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悪夢が正夢(現実)に変わる時
作:ユーリ


パシュ、パシュ!
暗闇の路地裏に、2発の銃声が轟く。
撃たれた子供2人は、蹌踉(よろ)めきながら(ひざまず)いた。
その2人の目線の先には、殺気に満ちた3人の子供の姿があった。
『や、止めろ歩美ちゃん!!』
『これはどういう事なの!?円谷君、小嶋君!!』
『どうもこうもねぇよ。』
『ボク達は最初から、君達の敵だったって事です。』
『ウ、ウソだ!!そんなハズはない!!』
『私達と過ごしたあの楽しかった日々が、全て偽りだったって言うの!?』
『ああ、そうさ。』
『なかなか楽しかったですよ?君達との『探偵ゴッコ』はね・・・』
『そんな・・・そんな・・・』
『ウソ・・・ウソよ・・・』
『これは現実なの。これが真実なのよ・・・』
『う・・・うぅ・・・』
『おしゃべりはここまでよ。そろそろあの世に逝かせてあげる・・・』
パシュパシュパシュパシュパシュパシュ!!!
それぞれ3発ずつの弾丸を受け、2人の子供は地面に沈んだ。
『意外と呆気なかったな。』
『そうですね。2人共最後まで、お互いの手を握ったまま絶命した・・・』
『さようなら・・・工藤新一、そしてシェリー・・・アハハハハハハハハハハ!!!』
3人は笑いながら、その場を後にした・・・





「う・・・うわぁぁぁぁぁ!!!」
少年・江戸川コナンはガバッと飛び起きた。
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
コナンは隣で寝ている毛利小五郎を見つめた。
小五郎はイビキをかいて寝ている。
「夢か・・・それにしても、何てイヤな夢なんだ・・・」
コナンは服を着替えると、歯磨きをしに行った。



帝丹小学校に向かう道を、コナンともう1人の子供が歩いている。
少女の名前は灰原哀。
元黒の組織の科学者であり、コナンのクラスメートである。
「灰原・・・実はオレ、イヤな夢を見たんだ・・・」
「工藤君、私もよ・・・」
「路地裏に追い込まれて、オマエと一緒に射殺される夢・・・しかもその撃ったヤツは・・・歩美ちゃん・光彦・元太の3人だったんだ・・・」
「ええ、私も全く同じ夢を見たわ・・・まさか、あんな夢を見るなんて・・・」
「何なんだ、あの夢は・・・」
「イヤな予感がするわ・・・正夢になったりして・・・」
「まぁ、夢は夢だからな。気にするだけ損だぜ。」
「そうね。とりあえず学校に行きましょ。」
コナンと哀は、手をつないで学校へと向かった。
これから起こる悲劇にも気づかずに・・・





帝丹小学校に着いたオレ達は、1年B組の教室の入口をくぐる。
入って来た瞬間、クラス中の生徒の視線がオレ達に注がれた。
ちなみにオレと灰原は今、つき合っている。
こないだ灰原に告白され、オレはそれにOKした。
告白にOKする事に、別に迷いはなかった。
蘭は瑛祐とつき合っているのだから、オレが灰原とつき合うのもいいというものだ。
ただ、その事がわかってからの歩美ちゃんや光彦と元太の様子が妙だった。
何か隠しているような、そんな気がしていたのだ。
そして、その不安はついに現実となった。



「起立!礼!着席!!」
小林先生の号令で、オレ達は席に着いた。
「授業を始める前に、皆さんにお知らせがあります。吉田歩美ちゃん、円谷光彦君、小嶋元太君は、今日は具合が悪くてお休みだそうです。」
・・・え?
オレと灰原は、おかしいと思った。
歩美だけならともかく、光彦や元太がそろって学校を休むとは考えにくいのだ。
やはり、何かあったのだろうか?
そんな事を考えていたコナンと哀に、放課後1本の電話が入った。
その内容とは、『少年探偵団の3人を預かっているから、北杯戸の倉庫まで来い』というものだった。
まさか、組織が歩美達に手を出したのか!?
そう考えたコナンと哀は、この電話に隠された真の意図に気づく事はできなかった。



コナンと哀は、北杯戸の倉庫までやって来た。
「おい、呼び出し主!」
「約束通り2人で来たわよ!」
2人が入ると、急にガレージが閉まったのだ。
「!?」
驚く2人の目の前に現れたのは、仮面をかぶった2人の子供。
おもむろにその仮面の子供は、拳銃をコ哀へと向けた。
その異様な殺気に、コナンと哀はたじろいだ。



拳銃を向けられたコ哀は、おとなしく2人によって背中合わせにされ、手足を縄で縛られた。
縛られたコ哀の目の前で、仮面の子供は引き金を引こうとしていた。
2人が覚悟を決めて目をつぶったその時、1発の銃声がガレージを吹き飛ばした。
乗り込んで来たのは、FBIのジョディと赤井秀一。
赤井が放った弾丸が、2つの仮面を叩き壊した。
バリン!!
「え!?」
コ哀は仮面の下の顔に驚いた。
何とその正体は、元太と光彦だったのだ。
さらに、2人の後ろからジンとウォッカも現れる。
1人の仮面の少女を連れて・・・
少女はゆっくりと仮面を外した。
スッ・・・
その正体は、歩美だった。
「あ、歩美ちゃん・・・!?」
「ど、どうして・・・!?」
「この少女こそ、我々をまとめ上げるボス・『あの方』さ。」
ジンの発言に、コ哀はガックリと跪いた。
「どうして・・・?どうして・・・!?」
「アタシのお母さんが、ボスだったのよ・・・そして、アタシはそれを引き継いだだけ・・・」
「そんな・・・そんなぁ・・・」
「これが現実なのよ・・・さぁ、行きましょ。ジン、ウォッカ。バーボン、スピリタス。」
「はい。」
コ哀が悲しみにくれる中、歩美はジン達を連れてその場を去っていった・・・



その後、歩美・光彦・元太の3人は帝丹小学校から姿を消した。
学校側はうまくごまかしたようだが、オレ達のように一部の人間は事情を知っている。
あの後オレと灰原はしばらく落ち込んだが、小林先生の慰めもあってか平常心を取り戻した。
歩美ちゃん達は失ってしまったが、オレ達には新たな仲間ができた。
クラスメイトの東尾マリアちゃんと、坂本たくま君。
そして、4年生の雨宮祥子さんだ。
もちろん、小林先生も本当に顧問になり、協力すると言ってくれた。
オレ達は、これからも新たな仲間達と少年探偵団を続け、黒の組織と戦っていく事になるのだろう。
歩美ちゃん達を、組織から救い出すために・・・














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