言うか野菜生産機じゃないか?



最近思ったこと。あらすじが仕事してない。

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