18話 ガチ装備で出陣なんですが…
つぎの日の朝。すぐに目が覚めた俺はそっと体を起こす。目の前にはいろいろとやった、昨日の結果がある。すべてを『絵収納』で体に入れていく。最初に少しピリッとした痛みがあるが慣れれば大したことはない。まあ、全身イラストだらけなんだが…まあ、装備を切れば大丈夫だろう…
今回討伐に必要ないものはそのまま置きっぱないしだ。まあ、大丈夫だろう。
俺は部屋を出ると、そのままリビングに向かう。すでにロゼは起きていて、本を読んでいた。この子は頭が良くなるぞ…俺はそっとコップのあったところを見ると、きちんとコップが洗われていた。あのプラスチックの丼も同じように…ロゼちゃん…使い捨てだよ…
俺はコップをとると、昨日のようにコップにココア、もう一つにコーヒーを入れる。
「おはよう。ロゼ。朝から本を読んでいるのかい?」
『おはよう!うん!昨日の夜から楽しみにしてたんだよ!』
「そうか!でも、あんまり暗いところで本は読んじゃだめだぞ?」
『はーい!』
ロゼの笑顔を見ながら、俺も向かいの席に座る。この後俺は戦うのか…
少しの間でも少女の笑顔で、心を癒しているとバタバタとした足音が近づいていくる。
「大変大変!お寝坊さん!」
マリアの焦った声がここにまで響いてくる。足音はすぐにリビングに入ってくる。マリアはくるくるになった寝癖も気にせずキッチンに向かう。
「おはよう、マリア」
「はい、おはようございます…え?マリア!?キャァ!ボルトさん!」
「気にしなくていいよ。さ、席に座って」
「へ?」
「いいから。それとコップ借りてるよ。朝食は俺が作ろう…」
俺はそっとキッチンに移動すると、マリアは首をかしげながら席に座る。まずは確認としてコンロ…見ると黒い釜がある…まさかこれ?…いや、無理無理…水道は…まさか汲みに行くのか!?だが、流しはあるのか…
俺はガスコンロ、ボトルサーバーなどの調理道具を発注していく。案外料理ってたくさん物を使うんだな…
その後、食材…これは食堂のもんだな…ベーコンや卵、パンなどを発注していく。適当に焼いていく。
「できたな」
こんがり焼きたての食パン、カリカリベーコン、ロゼはソーセージにしてある。それから目玉焼きなどだ。
ロゼにはオレンジジュース、マリアはミルクティーをコップに注ぎ机に運ぶ
「な、なんて豪勢な…こんな料理食べたことありません」
『すごーい!すごーい!』
「さあ、食べようぜ。いただきます!」
「いただきます…」
『いっただきまーす!』
二人は美味しいを連呼しながら俺の作った糧食を平らげていく。朝だが結構食うんだな…まあ、いいか。
しばらくして朝食も食べ終わると、時刻は8時を過ぎるくらいだった。
「マリア、すまないが食器を洗っておいてくれ。キッチンに置いてあるものは洗わなくていい。水は流しに置いてあるから使ってくれ。それじゃあ、俺は入ってくるな」
「はい!お気をつけて!」
『いってらっしゃーい!』
二人が笑顔で手を振ってくる。俺は笑顔で手を振り返し、教会を後にする。
そのまま俺は冒険者ギルドに向かう。ギルドに入ると受付嬢がすぐに案内をし昨日と同じ部屋に通された。すでに二人は揃っており顔が引きつっていた。
「よお、どうした?顔が死んでるぞ?」
「ウルセェ…もとからこんな顔だ」
「ウゥ…」
「そうだ。これを使ってくれ」
俺は服を脱ぐとそのまま『絵収納』を実体化していく。サリバンは驚いいていたが…気にしない。昨日教えた絵収納が今日になって俺が使ってるんだもんな。そりゃあ驚くが…驚いてほしいのはそこじゃねぇんだが…
俺が実体化したのは
西洋の甲冑に、スキル『硬化』『突進』を付与したもの。
暴徒制圧用の特殊なライオットシールドにスキル『硬化』『突進』『盾術』を付与したもの。
飾り用だったと思われる黒光りするメイスにスキル『硬化』『槌術』
まずはこれをサリバンに渡す。甲冑は少し重いがサリバンは体を鍛えているようだし、これくらいならいけると判断している。盾にスキルをつけているので、武器を持っても大丈夫だろうと判断している。
サリバンは顔を引きつらせて、装備するのを断ってきたが『死ぬかもしれない戦に行くのに、防具無しで行く馬鹿はいない。少しでも生存確率を上げるためだ』というと、『これは貸しだ。いつか返す。』と入って甲冑を着始めた。
