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Chapter:01 依頼
Episode:04
「そんな理由じゃ、ちょっと許可できないわね」
「すっ、すみません!」
 慌てて謝る。

「誰が謝りなさいって言ったのよ」
「ご、ごめんなさい……」
 涙が出てくる。

「だーかーらー先輩、ルーフェにそうやっちゃダメですって」
「え? あぁそうだった、どうも忘れるわ。
 ――子猫ちゃん、お姉さんが悪かったわ。さ、理由を教えてくれるかしら?」
 自分でも変だとは思うけど、こう言われて抱き寄せられると、なんだか安心する。

「それでその、ナティエスって子は?」
「あの、だから、シーモアの親友で……スラム育ちで、スリとか上手くて……」
 先輩が苦笑した。

「聞かなかったことにしたほうが、いい話みたいね。
 まぁいいわ、腕に覚えがある子なら、足手まといにはならないでしょ」
 言って先輩が、あたしの額をつついた。

「その子たちを呼んで、話をしなきゃだわね。ロア、呼んでくれる?」
「だから先輩、こういう操作覚えましょうよ……」
「誰かにやらせれば十分よ」
 イオニア先輩、なんだかすごいことを言ってる。

 ロア先輩がため息をつきながら操作した。魔視鏡経由で通話石網に入って、イマドたちを呼び出すと、じきに扉がノックされる。
「イマド=ザニエスですけど、入っちゃっていいですか?」
 声と共に、扉が開けられた。

「入っていいとは言わなかったけど?」
「でも呼び出されたから、呼び出した誰かが居るんじゃねーかなーって。どうせ入りますし」
 イマド、イオニア先輩にもぜんぜん平気だ。
 そんなことをしてるうちに、シーモアとナティエスも部屋へ来た。

「なんだ、みんな揃ってるじゃないか」
「なになに? もしかしてなんか始まるの?」
「静かになさい。
 まったく、下級生はこれなんだから。いくら珍しいにしても、騒ぎすぎだわ」
 先輩の辛辣な言葉が飛んで、さすがにみんなが口を閉じる。

「いいこと、黙って聞くのよ」
 そう前置いてから、先輩がさっきの話をもういちど始めた。
 だいたいを聞き終えたシーモアとナティエスが、言う。

「要するに、まーたあの殿下のお守りってことか。こりゃ厄介だね」
「殿下、上から目線すごいもんね」
 やっぱりこの二人、殿下が好きじゃないみたいだ。

――あたしのせいだ。
 シーモアたちの名前を挙げたりしたから、好きでもない殿下の護衛を、しなきゃならなくなってる。

「えっと、その、ごめん……」
「え? なんでルーフェが謝るの?」
「え、あれ?」
 なんか違ったみたいだ。

「いや、だからさ。たしかに殿下はあんま好きじゃないけど、行くのがイヤだとはいってないじゃないか」
「そうそう。行けばお小遣いっていうか、臨時でお給料でるし」
「え? お小遣い?」
 初耳だ。

「やだルーフェ、もらわなかったの? けっこう出たんだよ」
「そういえば……」
 何か学院からお金がどうこう言われて、面倒だから口座にそのまま入れてもらったような気がする。

「まったく、金持ちはこれだから」
「ごめん……」
 謝るあたしに、2人が笑った。

「気にしなさんな、いつものことじゃないか」
「そうそう」
 慰めてくれてるんだろうけど、なんかちょっと複雑な気分だ。




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