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38話 新たなトラブルの予感です…

投稿がかなり遅れてしまって申し訳ないです。

これからもスローペースではありますがよろしくお願いします。


エリカとの外での会話をマリアやロゼに必死に説明?弁明?すること30分…なんとか理解してもらえたが、最後にロゼに『そんな度胸ないもんねー』って言われたのはかなりショックだった…

サリバンは少し羨ましそうな表情で見てきたのはあえてスルーしよう。うん。俺は決してロリコンではないし。まあ、マリアのメガネ姿は…うん。最高だね!


「マリア様、本当にっ…グスっ…何も…ありませんでしたので…」


「おい!てめーいい加減にしろや!」


「初めて…だったのに…」


エリカはわざとらしく演技をし、涙まで流し始めた。なんて役者な女だこのやろう…


「マジでいい加減にしないと、締め…「ボルトさん。あなたがそういう人ととは思いませんでした」


「待てっくれよぉぉおおおおお!!!」



エリカの冗談のせいで俺は必死に謝ることになったが、そのおかげか車内が少しだけ明るい雰囲気になったのはいいことだろう。まあ、気に食わないが。そして、俺をいじってきたエリカの表情が素のように思えた。

しばらく進んでいくと、外の景色が森から変わり開けた場所に出た。見渡せば畑なのかきちんと正方形に植物が植えられていた。道の整備はされているようで、車輪からくる衝撃も少なく非常に快適だ。すると、突然馬車が停まったのでどうやら目的地に着いたようだ。


「着いたようですね。」


エリカが発言と同時に扉が開かれたので、エリカを先頭に馬車から降りると、そこには木製の小さな家が並んだ基本的な村があった。家の数は30もない程度で、多くの住人がこちらを見てくる。遊んでいた子供達を母親が抱っこし家に急いで戻る光景は印象深かった。悪人が来たみたいな対応だな…

村を一周している獣除けと思われる柵の入り口で待っていると、腰が曲がり杖をついた老人が一人出てきた。その後ろには護衛なのか若い男が一人付いていた。


「失礼ご老人。あなたがここの村長ですか?」


「ええ、私がここの村長です。それで、こんな田舎村に帝国の勇者様方が何のようで?」


「ここに英雄がいると予知がありましたので、立ち寄らせていただきました。帝国で保護したいので男児を全員集めて頂いてもいいですか?」


一瞬村長の目線が鋭くなり、苦虫を潰したような表情をしたのが気になり『心読』を発動させる。


「『英雄だ英雄だと言って子供たちを奪い追って…何が保護じゃ。一人も帰ってきたことはないじゃローが…』」


村長の心のぼやきを聞くと、帝国もかなり多くの子供達を強制的に連れて行くのか…こりゃあ、反感くらうわな。まあ、帝国としては少しでも戦力を確保したいのと、英雄を野放しにすれば帝国と敵対する可能性があるしな。これは俺の問題じゃないな…


「ベルト、家々を回り男児を集めてくるのじゃ…わかっておるな?」


「承知しました、御父様。」


目線で何か合図を送ったようで、若い男も理解しているようだ。英雄に心当たりがあるのだろう。

しばらく待っていると、15分ほどで若い男児を連れた夫婦が3組でてきた。どれも俺たちを睨むように見つめてくる。いや、睨まれている。


「さて…ボルトさんは鑑定が使えるのですよね」


「ああ…」


「では、ステータスを見てください。」


俺は言われた通り、男の子たちを鑑定し始める。一人目は体力や筋力が平均より上で年の割には背が高い。もう一人は細い目を細ませながら、俺を観察するように見てくる。最後の一人は怖いのかずっと両親の手を離そうとしていない。どれも大したスキルはなく、英雄とは言えない子たちだった。


「どうでした?」


「いや…いないと思うぞ」


「そうですか…ですが、サリアがあれだけ暴れるレベルだとかなりの上位スキル…村長殿、この村の男児はこれで全部ですね?」


「ええ。」


「そうですか。では、調べさせてもらっても構いませんよね?」


「そ、それは…」


村長が睨むようにエリカを見つめるが、エリカはどこ吹く風といった表情で受け流すが、村長の表情で隠しているのがバレたのか後ろで控えていた勇者たちがどんどんと柵を越えて中に入っていく。

すると突然一軒の家の扉が開き小さな影が飛び出してきた


「この村から出て行け!人攫いどもめ!しね!しね!」


そこには顔に傷のある活発そうな男の子だった。村長はあっちゃーというような表情で頭を押さえると、深くため息を吐く。エリカは素早く指を振ると、勇者たちは一斉に男の子に集まってくる。


「ヒッ…」


突然集まってきた勇者たちに男の子はビビって動くことができていない。一人の勇者が男の子に触ろうとした瞬間、扉からもう一つ影が飛び出し男の子に覆いかぶさる。


「やめてください!お願いします!本当に!この子だけは…この子だけは…」


影はブロンドの髪をした綺麗なお姉さんだった。どうやら男の子の母親のようだな。胸は…結構あるし、タレ目なところが可愛いな。是非仲良くなりたいところだ。


「どうなさいますか、エリカ様」


「引き剝がしなさい。男児を確保すれば十分です。」


「承知しました。」


勇者の一人が男の子を抱きしめる母親の腕を掴むと、そのまま捻りあげ無理やり男の子を引き剥がすと他の勇者が男の子を抱え上げる。そして、ゆっくりと馬車に向かってくる。その光景に一瞬怒りを覚え、母親の腕を捻りあげた勇者を殴ってやろうと思ったが、俺が手を出したところで意味がないと自分を抑え込んだ。母親が必死に連れて行かれる男の子の名前を呼びながら近づいてくる。その度に勇者に振り払われ地面に倒される。男の子も必死に母親の名前を呼びながら抵抗するが、所詮子供だ。


「マグネ!マグネ!」


「おかぁざん!!嫌だぁ!放せよぉ!おかぁざん!」


「いい加減にしろや!うぜーんだよ!」


何度も何度も母親が助けようとするのが、勇者の癪に障ったのか母親の顔面にきつい一発を叩きこんだ。母親の体はゴムまりのように地面を数回はねながら吹き飛ぶ。それでも、倒れながらも必死に腕を伸ばす姿に俺はいてもたってもいられず吹き飛ばされた母親の元に向かおうとすると『危険察知』が脳内にけたたましい警鐘が鳴り響く。今までで一番の音だ。俺はすぐに跳びのきその場から離れる。


「母さんを…!!!!」


「おい!お前ら!すぐにそのガキから離れろ!早くしろ!」


俺の言葉を理解できないように俺を見てくるが、すぐにエリカから指示が飛ぶ。


「早く離れるのです!子供でも英雄です!」


しかし、エリカの指示が届く前に男の子の周りにいた勇者が何か見えない力によって吹き飛ばされた。かなりの勢いがあり勇者は家や柵にぶつかり止まる。男の子は瞳孔が開き肩で息をしており完全に興奮している。吹き飛ばされた勇者はすぐに立ち上がり男の子に向かっていくが男の子の2メーターほどで突然止まる。見えない壁があるのか必死に近づこうとしているが、一向に男の子に近づけない。


「ボルト様…あの少年のスキルは…」


「一つじゃない…二つも持ってやがる…」


「二つ!?セカンドは今まででも3名だけです!英雄では初です!スキル名は!?」


「『反発』と『吸引』だ…」



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