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やりすぎな彼女と乙女みたいな俺 作者:ジュゲ
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第二話 風俗嬢伝説

 メソは謎が多い。
 今にしてみると勝手に俺らが願望から捏造したんだろう。
 でも当時の俺らにはそれを理解出来る脳みそはなかった。
 それこそ七不思議どころの騒ぎじゃなく噂があったと思う。
 その一つが伝説の風俗嬢説。
 バカな話だ。
 18才の時点で風俗嬢はやれないだろうし、そもそも伝説って幾つからやってるんだって話だ。ここは日本だぞ!アホかいねって感じである。それがヤリタイ盛バカパワーなのだろう。男達の願望が反映されていた。
 学生時代はそれこそ風俗で働いているというのがもっぱらの噂だったが、それは俺らの願望が入っていたのだと今にして思う。
 願望。そうなんだ、もしそうなら店に行けばメソとやれる。
 俺らの間ではメソの店があれば全財産投げ打ってもいいという男らが多数いた。
 チャナカなんかマグロ漁船に乗ってもいいとか言ってたな。
 今にしてみると漁師さんに大変失礼なことを考えていた。
 余りにも盛り上がりすぎて、皆でメソの店を探すべく一斉捜索とかいう企画が出来たり、メソの店でやる時は絶対に皆で行こうと一致団結。競うようにアルバイトをし、金を溜めた。
 当然ながら俺もやる気満々。
 毎日メソのこと考えては自家発電に余年がない。
 そのうち、自家発電じゃイザという時に困ると、枕相手に予行演習。
 AV見てはお互いメソとの最高の夜を妄想し技を披露し合った。
 男によって意見は別れるところだが、俺は風俗はカウントされない派だ。
 何せ相手はプロ。
 だから俺はメソが風俗嬢だったら即行くつもりで誰よりもアルバイトも頑張り万全の体制と整えていた。
 今にしてみれば笑い話だが有るはずもなく。
 企画は頓挫していく。
 ある者はその金を握りしめ夜の町へ。
 ある者は最新のゲーム機へ。
 ある者は多量なオナホールへと金は消えていく。
 俺はどうしても諦めきれず、恥ずかしい話だが未だにあの金は使ってない。
 もう俺にとってはお守りみたいになっている。
 彼女との初夜の為の軍資金にするつもりである。

