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俺に異世界にいく資格はあるのか?  作者: 花山 保
異世界で俺は・・・
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私の周りで何かが起こっている!?

少し別サイドの話になります。

 私は、高木めぐみ。いいえ。高木めぐみでした。


 西夏高校の2年生。勉強もスポーツも苦手。人付き合いもあまり得意ではありませんでしたね。部活にも所属せず、中学の頃からずっと帰宅部。恋愛だって一度も経験していません。


 私は、学校からの帰宅中、いつものように本屋によって雑誌をチェック。そしていつもどおり、家路につくのでしたが、本屋から出てすぐに歩道を暴走する高齢者の車に跳ねられ・・・ここにいます。

 そうですね。迫りくる車の運転席にいたおじいさん?の顔をはっきりと見ることができましたよ。眼だけは昔から2.0でしたからね。



 私は今、死後の世界にいます。


 死んだらこんなところに来るのですね。

 私の前では、たくさんの人が、一列になって歩き、鬼のような人に何か言われているようです。ここは、地獄なのでしょうか。私、何か地獄へ落ちるような事をしていたのですね。


 そうこうしているうちに私の順番のようです。


「あー次!」


 鬼の人は、私が思ったよりも事務的でした。どこか高校受験の時に面接した先生に似ています。


「はい」


 素直に返事してお話を聞きました。どうも私ごときに選択肢をいただけるようです。このまま消え去る道と別の世界に旅立つ道です。自分なんかが、新しい世界に行っても・・・と一瞬考えましたが、もう一度やり直せるならと言う気持ちもありました。


「はい、別世界をお願いします」


 すると鬼の人は、私を次の部屋へと連れていきます。次の部屋には、やはり鬼の人がいました。でも女性の方です。丁寧に説明してくださいました。ですが、どうも前世での経験で次の世界での立場が変わるようです。私のような何もできない女には、厳しい世界だと言われました。でも、今度は、私も変わりたい。変わってみたいと思いました。


「そうねー。言語スキルレベル1と調理スキルレベル1・・・算術スキルレベル2。こんなところかしらね。」


 私に与えられた力は、どうやら次の世界の底辺のようです。生きていけるか心配と言われました。でも、そんなところからやり直してみたいとこのときは思いました。


「はい、準備できたならそこのゲートから新しい世界へ行けるから。一応規定どおり金貨1枚所持ね。あと、あなたの場合18歳未満だからそのまま16歳で向こうへ行くことになるから。行先はランダムだから運にかけなさい」


 女性の人にそう言われ私は、決意を胸にゲートをくぐったのでした。




そして・・・


 目の前には、大勢の方が、私を待っていました。

 ・・・・・・確か、異世界のどこかにランダムで送られると聞いたのですが、ここもランダムの範囲なのでしょうか。どこか気品のある神様のようなかっこうをした方が大勢なぜか笑顔で拍手しています。


「あ、あの・・・」


 声をかけようとしたとき、私の頭上から何かが降ってきました。びくっと首をすぼめます。でも痛くも痒くもありません。目を開けてきょろきょろするとなぜか紙ふぶきが、舞っているのです。


「おめでとう!君がこのゲートを通過した1億人目になりました」


 周りの女神さまのような方やどこか神様のような人たちが、笑顔で拍手しています。すると今、おめでとうと言った方が、


「驚かせてしまったかもしれないが、僕たち神が異世界ゲートを作ってからね。ずいぶんと時間が立つのだけど、君でついに1億人に到達したんだよ。今日は、そのお祝いだ」


 なにか知りませんが、このあと立食パーティーになりました。聞いて理解できた範囲ですが、それぞれの異世界ごとに数人の神様がいて互いの世界間で交流事業をされているようです。進化の停滞?をふせぐとか?私には難しい話はわかりませんでした。何人かの神様が、私のコップに甘い飲み物を注いでくださりながら、君には特別にねっとか、あなたのこれからに幸がありますようにとか・・・皆さんとにかく親切にしてくださいました。


 数時間、続いた立食パーティーもようやく終わり、神様や女神さまも帰宅され始めました。天使のような方たちが片づけをされています。私もお手伝いしようと動きましたが、丁寧に断られてしまいました。ホスト役をしていた神様が、私に声をかけてくださり、ようやく私も次の世界へ旅立てるようです。


「いや~、色々と引き留めて悪かったね。僕にとってとてもうれしい日でね~。是非ともその喜びをみんなで共有したかったんだ。君もこれから色々あるだろうけど。僕からも少しプレゼントしておくから、次の世界でも上手に生きるんだよ」


 とても・・・とてもうれしい言葉でした。何もできなかった自分に神様が応援してくれるなんて・・・


「はい、次の世界で精いっぱい頑張ります」


 私は、そう返事するとぺこりと頭を下げ、ゲートを通過しました。




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