第五十話《サイン》
由美の拳で吹っ飛ばされ龍平は頭を抑えている。
「あれから結構たったのに頭の痛みがとれないんだけど」
龍平は由美に愚痴をとばす。
「ブルマ姿がどうとか言うからだよ」
ご機嫌ななめの由美に聖子がさきほど買ってきたシュークリームを食べながら言いかける。・・・が、しかしその前に浩が聖子の行動につい突っ込んでしまう。
「なぜにシュークリーム?」
気がついたら聖子が片手にシュークリームを所持していたので浩は少しビックリした様子。
「シュークリームは女の子の宝石なんですよ」
全くもって意味が分からん言葉に浩は《こいつもバカだ》と心の中で思ってしまった。
「由美さんはすぐに暴力に走るからいけませんわ。私ならもっと違う選択をしますのに」
上品ぶりながら二個目のシュークリームを頬張る。
「《きまった!》と思った顔をしているけど口に白いクリームが大量に付着してるよ」
由美の指摘に慌ててハンカチを取り出し口を拭う。
顔を真っ赤にし聖子は浩の顔を見る。
「ごめんなさい」
その言葉に浩は《なんで?》と思った事だろう。
実際にも・・・
「は?」
この一言は疑問でいっぱいだったでしょう。
「なんか喋りなさいよ田辺」
あの萌え萌えの店に行った田辺は原田の視線を浴びて微妙な空気となり原田の顔を見れないでいた。
ちなみに今、田辺達がいる場所は小さい公園であってそこのベンチに腰をかけている。なので六人がベンチに横に並んでいる状態。
なぜこの状態なのか?
理由は特にない。
ただ歩き疲れたので休んでいるだけである。
「なんか・・・風流だね」
由美のこの一言に聖子がぼそりと呟く。
「意味分かって言ってるのかしら」
「聞こえてるよバカ高木さん」
「なんですっ・・・」
「はいはい、おしまいおしまい。もう遅いからホテルに帰ろう」
原田が途中で会話を止めて立ち上がった。
「ホテルの名前に《ラブ》が抜けてるけど」
龍平が現実に引き戻した瞬間だった。
「原田さん!」
さっきとはうってかわり勢い良いよく田辺は立ち上がり原田に親指でサインをする。
みんなには何が起きたか分からなかったであろう。
田辺がいきなり倒れたのだから。
後ろには原田の姿があった。
いつの間に移動したのであろうか?
「男は変態の塊ね」
田辺のサインはそういうサインだったのだ。
気絶している田辺を残しみんなはラブ?ホテルに帰っていった。
|