第四十話[春休み初日]
やっと訪れた春休み。春休み初日の昼にはもう駅に集合らしい。つまり今日だ! せっかくの休みがばたばたではないか。
荷物を詰め込もうとするがカバンに入らない。もうギュウギュウである。
「しょうがない。これは外すか」
僕はカバンの中からサッカーボール、テニス道具、卓球道具などを出す。
「やはり無理だったか」
「当たり前じゃん。旅行に普通こんなのいらないよ」
いきなり後ろから大介が話しかけてきた。
「いやー、念の為にと・・・・・・・・・じゃなくてそれはともかく部屋ちゃんとノックしたの?」
「そんなの関係ねー。そんなの関係ねー」
「誰の真似!」
「昔あっていたお笑い芸人のネタ」
「そんな悲しい事を言うな大介。みんな頑張ってるんだから」
「姉貴も旅行でラブラブを頑張ってこいよ」
何の応援!!
「まぁ、とにかく東京は色んな人種がいるから頑張ってね」
「何をまた・・・本当は僕がいなくなって寂しいんじゃないの?」
「・・・」
「寂しいんでしょ」
「・・・別に」
「ふーん」
「早く行けば・・・」
「じゃあ早く行くからいいよ!」
僕は大介を部屋から追い出し最後の荷物点検をする。
「ん〜何か足りない気がするな」
《ガチャ》
部屋のドアがゆっくり開いた。隙間から大介の顔がチラリと見える。
「何?」
「姉貴これ・・・」
そう大介は言うと、赤い色のお守りをくれた。
「恋が実るお守りだから姉貴にあげるわ」
「・・・ありがとう」
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