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36話 帝国に向かうことになりました…

区切りがいいので、ここまでで。

ページを開いたらなぜか評価がかなり上がっているのですが…正直ビビってます。何か壊れたんでしょうか…最後に見た時は評価が200前後だったのですが…今見たらもう直ぐ1000超えそうです…

読者の皆様、ありがとうございます!更新も遅く誤字脱字も多いですが、これからもよろしくお願いします!

「めんどくセーな…」


「まあ、そういうなって…それにしてもどうしてそんなに自分の存在を隠そうとする?」


「…俺にも使命ってのがあるんだよ。深くは聞くなよ…」


「そうか…まあ、いつか話せる時があったら教えてくれ」


「ああ…」


なぜか重い空気になってしまった。ルシファーからあまり言うなと釘を刺されているだけなんだが…言い回しがおかしかったか…まあ、いい。勇者達は全員俺と等価交換した保存食を泣きながら食べている。

しばらく無言になっていると、突然後ろから俺たちに向かってくる気配があった。俺は気配の方を振り返ると、その気配は勢いを殺すことなく俺の胸に飛び込んできた。気配が誰かわかっているのであえて、構えることはしない。


「!!…」


精一杯口を開けて笑顔で俺に飛び込んでくるロゼを衝撃のないように優しく抱きとめる。どうやら俺の名前を呼んでくれていたようだが、やはり口から出たのは空気だけだった。まあ、それでもこの笑顔は癒されるな…


「おお!ロゼ!大丈夫だったか?」


『うん!大丈夫だったよ!あの空飛んだ馬車の中でね!絵本読んでもらったの!』


『心読』スキルでロゼの伝えたい気持ちを読み取る。片手に持っていた『シンデレラ』と書かれた絵本を満面の笑みで俺に見せてくる姿は少しだけサリバンの気持ちがわかるきがするな…いや、気がするだけだ…うん。俺はロリコンではない。


「そうかそうか!よかったな〜」


「はぁはぁ…ボルトさん!無事だったんですね!…」


それから遅れてマリアがやってきた。走ってきたようで息が荒く若干汗をかいているようだ。俺はロゼを抱っこしながらマリアを見つめる


「はい。まあ、こんなことで俺は怪我なんてしませんよ。」


「ふふふ。ボルトさんらしいです」


「そうですかね?…」


俺とマリアがお互い笑いあっていると、ものすごい殺気のこもった視線がそこら中から突き刺さる…

あたりを見渡すと、プラスチックの容器が変形するほど強く握りしめ目を血走らせた男性の勇者たちだった。逆に女性の勇者たちはきゃっきゃとこちらを見ながらはしゃいでいる。


