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第九話 スライムループ

みなさんのおかげで日間ランキングに載ることが出来ました!

載った瞬間にPVが跳ね上がって……日間怖い日間こわい…



俺はダンジョンマスターになった今でも、ちょくちょく外に出ている。

物資が少ないので、魔物を狩ったり、食べられそうな物を採ったりしている。

自宅警備員のはずなのに、すごい冒険者みたいな事をしているが、もう気にしないことにした。


元手さえあれば、俺の複製魔法(コピー)でほぼ無限に増やすことが出来るので、とりあえず何でも手に入れるようにしている。

そのため俺は、斧、ナイフという最初の装備に加え、大きなゴミ袋を幾つかもってきている。

採集した物を入れたり、気絶させたり殺した魔物を入れておくのだ。

気絶させた魔物はダンジョン内で殺すことにしている。そうすればDPを手に入れることが出来るからだ。

ちなみに召喚された魔物を殺してもDPは手には入らない。当然だけどね。


さて、鬼がでるか蛇がでるか、ゴブリンが出るか。

俺は裏山の茂みを掻き分けて進む。

なんか色々狩ったのに加えて、ダンジョンの罠からも経験値を僅かながら得られるようで、現在のレベルは12だ。

狩りが楽になっていい。


ガサッ


右の茂みから音が聞こえた。

俺は斧を構え、迎撃体勢をとる。

いくら俺のレベルが上がったからと言って、出現する魔物も強くなっているので、油断は禁物だ。


茂みから魔物が姿を現す。


ポヨン


透明でうっすらと緑に透き通った体。

表面は液体のように滑らかで、木漏れ日をつやつやと反射している。

楕円で、ゼリーを思わせる体のなかに、赤い心臓のような物が浮いている。



スライム!?


これスライムじゃないか!?


初めて見た!!当たり前だけど!

おお、ひさびさにテンションが上がる!



ガサッ


ポヨン


ひ、左からも!?

スライム二匹目だ!


よし会話とかそういうのは全部後回しだ。殺したら死体が溶けてなくなる可能性だってあるし、このまま二匹ともゴミ袋に詰めよう。


とりあえず捕まえるために触ってみる。

ふむ、少し冷たくて、本当にゼリーを触っているみたいだ。


む?触った手を取り込むような形になってきた。手を引き抜くと、形も元に戻る。


動きも遅いし、危険性は無さそうだな。


こぼれそうになるのを抱えて一匹ゴミ袋に詰める。

二匹目に手をかけたところで疑問に思った。


これ一緒のゴミ袋に入れても大丈夫か?

グチャグチャになったり融合したりしないか?