「なに考えてるの?」
「あー昔のことを思い出していた」
「な~に~オジサンみたいこと言って。なに想いでしていたの?」
「俺ら、お前とヤリたくて色々なことしたんだよ。お前に言ったことあったっけ?」
「初めて聞いた」
「そっか。その中にな、どうしてかしらないけどお前が風俗で働いているって噂があってさ、皆で探したりしたんだ」
「え!?ヤル」
 だからお前はな、ムードというのを考えてくれ。
「いや・・・ややこしくなるからその話は置いておこう」
「わかった」
「それでな、皆で探したり、アルバイトしたり技を疲労しあったりしたんだよね」
「ふ~ん」
 メソは不思議だ。
 過去の話に一切興味を示さない。
「お前さ」
「なに?」
「あの時も聞いたけど、高校ん時、風俗で働いたことある?」
「ないよ」
「・・・」
「・・・うん?」
「ですよね~」
「うん」
 全く妄想パワー全開の男子ときたらどうしようもない。
 メソは嘘をつかない。
 それは確信出来る。
 感じられるんだ。
「で・・・ヤル?」
 なんだ。
 話が終わるの待ってたのか。
 可愛いヤツめ。
 可愛すぎるだろ!
 ていうか、話聞いてた?お前。
 餌を待つ子犬じゃないんだから。
「俺さ」
「うん」
「お前がもし風俗嬢だったら、毎日通いたいと思って必死にアルバイトしたんだ」
「アルバイトしなくてもいいよ」
「うん、まー、なんていうか・・・ありがとう」
「ムード出来た?」
「うん・・・出来ない」
「そっか」
「うん・・・」
「なんで今じゃ駄目なの?」
「いや、駄目なんて言ってないよ。ヤリタイよ俺だって。キスしたい。でもお前、キスさせてくれないじゃない。触ろうとしても触らせてくれない」
「だって~キスってことは、ヤルってことでしょ?ヤラナイのにキスだけなんて私やだ」
「我儘だな~。ボディも含めて」
 クスクス笑っている。
 その笑いは何を意味しているのか。
 クッソ可愛い!
 抱きしめたい!
 でも投げられる。
 抱きしめた上に投げられるなら本望なのだが、ただ投げられるからな。
 格闘技の練習に来てるわけじゃないんだから。
「何時だったかお前にキスしようと1日頑張ったことあったでしょ」
「あったっけ」
 これだ。
 お前の記憶力はどこへおいて行った。
「あったじゃん。去年のクリスマス」
「憶えてない」
「5回トライして5回とも投げられた」
「痛くなかった?」
「うん。大丈夫」
「よかった」
 なんだこれ。
「なんで駄目なんだ?」
「だってそれって前戯でしょ?」
「まー・・・な」
「前戯で終わりじゃ~」
「そうか・・・なるほど」
「じゃあさ!なんで、触らせてくれないんだ」
「それも同じじゃない」
「・・・ちょっと待て!じゃー外人のハグやチュ、チュってするだろ!」
「あれは挨拶だから」
「そう・・・・いやいやいやいや、待て。どう違うんだ!」
「挨拶でするソレと本番があっての前戯は違うじゃない」
「ちが・・・うの?」
「うん」
「そう・・・なんだ・・・勉強になったよ」
「どういたしまして」
 なんだこれ!?
 え?
 なんか俺、ていよく交わされていない?
「どう違うんだ?」
「だってチーちゃんのソレって挨拶じゃないでしょ?」
「・・・挨拶だよ」
「そうじゃなくて、気持ち」
 気持ち・・・。
 あ~・・・・。
「違うな」
「でしょ」
「うん・・・悪かった」
「ううん、悪くないよ」
「ありがとう」
 なんだこれ!?
「挨拶のキスと、ソレのキスって違うの?」
 諦めきれない俺がいる。
「全然違う」
「そうなんだ!」
「うん」
「俺に挨拶の練習をさせてくれないか!」
「もう、その時点で挨拶にならないじゃない」
「そう・・・か」
「うん」
「ごめん・・・」
「ううん、謝ることないよ」
「うん」
 だから俺!しっかりしろ!
 負けるな、チャンスだろ!
「じゃー・・・キスさせてくれ」
「ヤル!?」
「んー・・・・・・・・ちょっと待って」
 目をキラキラさせて俺も見ないでくれ。
 なんだ俺が凄いゲスな人間に思えてくる。
「ヤラ・・・・・・・ない」
「もー!散々期待たせて~!」
 ペチンと叩いた。
 あーもーこれだけで興奮する。
「なんだか、ごめん・・・」
「いいよ」
 あーくそー!いっそ自分の中のしがらみを解き放ってメソでしたい!!
 思いを遂げたい!!
 でも、初めては心から好きな人と、愛を感じる人とヤリタイ。
 メソは美人過ぎて愛の前にヤリタイが先に出すぎる。
「あー俺さ・・・自己嫌悪」
「チーちゃんはいい子、私、大好き!」
「メソ・・・」
「ムード来た!?」
 お前、又おっぴろげて今すぐにでも布団を敷こうとするな。
 メソ・・・その喜々としてやる気満々な顔はヤメテくれ。
「メソォ・・・今、消えた」
「ゴメン!」
 女子高生とやりたいオッサンみたいな顔。
「いや、いいんだよ、俺もお前のこと大好きだから」
「チーちゃん・・・やっぱりヤロウ!!」
 何がヤッパリなんだ。
「うーん・・・・また、今度ね」
「もーーー!」
 だからパンツ見えてるって。
「パンツ!パンツ!」
「あ」
 ジタバタしているのを辞めてチョコンと座る。
 クッソ可愛い!
 クッソ可愛い!
「お前さ・・・・」
 言いそうになってやめる。
 「風俗に勤めてみない?」って言いそうになった。
 でもそれは違う。
 そうじゃない。
 俺は今でも風俗はカウントされない派だ。
 何せ彼女らはプロである。
 でもそれは言ったら駄目だと思った。
 一瞬だがヤリタイ彼女とヤリタイ俺のニーズが一致している気がした。
 でもそうじゃないんだ。
「なに?」
 真っ直ぐ見つめる瞳。
 あー自己嫌悪。
 俺はクソだ!
 最低だ!!
「何か困ったことあったら言ってくれ。俺には財力もないし強くもないし頭も弱いし才能もないから頼りないかもしれないけど、万が一にもお前を苦しめる何かがあったら守ってやりたい・・・・守らせてくれ・・・」
「チーちゃん・・・」
「お前は義理堅いから黙っていなくなることなんて無いと思うけど、もし俺が嫌になったら去る前に一言いって欲しい、いなくなったら寂しくて自分がどうなるかわからないから・・・」
 メソが俺の手を掴んで泣いている。
 大粒の涙を俺の手に這わせながら。
 でも・・・胸は当てない。
 その豊かな胸を。
 なぜなんだ・・・・なぜ当てない。
 当てて・・・ええんやで?
 谷間が・・・凄い。
「お前・・・本当にオッパイでかいな」
「もう!」
 ガバッと顔を上げると、目を真っ赤に腫らしたその顔で俺を見るや肩を激しく叩いた。
「いった!!お前、今本気だったろ!」
 格闘家の身体は凶器だ。
 熊が「よせや~い!」って感じで気軽に手を振ったら俺たちはボロ雑巾になるのに近い。
「今のはチーちゃんが悪い!」
「だって谷間がこれでもかって見えたら男子の頭の中は『オッパイ』で満たされるんだから仕方ないだろ!!」
 オーバー・ザ・ワールド。
 地球が一回転する。
 薄れゆく意識の中で俺は思った。

 だってしょうがないだろ。
 そんなオッパイ見せられたら。

 次の瞬間、天井を仰ぎ見ている自分がいる。
 本当に怒ったんだな。
 久しぶりに意識が飛ぶ投げをされた気がする。
 これは怒った証拠だ。
「メソ・・・ごめんな」
「私こそ・・・」
「お詫びといっちゃなんだが、今日はお前の好きなカルボナーラ作るから」
「やった!チーちゃんのカルボ大好き」
 俺を膝枕した。
「俺はお前が好きだけどな」
 その位置だとオッパイがよく見える。
 下乳が半端ない。
「私も好きよ」
 オッパイが・・・凄い。
 彼女は俺の肩を優しくさする。
 その度にオッパイが行ったり来たり。
 何もかもが届きそうで届かない。
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