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23話 侵入者っぽいんですが…

ロゼを抱っこしながら、教会に戻る。教会に入る前に気配察知に気配が引っかかった。数が合計4名…二人が入り口近くに…おそらく誰か来たら二人が襲いかかり、もし二人より強かったら時間を稼いで前の二人を逃す計画だろう…


「ロゼ、マリアのいる場所と、ミルクティーって宿屋はどっちが近い?」


『なんで?』


「いいから、今日は外に飯を食べに行こうな」


『うん!えーとね…多分ミルクティー!』


「そうか。なら、マスタ…店主のおじさんのところにいてくれ。ほら、なんでも好きなもの食べていいから」



ポケットから金貨を取り出しロゼに手渡し軽くロゼの頭を撫でる。くすぐったそうな表情を浮かべながらも満足そうだ。撫でた後、ロゼは笑顔で走っていく。完全に姿が見えなくなったのを確認すると、気を入れ直す


「さて、やりますか。もし部屋にあるアレを取られたらまずいしな」


部屋には初めて発注した拳銃がそのまま置いてある。もしもの時のためにと思っていたが…ちっ…こういう時のために一応用意はしてあったので、本領を発揮してもらうか…

俺はそのまま扉を開く。今帰ってきましたよ〜という感じだ。二人の気配も俺の足音に気がついたのか、扉に隠れている。俺はそのまま開けると見せかけ、扉から銃を撃ち扉を貫通した弾丸が二人の侵入者に当たる。


「あっ!…」

「うぐっ…」


二人のうめき声が響く。てか、銃で撃たれても呻くだけで済むって相当だな…

一応拳銃にはたまたま発注したサイレンサーを取り付けてあるので、幾分マシだが…それでも完全ではない。

俺はすぐに扉を開き、倒れている男たちの武器を奪う。銃でしばらくは動けないと思うし…男たちの服装は全身黒ずくめでいかにも犯罪者感が漂う。すぐに手袋をした右手で腹に拳を入れ意識をかる。これまで合計20秒…

この手袋は事前にスキル『拳術』を付与してある。


「さて、まだ他の二人は気づいていないようだな。」


俺はそのまま俺の部屋まで向かう。一人は俺の部屋に、もう一人はマリアの部屋だ…

とりあえず、今の場所から近い順…マリアの部屋に向かう。そこからは足跡に気をつける。バレたら面倒だが…まあ、逃すつもりはない。どうせギルドからだろうし…マリアの部屋の扉までくると、そっと扉を開く…気配の動きは何かを探しているようでちょうど扉から背を向けている。

中に入ると、やはり扉に背を向けマリアのベッドにナイフを入れ、中綿から何かを探しているようだ。しかし、マリアのベッドから何かを探すとは…なぜだ?


『スキル『侵入』スキル『捜索』スキル『行動消音』を入手しました』


イジーモードだよな…まあ、いい。俺はそっと後ろにつくと、口を押さえる。突然でもがく侵入者は手に持っていたナイフを俺に突き刺そうとしてくるがその手も掴み上げ封じる。


『スキル『小剣術』を入手しました』


お、なんか手に入れられたな…俺に抑えられているが、相手の方はプロだ。すぐにすり抜け切り掛かってくるが、拳を固めそのまま腹に打ち込む。あまりの衝撃に体が一瞬宙に浮くほどだ…やりすぎたか?…ぶらりと腕を垂らしているので…確実にやりすぎたようだ…まあいい。…よね?

すぐに俺の部屋にいる最後の侵入者の元に向かう。靴や服には先ほどの『行動消音』を付与してある。普通に移動しても音が消えるので、かなり使いやすいな…


「やあ?なんのようだい?」


俺は侵入者に声をかける。侵入者はゆっくりと振り返り、俺と目が合う。


「して、答えてくれるとありがたいんだが」


「君の力を教えてくれ。そうしたら教えよう」


侵入者は俺の目を見て問いかけてくる。服装は先ほどの三人と比べて私服だ。いかにも一般人のような服装…盗賊や犯罪者には見えない…もしもここが日本だったら。

黒髪になで肩…長袖のシャツにジーパン…靴はハイカットという若者っぽい服装だ


「お前は…」


「おっと、自己紹介していなかったね。いや、しないほうがいいかな?」


「いや、してもらう」


俺は拳を握り、構える。侵入者は手を上にあげ降参と行ったポーズをする。


「争う気はないよ〜俺の力はここじゃ無駄だからね〜それにしても、君の能力が聞きたいんだけど」


「何しに来たか答えろ」


「ダァ〜頭でっかち!わかった!俺は調べに来たのさ!君をね!君の力を!」


「どうしてだ?」


「王様だよ。目的は、召喚もしていないのに君のような異世界人が来たことかな?国は勇者という戦力を把握していたいんだよ。僕もそうさ〜」


「そうか、お前がこの街に来る勇者か?」


「そうだよ〜っても勇者パーティの一員だからね〜他の勇者も君を見てみたいそうだよ。新しい勇者ってやつをね」


「会う気はない。それと俺は勇者じゃない」


「そういうわけにはいかないんだよ。勇者じゃないっても異世界人じゃん〜ステータスに書いてあるしょ。さあ、喋ったよ。君の能力は?」


「だいたい想像できるだろ?本当に勇者じゃない。俺は世直しをするだけだ」


「世直しね〜まあ、いいけど。調べろと言われてるから教えてくれるかな?予想は、召喚かな?代償は命じゃないかな?」


「代償?」


「あれ?もしかして違う系?」


あー…俺の場合は神様が俺の代金を払ってくれてるけど、それが代償かな


「まあ、召喚だ。わかったろ。帰ってくれ」


「そんじゃあ…これも召喚ってわけだ」


勇者は俺が隠していた拳銃を俺に向けてくる。勇者はまるで勝ち誇ったような顔で俺を見てくる


「来てくれますか?みんなに召喚したいですし」


俺はそのまま勇者に向かって歩いて行き、胸を拳銃に当てる。勇者は顔を引きつらせる


「な、何してるんですか?撃ちますよ?」


「打てばいいじゃないか。ほら、」


「どうせ打てないとでも思ってるんでしょ。僕だってこの世界に来てからたくさんに人を殺したんだ。覚悟はありますよ?」


俺は勇者の持つ拳銃に手をかけ、引き金にある勇者の指を押す。乾いた破裂音が部屋に響く。勇者は目を見開き俺を見てくる。そのまま連続で引き金を弾き続け服に当て続ける。玉がなくなるまで撃ちまくる


「弾丸がなくなったな。それで、どこに行くんだっけか?」


「ちっ…化け物じゃないっすか」


「さあ、どうする?」


「帰ります…でも、どうせ明日は会うことになりますから。あと、このことは姫様には内緒で…」


「わかったから、帰れ。二度と来るな」


「へいへい」


勇者は拳銃を俺に返してくると、そのまま扉から出て行く。部屋をめちゃくちゃにしてくれたのを誤らせたいが…まあ、いい。気配察知で、ギリギリまでいなくなるまで確認する。


「勇者か…」


『スキル『監視』スキル『盗撮機』を入手しました』


「マジかよ…」


俺はベッドや机を探すと、1センチほどの黒い塊が落ちていた。おそらくこれが盗撮機だろう…これが奴の能力か…

今日はこの部屋にいないほうがいいな…


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