次は
俺の使っているライダー用のエアジャケットにスキル『硬化』『気配察知』を付与したもの
膝や肘のプロテクター、手袋に同じスキルを付与してある
日本刀に『火魔法』『鎌術』『銃撃』を付与したもの
これをアンドレスに渡す。彼女は防具を一切つけていなかったので、まずは防具だろう。そして甲冑のように動きにくく重いのは彼女では無理だろ判断し、衝撃を緩和できる服に気配を察知し機敏に動けるようにした。
日本刀は正直渡す気は無かったのだが、俺の発注でも杖だけはないので不安なので武器を渡したかった。もし魔力が切れたとしてもこの剣で切れば、ましだろう…それと『銃撃』だが、これは銃だけでなく放つ攻撃系の命中率を上げる効果もあるとルシファーが言っていたので付与した。
俺はというと、ヘルメットにボディーアーマー、ゴーグルと言うサバゲーのような格好をしながら鎌を構える謎の男に成っている。もちろん、銃の類も持っている、短機関銃、手榴弾やらグレネードなどを『絵収納』でしまっている。もちろん全ての付与をかけてある。
「なんだお前のその装備」
「まあ、これが強いと思っちゃう俺もいるんだよな」
「すごいです…この剣」
「アンドレス、それは剣だけど刀っていうんだ。」
「刀…ですか…」
アンドレスとサリバンの装備がし終わる。サリバンは騎士だな…剣持ってないけど。アンドレスは剣士だな…魔法使いだけど…。なんだか危ない集団に見えるんだが…まあ、いい。俺のできることは全てやったし…
「さあ、装備している間に11時を回りましたぞ。さあ、門に行こう。」
「あ、ああ…」
「ふぇ…」
俺は扉を開け、ギルドから出て行く。周りの目はかなりきつく感じるが、無視だ。
そのまま通りを抜けていき、門まで向かう。門には人ごみができていた。なんだ?…
俺たちは人だかりを押しのけ、門に近づくとそこにはシャルルガがドレスをきて立っていた。その隣に黒いゴブリンが立っていた。
「なっ…」
「来たか…遅いぞ」
「そんな装備で大丈夫か?」
「何を言っているんだ。これが私の装備だ。」
「ボルトさんは初めて見たんですね。龍人の方の装備は自分の魔力でできた羽衣なんです。綺麗ですね…」
「シャルルガ様!是非、俺と結婚を「こいつは殺されたいのか?」
「まあ、落ち着いてください。ほら、サリバンさんもここで死ぬことはないって…」
「くだらん。行くぞ…私も暇ではない」
そういうと、シャルルガはしまっている門に手を乗せる。え?まじ?
シャルルガはゆっくりと門を押していくと、どんどん扉が開いていく。これが龍の…力か…
ある程度門が開くと、シャルルガはスタスタと先に進んで行く。まあ、身長が低いせいで歩幅が小さくそこまで離れてはいない。俺たちはそのままシャルルガの後をおう。ゴブリンは俺の隣だ…
「グギャ!」
ゴブリンが俺の服を掴んで話しかけてくる。スキル『念話』を使ってみる
すると頭に何かが乗っかっている感じがする。
『おい、ゴブリン…聞こえているか?』
『はっ!なんだ!?今のは…』
『念話だ。お前が服を掴んでいる本人だ。どうかしたか?』
『仲間が心配だ…』
『そうだな…お前を討伐に巻き込むのは少し気が引けるからな…森に入ったら、そのまま仲間の元によれ』
『わかった…人間、感謝する』
念話を切り、黙って森まで進んで行く。しばらく進んでいると、『ガァァア』『グルゥ…』と大きな鳴き声が響く。まさに様子がおかしい…
「シャルルガ様、ゴブリンですが仲間の元に戻りたいと言っているんで戻します」
「勝手にしろ」
「はい…ゴブリン、行っていいぞ…そうだ、これを持ってけ…」
俺は腰から金槌を取り出すと、ゴブリンに手渡す。ゴブリンは受け取ると、固まって動かなくなった。
俺が手で払う仕草をすると、ゴブリンは俺に一礼し森に去っていった。ゴブリンが去ってからすぐにシャルルガが立ち止まる。
「待て…この先からオーガやオークがいる…気を引き締めろ…」
「おう…」
「はい…」
サリバンとアンドレスは武器を構えて警戒する。俺は気配察知で、わかっているのでまだ武器を構えない
さて、気を引き締めていきますか…