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19話 戦闘の終わりんですが…始まりでもありました…

一番最初に出て行ったのはシャルルガだった。目にも止まらぬ速度でいなくなると、気配察知にあった気配が数体消える。


「俺たちも行くぞ!」


「おう!」


森を駆け抜けると、見たこともない巨大な大男…全身が赤く鋭い牙につり上がった目。頭には二本のツノが生えている。日本で鬼と呼ばれる存在に近いのだろう…いや、そのものだろう

おそらくあれがオーガだ。オーガは何かを食べているようでこちらに気づいていないようだった。まずは様子見としてアンドレスが火魔法のファイヤーボールを当てる。頰にあったたファイヤーボールはかなり威力があったようで、そのまま顔面から吹き飛んで行った。巨体が吹き飛ぶ様は…それはもう爽快であった


「い、今のは…お前か!?」


「し、信じられません…本当に私が…?魔力が全然減っていませんし、感覚も変でした。こう…誰かに支えられているような感じ?」


『付与した『火魔法』の影響でしょう』


「どういうことだ?」


『アンドレスさんが装備した防具、それと持っている刀は火魔法が付与されています。武具はレベルによって付与を強化します。武具のレベルが10ですし、あれくらいの威力が出るのは至極当然でしょう』


「マジか。これってまずいか?」


『いいのでは?どうせ、此度の戦は数が多いのですし』


「そうか」


「どうしたんだ?大丈夫か?」


「え?ああ、大丈夫です」


「なら、いいが」


「それとサリバンさん。右方からオーガ2体接近中です。数秒で到着します。警戒を」


「お、おう」


俺がそう言うと、すぐに木々が吹き飛んでくる。飛び出してきたのは先ほどより大きなオーガだ。目が血走り明らかに異常だ。オーガはすぐに二匹同時に殴りかかってくる。連携などはできていないように見えるが、息ぴったりだな

二つの拳が近くにいたサリバンに向かう。サリバンは足を踏ん張りながら、盾を構え迫る衝撃に備える。


ドゴっ


鈍い音が響く。サリバンを見ると、少しも後ろに下がることなく二匹の拳を盾で受け止めていた。表情はわからないが、驚いているのだろう。オーガは驚いているのか、ろくに動けていない。俺は一気に駆け出し、サリバンの横を通りすぎると同時に背中を叩く。

俺はそのまま速度を落とさず、そのまま一匹のオーガの膝に向かって鎌を引く。すると、大した抵抗もなくそのまま膝から切り落とした。倒れるオーガの体を躱し、地面に手をつく腕に斬りかかる。

その頃にはもう一匹のオーガは動けるようになっているが、後方から飛んできた燃え盛る火球が右肩にあたり、バランスを崩す。バランスを崩したオーガに、サリバンが盾に仕込んでいたメイスを振り下ろし追い討ちをかける。メイスのあった腕はグチャという音を立てて潰れる。

俺は一気にオーガの首を落とし、サリバンの方のオーガに助っ人に行く。


「キャアァーー!」


甲高い悲鳴が聞こえるので、振り返るとそこには先ほど吹き飛ばされたオーガが今にもアンドレスに噛みつこうとしていた。今から走っても間に合わない…くそ

アンドレスは腰に差していた日本刀を抜くと一心不乱に振り回す。刃は的確にオーガにあたり、そのまま抵抗もなく切っていく。まるで包丁で豆腐を切るように…音にするならスパスパといった感じか。深い切り口はおそらく骨まで切れているだろう。オーガはそのまま顔面を幾度も切られ絶命した。それでもアンドレスは刀を振り回している。俺はすぐに目の前のオーガの首に鎌をかけ引き刎ねる。