「はいはい!お二人さんのいちゃいちゃはこれくらいにしてくれ。見てるこっちが恥ずかしいぜ」


「そうです!もう!」


「そ、そうだな。それで…マリア。俺は帝国に行くことになってな…その…」


「わ、私も…連れて行ってはくれませんか?…回復魔法も使えますし…道中お手伝いできると思いますので…」


『おでかけするの??私も行く!』


「そ、そうか。ロゼも行きたいか。よし!行こう。保護者であるマリアもいかないとな?」


「そうですね!はい!」


「お寒い芝居はやめろって…はぁ…おい、エリカだったけか?帝国にはいつ出発するんだ?」


すでに食べ終わったようで、目を閉じうっとりしていたエリカにサリバンが声をかけると、一瞬で元に戻りメガネをかけ直す。


「今すぐに出発します。転移の使える勇者はすでにメルちゃんを連れて出発したので、馬車で向かうことにします。数名は残して、捜索を続けてください。」


「捜索?誰かいなくなったのか?」


「『大剣のコウ』の姿が見えないので捜索しています。」


「ああ…あいつか。ギルドで俺に剣を向けてきたやつだな…」


「そうですか…カエデによると、洗脳されていたようですが…連れ去られているとなると少し厄介ですね…」


「どう厄介なんだ?…」


「それは帝国に帰ってからお話いたします。さあ、今すぐにでも発ちます。皆、出発の準備を!」





ターベスの街から東に数百キロほど行った山奥をものすごい速度で走り抜ける老人と、その後ろを必死に追いかける白いワンピースの女の子の姿があった。


「はぁはぁ…少し休憩にしませんか…ミラル様…」


「何を言っている…すでに5の都市の龍が襲われているのだぞ。気は抜けぬ。いち早く『龍苑』に戻るのだ。」


「わかってはいますが…龍に姿を戻してよろしいですか…この姿は歩幅が小さく…」


「ダメだ。見つかるぞ…いや…すでに遅かったか…」


老人は深くため息をつくと、その場で立ち止まり振り返る。女の子は疲れたのか、その場でしゃがみこむ。

すると、老人が振り向いた先に黒い靄が立ち込めあたりを黒く染め始めた。女の子もさすがに気づき、立ち上がって靄に警戒する。しばらくすると靄の中から真っ赤なフリルのついたドレスを着た黒髪の少女が出てきた。服装と同じくフリルのついた傘を持っている。ゴスロリというやつだろう。


「これは…実に厄介な相手じゃ…」


「あら?なんか、お久しぶりなおじいちゃんがいるのですけど?」


「おじいちゃんと呼ばれるほど年はとってはおらん…」


「ふふふ。まあ、いいでしょう…さあ、そのお嬢さんを渡していただけますこと?」


「仲間は売らぬ。そして貴様とも戦闘はせぬ」


「あら?本当に都合の悪いおじいちゃんですこと。まあ、争うとこの山が消し飛んでしまいますしあの方には私の方から伝えておきましょう…」


「あの方…だと?…まさか」


「では、ごきげんよう。老龍さん、今度会うときは命の駆け引きでもしましょう」


少女はそっと傘をくるくる回しながら出てきた黒い靄に入っていくと、すぐに靄も霧散した。


「ミラル様…あいつは一体…」


「あやつは『破滅のフミカ』…あやつが動いているということは…戦争が起こるのか…」



〜時間は少し遡り、勇者が街にやってきた夜〜




薄暗い部屋の中で、机の上に並べられた試験管や顕微鏡などを乱暴にカバンに入れる白衣を着た女と、それを手伝う若い女。それを見守る男。そして、近くにあった椅子に腰掛けながら本を読む獣人


「ハッシュ…見てないで手伝ってくれてもいいじゃないか」


「勇者が来れば発つと伝えたはずなのに、支度しなかったお前が悪い」


「ハッシュは性格悪いから仕方ないよ、マーズさん」


「早くしろ…」


「はむぅ…もう無理…ストリクス〜お前さんも手伝ってはくれないのだね」


白衣の女は机の後ろに会った大きめのベッドにダイブし、枕を抱きながら獣人の方を見る。獣人は白衣の女を一切見ることはなくただ本に集中している。


「私は疲れている。早くしろ…獣王が我々の報告を待っている」


「ムゥ…まあ、いいさ。獣王国は居心地いいからね〜獣臭いけど。」


「それに関しては同感だ。それで、ストクリス。お前からボルトの匂いがするんだが?」


男が腕を組んでクンクンと鼻をならす。すると本から一度も目をそらさなかった獣人が、目を細めながら男を見つめる。猛禽類ならではの鋭い眼光で男を見る。


「店に来た。それだけだ…」


「ふーん…んで、お前はどう思うよ。あいつを」


「興味深い…それだけだ」


「そうか?俺は一番最初に会った時、燃えた匂いと人間の血の匂いが混じって危険かと思ったが、エルフの匂いもあってな…多分だが、あれはババァの匂いだ」


「へー。まあ、いいじゃないさ。どうせ、獣王様なら『会ってみたい、連れてまいれ」とかいうんでしょう」


「いいそうだな。って早く支度しろ!」


「ヘイヘーイ」



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