序章_少女と竜(後)
---時間が止まったような感覚だった。体はふわふわと軽くなったように感じた---
扉は完全に開いた
扉の奥は、あたたかな光が満ちていた。そこから巨大な竜が現れた。
竜は陽の光のような白銀の体とやさしげな金色の眼をしていた。
竜は私のほうを見ると大きな体を低くして「キュ~ン」と甘えた声で鳴いた。
私はその時、竜を怖いとは思わなかった
竜を見て最初に思ったのは可愛いだった
竜は、上目ずかいにこちらを見ていた
私は好奇心を抑えきれなくなって、ゆっくりとしかし、着実に竜に近ずいて行った。そして、そっ
と竜の頬、目の下あたりに手を触れた。
すると竜は、はじめはびくりしていが、こちらに頬を寄せてきた。
竜はつるつるしていたけど暖かい不思議な手触りだった。
『はじめまして』
それは突然だった。頭の中に声が響いてきた
「うわぁ!なんなの!?」
『あ、驚かせてしまいましたか、すいません』
「あっいえ こちらこそおどろいてごめんね」
『フフッ面白い方ですね』
竜はそう言って目を細めた。たぶん笑っているのだろう
「べつに、面白くないと思うのだけど」
『すいません』
「え、別に謝って貰うことじゃないよ」
竜は今思い出したように目を丸くして
『あっ自己紹介がまだでしたね、
我は竜皇が一つ光の司竜ホルウェールです』
竜が自己紹介をしたので、礼に則り私も自己紹介をした。
「マクウェント公爵家長女ミナレイ・マクウェント、10歳です。
よろしくお願いします。ホルウェールさん?」
そう呼ぶと竜は、きょとんっとした顔をした
『あっすいません、ホルウェールというのは光の司竜という意味を表していまして、名前ではないんですよ』
「えっじゃあ、名前ないの?」
『はい、竜族の間では私がホルウェールということがわかっていればよかったので』
「そうなの、それは不便ね・・・あっ!
それじゃあ私が名前をつけてあげる」
『本当ですか。ありがとうございます』
そう言ってうれしそうに眼を細めて尻尾を動かした。
その様がすごく可愛かったので
私は持てる知識をフルに使ってこの可愛い竜にぴったりな名前を考えた
「決めたわ、あなたの名前は-アリクト-私の国の古い言葉でね、希の明かりって意味なの。あなたの体は太陽の光の様に綺麗な白銀で眼は朝の太陽のように輝いて見えるでしょ?」
『-アリクト-希の明かり』
竜は呟くようにささやいた
「気に入った?」
『はい!ありがとうございます、主』
「そう、それはよかっ・・・」
・・・ん? 私は耳を疑った、今アリクトは、主・・・と言ってなかったか?
「・・・アリクト・・なんで主なの?」
私は恐る恐るきいた。そうしたらアリクトはうれしそ~に話し始めた。
『はいっ、竜は皆、始めは名前を持っていないのです。
だから名前をつけてくれた方は一生一度お仕えする主として、敬い服従するものなのです。
そして名前と言うのはこの世に存在を示すものとなり、竜として最も重要な魔力が増えることを意味します。そして魔力の増量数は主と定めた者の魔力の純度、量に比例します。なので一般的に竜と主従を結ぶ者は魔力のある魔法使いしかいないでしょ?
あっすいません。今は関係ないことしゃべってしまいましたね』
アリクトはしゅんっとなった。まあそれもすごく可愛かった
「うんうん、大丈夫だよ聞けてよかったよ
でアリクト・・・ちょっと長いね名前愛称つけようか。う~ん・・・アリィ・・アリィ
でいいよね?それでアリィどれだけ魔力増えたの?」
『それがですね。普通ではありえない量増えていまして・・・』
アリィは、私を足の先から頭の天辺まで見て今度は胸の辺りを見て眼を丸くした。
そして私の胸元を鼻で示した
『あっ・・・ありました・・・竜玉です。
主、竜玉がどういうものなのか知っていますか?』
「えっうんうん、特には。体から長い時間遠ざけると不安になると言うか・・・そんなのになるしか・・・」
『そうですか。竜玉というのはですね、本来竜の体の一部に埋まっているもので魔力制御のための物なのです。
竜は大体、他の生き物より何倍もの魔力を持っていますで、制御が大変なんですよ』
「へ~、じゃあ、どうして私は竜玉を持ってるの?
これはね、生まれたときに私とレクがそれぞれにもっていたものなの体には埋まってなかったよ」
『う~ん、なんででしょうね・・・人間と竜との違いでしょうか・・・?
主の竜玉は大きいですね、我とあまり変わりませんね』
そう言ってアリィは額を寄せてきた
「わぁほんとだ~でも色はちがうのね、私のは赤紫だけどアリィのは金だよ』
『それは大体、眼の色と同じなんですよ
そもそも眼や髪の色と言うのは魔力の属性などが現れますからね。
主のように、眼も髪も黒に近いなんて竜玉が現れなくとも、多大な魔力量と属性の者だと判りますしね』
「へ~、私って魔力多いんだ~
じゃあ、私も魔法使いになれるかな~?」
私は期待に満ちた目でアリィを見た。
アリィは尻尾を動かしながら眼を細め、はしゃいだ声を上げた
『えぇ!主なら世界一の魔法使いになれますよ!我も使い魔としてお仕え出来ますし、
アシストすれば連携技なんかも出来ますしね。あぁ今から楽しみです主・・・』
アリィは陶酔したような眼で私をずーと見た
「うん、私、魔法使いになるよ
それでアリィが誇れるような立派な使い手になるよ
一緒にがんばろうね、アリィ」
『はい。主、我が命尽きるまであなたのお心のままに・・・』
これが私とアリィとの出会いだった
1話も2話もなんだかんだでエピローグぽっかたかな?と思います
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