第四十四話[ホテル]
「着いたーーー!!」
「ほっぺがまだヒリヒリする」
「肩こったわ」
「ババアかお前は」
「ねぇ、でっかいビルがたくさん」
「由美、興奮しすぎだ」
僕らは渋谷と言う街をブラブラ散歩している。はっきり言って長く新幹線にいた時は眠くて、だるくて頭がおかしくなりそうだったよ。
「あー、あの服いいなー」
聖子はガラスの中に飾っていた服の前で立ち止まる。
「その横の服もなかなか・・・」
原田さんも一緒に立ち止まる。
「女って・・・」
龍平はため息をつき二人の袖を引っ張りながら前に進もうとする。
「ちょっとまだ見学中なのに」
「ちょっと何さわってんのよ」
二人は文句を言いつつもその場を諦める。
「まずは泊まるホテルを探すのが優先だろうが」
「それなら大丈夫よ。私がちゃんと人数分の部屋を予約してるから」
自信満々に言う原田。
「・・・早く言えよ・・・で、そのホテルってどこなんだよ。荷物をまず置きたいんだけど」
「あんたの目の前にある奴だよ」
原田が人差し指で指をさす方向に全員目をむける。
「これって・・・」
「・・・」
「嫌、だめだろ」
「俺は無理だ」
「絶対いーや」
《心と体をリフレッシュ!!一つの個室で二人だけの空間を!オモチャそろえています》
と言う看板文字が目の前にあった。
さきに突っ込んだのは浩だった。
「おいおい!明らかにあっち系のホテルじゃんか。なんだよオモチャって!何のオモチャなんだよ」
「震える奴なんじゃないの?」
「サラッと言いやがったよコイツ」
「ねぇ浩、震えるオモチャって何?」
由美はわくわくした目で浩に質問する。
「いやお前には関係ないから。関係あるようで全く、とにかくオモチャって言うのはアレで、それでもなくて・・・あれ?なんかもう訳が分からなくなってきた」
「もういいじゃない。ここで一泊二日過ごすわよ。意外に安いんだから」
「ラブホか・・・」
田辺が一人で呟いた。 |