わからなかったので、二匹目は別のゴミ袋に入れた。


よしさっさと帰ってコアに聞いてみよう。





『これはエレメントスライムですね。』

「スライムじゃないのか?」

『スライムの希少種です。それが二体も見つかるとは。』


ふむ、どうやらレア物をゲットしたらしい。


『普通のスライムは薄青色で、薄緑色なのはエレメントスライムと呼ばれています。』


ふーん。

ちなみにスライムもエレメントスライムも、自我とか意志は無いらしい。

魔力の塊といった感じみたいだ。

どっかのスライムみたいに火を吹いて勇者を目指したり、魔王になって魔物の国を作ることもないようだ。


ついでにスライムは、召喚してもテイムしても言うことを聞かない魔物としても有名なのだとか。

意志を持たず、近づいた生物を取り込んで溶かし、補食する。

無論、服だけ溶かすみたいなこともない。戦略的に動くこともない。擬態する事もない。

ことごとく夢をぶち壊してくれるじゃないか。


とりあえず複製魔法(コピー)で複製してみる。

触れた瞬間に取り込もうとしてくるので、複製がおわったらすぐに右手を引き抜く。


左手に出来たのは、ぐったりとしたスライムだった。

なんか覇気がないし、潰れかけてるし、動かない。


意思や自我がなくとも魂はあるようだ。

それにコピー出来ると言うことは召喚で量産できるということ。


雌雄の区別はなく、繁殖することも無いらしいので、生きているスライムの片方を殺してみる。

レベルは12なので、結構なDPが吸収できるはずだ。


ブチュン


ゼリーの部分を斧で切ってみたが、途中までしか刃が進まず、引き抜くと切ったはずの部分は再生してしまった。

斧でエレメントスライムの核のような赤いものを壊すと、エレメントスライムはドロドロに溶けてしまった。

やはり死体は溶けるようだ。

複製魔法(コピー)で作った死体は溶けなかったので、核がなくなると溶けるということらしい。


『レベルアップ』


む、レベルが18に上がっている。

一気に6レベル上がるとは、このエレメントスライムは経験値が豊富なようだ。


「コア。DPはどの位手には入った?」

『144DPです。』


ふむ。得られる経験値とDPに関連性はないのか。

DPはレベル数の二乗で、経験値はレベルと種族によって異なる、と言ったところか。






バシュン

『レベルアップ』

バシュン

『レベルアップ』


俺は今、コアルームの下にある巨大飼育ルームにいる。


バシュン

『レベルアップ』

バシュン

『レベルアップ』


レッドボアはいつも通りフゴフゴ言っている。

ストレスを与えないために、疑似太陽でも用意してやるか。



バシュン

『レベルアップ』

バシュン

『レベルアップ』

バシュン

『レベルアップ』

バシュン

『レベルアップ』


で、さっきから聞こえるこの『レベルアップ』はなんなんだって?



バシュン

『レベルアップ』

バシュン

『レベルアップ』

バシュン

『レベルアップ』

バシュン

『レベルアップ』

バシュン

『レベルアップ』

バシュン

『レベルアップ』


……いい加減うるさいな。


これは兼ねてから考えていた、経験値量産システムのせいだ。

罠で殺した魔物の経験値は、半分くらいになって俺の物になっている。

しかも、召喚魔物を殺したときも、同じように経験値は俺の物になるのだ。設定ミスだと思う。



バシュン

『レベルアップ』

バシュン

『レベルアップ』


うるせっ!

で、今回エレメントスライムを手に入れたことで、このシステムが実現したわけだ。


まず、飼育ルームの一部に小型の檻10個を用意する。

この檻はDPで設置できる、ダンジョンのオプションだ。このサイズなら一つ5DP。

そして複製魔法(コピー)で作ったエレメントスライムの死体、10体をそれぞれの中に入れる。

そして死体からの魔物召喚。

これで10個の檻に10匹のエレメントスライムがいることになる。

それぞれに「ダンジョン保護」を設定しておく。


最後に、隠蔽度、罠解除難易度最低、殺傷能力大の、床から針が出てくる罠をそれぞれのスライムの下に設置する。


するとどうなるか。


罠がエレメントスライムに反応して、大量の針を出す。

エレメントスライムは核を破壊され、死亡する。

経験値が俺に入る。

罠は作動を終えて、針を引っ込める。

「ダンジョン保護」を受けているので、スライムの死体は魔力となり、召喚(スポーン)地点であるその場で復活(リスポーン)する。

罠が作動し、エレメントスライムを殺す。

経験値が俺に入る。

以下無限ループ


と、なるわけだ。

そう。これはかつてスケルトンが陥った無限ループから発想した仕組みだ。

DPを消費することなく、無限に経験値を手に入れることができる。


しかもこの一サイクルが五秒程度なのだ。ものすごく早い。


エレメントスライムは「ダンジョン保護」を受けている上に、罠で殺した場合手に入る経験値は半分なので、普通にエレメントスライムを殺した時の二十分の一しか経験値が入らないが、その装置が10個あるので全く馬鹿にならない。


これで、俺が他の仕事をしたり、ゲームしたりする間に、レベルがどんどん上がっていくと言うわけだ。

真面目にレベルアップしようとしている皆さんごめんなさい。


『自分で召喚した魔物を自分で殺すとか鬼畜ですか』とかコアに言われたが、スライムは言うことを聞かないし、俺に怒ることもないだろう。

慈悲はない。もうスライム様々ですわ。


あとは脳内アナウンスがちょっとうるさいくらいだが、これだけの恩恵があるから我慢できる。


バシュン

『レベルアップ』

バシュン

『レベルアップ』

バシュン

『レベルアップ』

バシュン

『レベルアップ』

バシュン

『レベルアップ』

バシュン

『レベルアップ』



……やっぱ止めとこうかな………

今回のあらすじ


スライムで経験値ウハウハ




!重要なお知らせ!


飽きたので次回予告やめます。あらすじをちゃんと書きましょう。

どこが重要かって?

糸目が死ななくなるんだぞ!重要じゃないか!


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