「アンドレスさん!もう、大丈夫です!」


「へぇ?」


俺はすぐにアンドレスの元に駆け寄る。彼女もゆっくりと立ち上がり、目の前で倒れているオーガに首をひねっている。


「アンドレス、倒したんだよ。その刀で」


「これで…?」


「とりあえず、アンドレスさんは魔法をお願む。サリバンさん!」


「どうした!」


「あまりアンドレスさんのところを離れず、アンドレスさんもサリバンさんから離れないでください」


「わかった。」


「わかりました…」


「そんで、お前はどうするんだ?」


「いやぁ…二人でしたら、その防具で死ぬことはないと思いますが、いかんせん数が多いので少し減らしてきますね。とりあえず、頑張って下さい。」


「おま、ちょ、ふざけ「グラァァああああ!!!!」


サリバンが俺に向かって駆け出してくるが、その後ろから多くのオーガが飛び出してきた。気配察知で数は把握していたが…こう見ると面倒だな…

俺は体に書かれたイラストを実体化する。両手に短機関銃だ。

大声で迫り来るオーガに一人仁王立ちで構える。サリバンは必死に盾を構え、その後ろにアンドレスが隠れる。二人は死ぬことを覚悟しているようだが…まだ早いな

迫り来るオーガに連射する。大量に迫るオーガの波だ、どこに当たっても構わない。銃口からリズムよく打ち出される弾丸全てが、空気を巻き込み刃になる。弾丸は多くのオーガにあたり、そのまま貫通し後ろにいるオーガににもあたり血肉をあたりにぶちまける。こんなに威力があるとは思わなかったが…まあ、結果オーライだ。

オーガの波は勢いがなくなり、後ろにいたものは死んだオーガで肉壁を作り完全に攻めてくることがなくなった。


「な、なんだ…何が起こったんだ!?」


「さて…」


みたところオーガは遠距離攻撃の手段がないように思えるので、そのまま肉壁に近づいていく。オーガは警戒してか、何もしてこない。俺はイラスト『手榴弾』を実体化させる。ずっしりとした重みのある大きなレモンのような鉄塊が現れる。ほとんど知識がない俺だが、これの使い方は映画などで知っている。確か…このピンを抜いて〜んで、そのまま投擲っ!


手榴弾はそのまま狙い通り肉壁の内側に入る。そして、数秒と経たないうちに投擲した箇所から巨大な爆発音とともに血肉が吹き飛ぶ。よし!使い方は合ってるようだな。

それからはどんどんと手榴弾を実体化しては投げ込む作業を淡々と繰り返す。隠れていたオーガももうやけくそなのか肉壁から飛び出して俺に向かってくる。それらを的確に拳銃で処理していく。さっきからレベルが上がったとルシファーがうるさい。気配察知を確認すると一通り出てきたオーガは倒せたようだ。それにしても身体中が汚い…血がつき、その上に砂がつくという最悪なコンビだ…はぁ…


「お、終わったのか?」


「ええ。もうすぐシャルルガさまが来ますよ」


俺がそう言うと、森の奥から俺が倒したオーガよりでかく髪が白いオーガのボスらしき鬼の髪を持つシャルルガが飛び出してきた。まるで、買い物途中のような軽い感じだな…


「なんだ?これは…」


「終わりましたね…おそらくシャルルガさまがボスと戦っている最中雑魚が俺たちのところに来たみたいです」


「そんなことは知らん。それにしても…こんなに貴様が殺したのか?」


「まあ、大半は俺ですかね」


「そうか…面白い!」


シャルルガは持っていたオーガの頭を地面に下ろすと、俺に拳を構えてくる。構えが昔少林やってた友達と似てるな…


「どうしたんですか?」


「模擬戦といこうじゃないか」


「ははは…龍のあなたとですか!?」


「来ぬなら私から。いくぞ」


一瞬でシャルルガの姿が消えたと思うと、一瞬で目の前に現れ俺の腹に腕を伸ばしてくる。掌底打ちというやつか…認識するまではできたが、体をかわす時間はなく、そのまま拳を受ける。

俺の体はものすごい衝撃を受けそのまま吹き飛ぶ。地面を何度も跳ねながら吹き飛ぶのは、ものすごく痛かった。しかし、シャルルガもダメージがあったようで手をさすっている


「ちっ…何か仕込んでおるか。鉄板…いやミスリルか?軽いが硬い上に魔力を感じない」


体を覆うタイプの防弾チョキに『硬化』などのスキルをかけておいたのだが…相当だな…サリバンの盾はオーガを防いだ…重さが足りなかったか?…俺は体をおこしシャルルガを見る。


「さて、やるか」


「待ってください…戦う気はありません」


「私も最近鬱憤がたまっていてな…ちょうどいいじゃないか」


「マジかよ…」


すぐさま消えるシャルルガの姿。俺は衝撃に備え腹に力を入れる。


「何をしている」


シャルルガの声はすぐ後ろから聞こえ、振り返る前に足を蹴り上げられスタント映画さながらの回転を繰り返すと、空中にシャルルガの姿が現れ回転している俺の腹に踵を入れられ地面に叩きおとされる。あまりの衝撃に肺の空気が押し出され苦しくなる。俺がうめいていると、シャルルガが俺の胸のあたりに腰掛け俺の顔を見てくる


『スキル『空場』を入手しました』


「これで終わりか?」


「わかりました。やったりますよ…」



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