「あ、申し訳ありません。夕べ遅く着いて、ご存知ありませんね。いまご案内します」
すぐにさっきの人が来て、食堂へ案内された。
――こういうことなら食事、最初からここで良かったのに。
そんなことも思ったけど、まぁいまさらだろう。
食堂の中は誰も居なくて、他のみんなも出来たら呼んでくれるよう頼んで、しばらく待つ。
じき、みんなが入ってきた。
「おはよ、ルーフェ。寝れた?」
「うん」
みんないつもと変わらない。昨日あたしがしたことなんて、なかったみたいだ。
たぶん……気を遣ってくれてるんだろう。本当に気にしてなくて、忘れてしまってるなら嬉しいけど、あまりそうとは思えなかった。
最後に、殿下が入ってくる。
「全員揃ってるな。それでルーフェイア、何をはじめるつもりだ?」
昨日のことやなんかが堪えてるんだろう。殿下、ちょっとだけ不機嫌そうだ。
「えっと、何をって言っても……あの」
自分でも何を言ってるか分からない。
「どうした? 何か言いたかったから、呼んだんじゃないのか?」
殿下の声が、ちょっとだけ優しくなる。
それに勇気付けられて、言ってみた。
「あの……このあとどうするか、考えないといけないので……。あと、イオニア先輩にも、ここに……来ていただかないと」
言いながら、最初から先輩を待てばよかったかな、と思う。百戦錬磨の先輩なら、きっと簡単に采配を振るってくれたはずだ。
「イオニアというと、お前たちを連れてきたあの高飛車な女か? 彼女なら今ごろ、こちらへ向かっているはずだ」
「そうなんですか?」
どうやら殿下のほうにはいち早く、情報が伝えられていたらしい。
「話では、山火事の報が入った時点で、すぐ谷へ向かったそうだ。だが我々が戻ったことが上手く伝わらなくて、先程まで救出本部で待機してたらしい」
話を聞いて、先輩きっと怒っただろうな、と思う。でも、先輩にさえあたしたちが無事なのが伝わらなかったのなら、敵もまだ騙せてるだろう。
「そいえば殿下、無事ってコト王様とか知ってるの?」
「お前たちには悪いとは思ったが、父と祖父には伝えた。さすがにあの二人に、黙っているわけにもいかないのでな。だがまだ、公にはされていないはずだ」
殿下の言うとおりだろう。
もしどこかから漏れたなら、報道がもう騒いでる。でもさっき見た中じゃ何も言ってなかったから、まだ誰も知らないはずだ。
けど、ずっとこのままってわけにはいかない。必ずどこかで知れるから、それまでに状況を把握して、どう動くか決めなきゃいけなかった。
「それにしても、どうすりゃいいのかね?」
同じふうに思ってるんだろう、シーモアがそんなことを言う。
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