第二十一話[夢]
「ふふふ♪」
腰まで伸びている茶色い髪の毛を紫色のゴムで縛ってまとめながら頭の中であの浩さんについて考える。
「キャーーー!!とうとう浩さんに本命チョコを渡しちゃったわ!!」
薄暗い部屋の中、一人私は浩さんについて考えていた。
「早く連絡来ないかなー」
長くて細い足をバタバタさせながらついつい私は感情に浸ってしまう。
そういえばいつも浩さんの横にいるあの女は何?・・・・は!もしかして彼女だったりして!
少ししか顔を見なかったから良く分からなかったけど多分、私の方が百万倍可愛いわね。
…って何自分で自己満足に浸ってんのよ。
とにかく浩さんから連絡が来なかったら私から直接会ってやるわ!
初めての初恋なんですもの!
高校一年、高木聖子。必ず浩さんのハートをゲットしてやるわ。
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《約一週間後》
僕と浩は今、桜が咲き乱れる空間に二人だけでお互い立っている。
顔を向き合わせながら・・・・・・・・・・・・
「浩。僕ね…」
いっぺんの迷いもなく真っ直ぐした目で浩を見る。
「……」
「……」
沈黙が続く。
一分だろうか?
一時間だろうか?
時間の感覚がまるで歪んでいるかのように時の流れがおかしく感じる。
桜の花びらが風で散った瞬間・・・・
「好きです!」
僕の口から浩へ愛の告白。
浩は表情を和らげ、にこりと笑った。
今度は強い風が吹いて、桜吹雪と一緒に浩の姿がすー、と消えてしまった。
「浩!どこに行ったの!」
僕は視界が見えないほどの桜の花びらに阻まれて、浩の姿を完全に見失ってしまった。
「浩ってばーーー!!」
「浩ーーーどこーーー!!浩ーーー!!」
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《ガバ!》
「浩ーーー!!」
片手を天井にあげて大声で叫びながら僕は朝をむかえた。
「夢かーーー」
胸に手を当ててホッとため息をする。なぜあんな夢を僕が見たんだろう。
浩に《好きです》と告白した変な夢。
今まで見た事がない夢だった。
《カァァァァ》
思い出したら顔が赤くなってしまう。
あのバレンタインの日から一週間とちょっと。もうすぐ三月に入る。
そして暖かい季節に移動しつつある。僕の心もこの季節のように少しずつ移動しているように感じたのは気のせいだろうか。 |