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35話 勇者達は飯に飢えているようです…

エリカが幼く思えてしまうので、後から少し訂正するとおもいます。すいません…

25歳くらいのキャリアウーマン的な容姿を想像してもらいたいです

「ボルトさんですね。そして、サリバンさん。アンドレスさん。私はエリカと言います。Z班…対堕勇班到着しました」


「エリカ…メルが電話してた相手か…それで、これはどういう状況なんだ?」


俺はぐるりと囲む黒髪の集団を見渡す。幼い顔立ちの少女から、無精髭を生やしハンマーを担ぐおっさんなど年齢層はバラバラだ。しかし、ここまで完全武装した集団が警戒は、日本じゃ見ることはできないだろう。


「全員武器を収めなさい。」


エリカの小さな声で、一瞬で敵意はなくなったが警戒はされているようだ。サリバンとアンドレスが俺の顔を見てくるので、うなずくと二人は武装を解く。すると、目の前のエリカが大きなため息をつく。


「はぁ…この度はターベスの街を救っていただき感謝します。そちらに倒れているのが堕勇のようですね…」


「大したことはしてないぞ。そいつもミツコと一緒にいた堕勇だ。そんで、ミツコ自身には逃げられた」


「そうですか…彼は…ふむふむ…」


エリカが俺の横を通り過ぎ、倒れている堕勇に近づき見つめる。


『特殊スキル『記憶装置(ストレージ)』の使用を確認しました。特殊スキルのため入手できませんでした』


「先日、獣王国に異動になったミズカベ君ですね…どうして堕勇になったのでしょう」


「知らねーが、街の住人はどうするんだ?とにかく洗脳はどうする?」


「これは損傷がひどいですが、息はありますね…さすが古代種ですか…はぁ…街の方々は心配なさらずともすでに解決済みです。女性方は、城に閉じ込められいたので救助を出しています。リカ、彼の怪我を癒してください」


エリカは俺の問いに答える前に何やらブツブツとつぶやく。どうやら自分の思考が優先のようだな…いやスキルの影響か?…まあいい。エリカの命令で奥から幼い少女が堕勇に近く。少女がそっと堕勇に手をかざすと、堕勇の体が薄緑色の光に覆われ徐々に怪我が治っていく。回復系の能力を持った勇者か。


「そうか。まあ、これで解決ならいいよな。俺たちは行かせてもらうぜ」


「そうも行きません。街を救っていただき、その上堕勇の確保。王も喜ばれています。ぜひ、会いたいと…褒賞なども用意させていただきます」


「要らない。その王様にはこう言っておけ、「大したことはしていない。」ってな」


「いえ、拒否権はありません。あまり乱暴なことはしたくないのですが…それに、あれを見た以上絶対に逃しません。」


エリカがそっと赤縁のメガネを中指で上げる。レンズが光を反射しどのような目をしているかわからないが、猛禽類が餌を見つけたような鋭い目つきなのだろう。それと同時に、囲んでいた勇者どもが武装を展開していく。サリバンもアンドレスも一瞬で警戒する。


「あれとはなんだ?俺はお前らに何も見せちゃいないが?」


「いえ…私が見た頃には…空になっていましたが…二人をじんもn…問い質したところ、ボルトさん。あなたの能力と知りまして…金貨100枚で買ったと知りました。」


「……まさか…」


「そのまさかです。金貨ならいくらでも差し上げましょう…だから!


「「「「「「飯をよこせぇぇぇええええええ!!!!」」」」」」


エリカの言葉と重なりながら周りの勇者たちが叫ぶ。今にも襲いかかってくるかと思うくらいの勢いだ。警戒していたサリバンとアンドレスは何のことか理解できず戸惑っている表情を受けべ、俺は溜息をつく。


「わかったわかった!後でくれてやるから、その前に俺の能力についてどこまで知ってるか教えてくれ」


「後でですか…能力についてですが、『召喚系か生産系かどっちらかの能力』とだけです」


「案外素直に話すんだな…」


「ええ。カエデからの情報によると『心読』スキルを持っていると聞きましたから。嘘をついても見破られるでしょうし…とにかく今は信頼を得るため、嘘はつかないようにとメルちゃんに言われましたから」


「そ、そうか」


素直に話すところから嘘ではないようだが、信じるのもバカだ。警戒はしておくか…

それにしても能力についてバレていないとして、ケントの言っていた『代償』は何かつけておいたほうがいいだろう。無償で召喚できます何て言ったら、ひどい目にあいそうだし…


「わかった。とりあえず、飯を出してやってもいいが『代償』がある。それは『等価交換』だ。どんなものでもいいが、俺が対等だと判断しないとダメだ」


口から出まかせだが、案外いいところじゃないか?…

俺がそう言うと、一瞬で勇者たちがざわめく。どんだけ飢えてるんだよ…


「それはカエデやケントは何を交換したのですか?」


ウゥっ!鋭いな…確かにあいつらと交換したもんはないな…何かないか…ああ!


「別に物じゃなきゃだめとは言っていないだろ?あいつらは俺に『能力を開示』した。俺はそれを等価交換として召喚してやった。金貨は適当に言った冗談だったが、渡してきたんでな。もらってやった。」


「の、能力の開示ですか!?それは手の内を晒すということにつながります!」


エリカが戸惑うような表情で考え込んでいる。

まあ、確かに能力によっては、完全に無効化できるしな…ふっ…さすがに無理だろう。飯は諦めr


「わかりました。開示ということで。みんな、食べたい場合は能力を伝えてください!それで、どんなものが出せるのですか?」


「え、えーと…カレーと親子丼とか?」


「か、か、カレー…お、お、親子丼…ジュルゥ…!」


垂れるよだれを拭うエリカは残念な女の子にしか見えない。

それにしてもカレーは色々なスパイスがあったりして再現できなくても、親子丼は行けそうな気もするが…

難しいのか?鳥も卵もありそうな気がするが…まあいい。


「し、仕方ありません。まずは私から…私は『完全記憶のエリカ』で『記憶装置』です。記憶したいことは、二度と忘れず、同時に思考できたりします。か、カレーをお願いしますぅ…」


エリカがそっと手を差し出してくるので、『備品発注』で保存食のカレーを取り出して渡すと目を丸くして受けとりその場で上蓋を開け付属していたスプーンでゆっくりとすくい口に運ぶ。


「う、うぅ…おいしぃ…おいしぃよぉ…」


エリカは泣きながら、カレーをよく味わうように咀嚼する。飲み込む時は名残惜しそうに…

それを見ていた他に勇者たちも後に続き、俺に能力を開示していく。正直数が多すぎて全て記憶できなかったが、かなり強い能力者が集まっているのがわかった。


「それにしても、お前は勇者だったのか?…」


「勇者じゃないんだが。まあ、いいや。」


「そんなのどっちでもいいじゃないですか…それで、どうするんですか?帝国に行くんですか?」


「俺は面倒なことに巻き込まれそうだし、あんまり行きたくはないんだが…そうもいかないだろ?」


「まあ、いかないだろ。帝国は獣王国なんかの大きな国と繋がってるし、敵対はしない方がいいだろ」


「めんどくセーな…」


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