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  竜と双子の物語 作者:ASH
中途半端に閑話_猫なクゥ











 一年寮に着いた。

 一年寮は生徒会寮から徒歩5分ほどの距離にある。猫になった今日の俺では10分もかかってしまった。

 一年寮は他学年の寮と同様に連立して建っている。学塔地区に近い順に5年生。4年生・・1年となっている。

 一年寮には俺は半年しか居なかった。一年のうちに特認生になったからだ。

 まずは進入経路を探そう。

 寮の周りを周ってみると一つの窓が開いているのが分かった。

 あそこから入ろう。

 窓は一階ではなかったが猫の脚力で何とかなった。




さて、ミナとレクの部屋は最上階だったか

 クゥは意気揚々と階段を上り始めた。



 この学園は完全実力制だ。

 実力さえあればどのような身分であろうといい待遇が受けられるし、逆に実力が無ければどのような高い地位、たとえ王族であろうとも待遇はあまり良い物にはならない

 そしてなにより、生徒の自主性やら何やらを鍛えるとかでその待遇の差は分かりやすいようになっている。

 たとえば食事。特上、上、中、下という具合に豪華さやレパートリーの量が違うのだ、もちろん食堂は同じなので下の料理しか食べられない者はあの料理が食べたいと思ってがんばって勉学に励む。

 他にも手紙のやり取りや学内下の魔法や剣の使用権限、もちろん住居なども違ってくる


 住居と言っても寮なのだけれど、それもランク別になっている。部屋の大きさ、備品などの日用品、収容人数などだ
特上といわれるのは学年に2人で勉学、運動その合計点が高いものがなる。部屋はもちろん一人部屋で備品も最高級品、部屋の場所も寮の最上階を特上の二人が使うだけ、専用大風呂やほしければ専属侍女をつけることも可能なのだ。

 まさに至れり尽くせりって感じだな。

今の説明で大方分かっていると思うが、今年の一年の特上ランク生徒は俺の幼馴染であるミナとレクの二人だ。

 つまり、ミナは最上階にいるってことだ。




--カチャ

 クゥは以前自分が使っていた方の部屋の扉を開けた
 すると中から話し声が聞こえてきた。

 ん?話し声がするな、レクとミナは二人でいるのか?

「…~~~ですから、主。それは私がやると……」
「大丈夫だって…、あっ!」

--ガラガラ、ドスンッ

「!? あ、主! 大丈夫ですか!?
 今、治療します動かないでください」

「だいじょうぶだよ~
 それよりどうしよう、せっかく片付けたのにちらかちゃった」

「そうですね、そろそろお昼ですし昼食にしましょうか?」

「うん、そうする」

 扉を開けてすぐところにいたクゥはばっちりとミナと眼があった

「にゃ、にゃ~お?」

 クゥはとっさに鳴いた

 まずい、まずいぞ。部屋に勝手に入ったのがばれたら…。
 って今、猫じゃんその辺は大丈夫だな。
 残る問題は1つミナの隣にいる男は誰だ!?

「わぁ~。ニャンコだよアリィ、ニャンコ!」

「そうですねぇ。何処から入ったんでしょう?
 まぁ後で外に出しておいてあげましょう」

「うん、わかった。
 レクの所連れて行ってもいいかな?」

「レク様が嫌いじゃなければいいですけど…」

「じゃ、大丈夫
 レクは基本動物が好きだから」

「それでは行きましょうか」

 クゥはミナに抱えられたままレクの部屋に行くことになった






「う~ん。寮内にいるって事は誰かの使い魔かもしれないね。
 だったら早く帰してあげないと」

 レクに猫について説明すると早々にそう言い出した

「うん、じゃすぐに放して来る」

「一人で行ける?」

 レクが心配そうに聞いてくる

「大丈夫だよ、外に放したらすぐ帰ってくるから」

「いってらしゃい」
「いってらっしゃいませ」

「いってきます」




「うふふ、ふわふわぁ
 ねぇニャンコさん。ニャンコさんの毛の色と眼の色はね。私の幼馴染と同じ色なんだよ。
 その幼馴染はね、1つ年上だからかな?いつも一人で何でも背負い込んじゃうの。
 私達はいつもクゥの見方なのになんだか信用されてないみたいに思ってね。すこし悲しいなって思うんだ……」

 寮の玄関まで来るとミナは猫を放した

「バイバイ、ちゃんと帰るんだよ?」

 ミナが見送る中、クゥは急いで寮に戻った






「あ、いたいた王子。そろそろ薬が切れる頃です。部屋に戻ってください」

「にゃ~」

 クゥはその言葉を聞くと自室に勢いよく走り出した

 部屋に入るとほぼ同時に体が元に戻りだした

「やっと、戻れた」

--トントン

「王子、ぎりぎり間に合ってよかったですね」

「なにが良かったですね?だ。元はお前が悪いんだろうが」

「ひどい。ほんとに間違っただけなのに、栄養剤は善意なのに……」

「あ~もう分かったから
 とっとと出て行け」

「はいはい」




 アドルフが出て行きしばらくするとクゥは椅子に腰掛けた

 一人で背負い込む、か…。信用しているよ、ミナもレクも。だけど、君達にはまだ重い者を背負ってほしくはない。








 それにしても、ミナの部屋にいたあの男。いったいだれなんだ?





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