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14話 嘘はつくものではありませんでしたね…

初めてレビューを書いて頂きました!ありがとうございます!

名前はあまり意味はないんで苦笑

これからも投稿していきますのでよろしくお願いします!

今部屋にはドMおじさんと残念泣き虫お姉さんと3人だけになった。テューガは冒険者を集めに、グラスは町中に事情を説明し…シャルルガはよく分からないが鼻歌を歌いながら出て行った。

ドMおじさんこと、『鉄壁』のサリバン。短く切りそろえられた髪に、太い眉毛…全身は完璧に鍛え上げられた肉体…その隣には、残念泣き虫お姉さんこと『蒼炎の魔女』のアンドレス。ゆったりとした服の上からでもわかる胸の大きさ…栗色の髪と同じ色の瞳。


「初めまして。俺はボルトって言います。この前ランクが上がりました。よろしくお願いします」


「ああ。俺はサリバン・オールバック。盾職だ」


「わ、私は…その…アンドレスです…魔法使いです」


「えーと、Aランクという話を聞いているので、腕は立つと判断しています。できれば得意な事とか教えてくれますか?…えーと、索敵が得意とか?」


「俺は防御力だけだ。それ以外はできん」


「わ、私は…火属性の魔法が得意です。」


「そうですか…アンドレスさんはどれほどの魔法が使えるのですか?」


「私は…ファイヤーボール、ファイヤーアロー、ファイヤーシュートくらいです…」


うーん…どれくらいの攻撃力かわからないな…まあ、ゴブリンは殺せるんだろう。それにしても二人ともこれでAランクになれるものなのか?


「やっぱり無理ですよ…私じゃ…ローゼさんがいないと…」


「お前、まだローゼの名を出すか!いい加減に黙れ!」


「ウゥゥ…ごめんなさい…」


「すいません。そのローゼさんとは?…」


「っち…ローゼってのは昔パーティを組んでたリーダーの名前だ。何年も一緒に頑張ってきたのに、この街で知り合った男をパーティに入れてからあいつは変わっちまった。俺たちをいらないと言って、パーティを解散させ、他の仲間と一緒にこの街から消えた。あとを追うにも、俺たち二人じゃ追いつけるかどうかもわからね…。俺たちをAランカーと思ってるようだが、このAってのはパーティの時に一緒にいたってだけでもらったもんだ。俺の実力じゃBに行けばいいところだぞ…」


「そうなんですか…ですが、ここに呼ばれた以上は働いてもらいます。」


「はっ…使い潰すきか。上等じゃねーか。いいぜ、この街には世話になったおんがあるしな…死んでも構わね。」


「そうですか、しかし死にはしません。アンドレスさんは大丈夫ですか?」


「それはこの街の人の役に立つことなんでしょうか…」


「ええ。守るのですから讃えられることでしょう。」


「なら、私の…私のこの命を…預けます。」


「はい、ですが決して死ぬことはありませんよ。

戦闘なんですが基本横陣です。横一列に冒険者の剣士などが戦闘。その後ろに弓などの遠距離攻撃が間を狙って攻撃。相手は数が多いので、一匹に構っている時間はありません。トドメをささなくても致命傷を負わせるだけでも十分です。遠距離攻撃できる人は剣士の死角をサポートさせます。剣士はなるべく後ろに行かせないように殲滅を狙っていきます。魔法使いは遠距離扱いです」


「なら、俺はどうするんだ?」


「サリバンさんは魔法使いなどを守ってほしいのと、俺がもし指示ができない状態になった時、撤退などの指示を頼みます。ですので、その「鉄壁」の名が伊達ではないことの証明として戦闘が終わるまでなるべく無傷でいてください。」


「わかった…まあ、楽な仕事だな」


「そうですか…そう言う口が開けるなら期待していますよ。それと、アンドレスさんは魔法使いなのですよね?」


「は、はい…」


「魔法とはクール時間などありますか?…えーと、次に魔法出すまでの時間と言いますか…」


「あ、ありますけど…」


「では、その時間を鑑みて分けて指示を出してください。えーと、魔法を放ったら、他の人が魔法を放つ。その間に、先に放った人が休む…といった感じに交互に。できますか?」


「で、できるかも…です。で、でも…むむ…無理ですぅ…そんな…」


「誰かがやらねければいけません。Aランクに認められているんです。ここで活躍すればローゼさんも、もしかしたらここに来るかもしれませんよ?」


「ローゼさん…わかりました…頑張ります…」


「へっ…うまく誘導しやがって…まあ、確かにあのクソ女なら来るかもな。来たら俺がぶっ殺してやる」


「ま、まあ、落ち着いて…以上です。まあ素人考えですが、比較的この森に住むモンスターは弱いと思いますので」


そこまで話すと、いいタイミングで扉が開き、テューガが入ってきた。


「今、門の前に冒険者を集めた。行ってくれ…では、私は書類整理があるので…」


「何を言っているんですか。行きますよ。」


「お、私もか!?温室育ちと伝えただろう!」


「多くの人の前で話すこともできない人間が上に立てるのですか?俺と初めて会った時のように、堂々としていればいいんです。」


「わかった…」


一瞬キリッとした表情になったテューガに、少し満足できた俺がいた。

それからテューガが調達した馬車で門に向かっていく。歩いて行ってもよかったが、見た目が良くないというので馬車だ。

門に着くと、多くの冒険者が門の前に集まっていた。多くと言っても50人に満たない程度だ。モンスターと比べれば少ない…テューガを戦闘に冒険者の前に出る。


「あ、集まってもらったのは皆も知っている通り、魔物が集団になっている…み、皆にはこれから魔物を討伐を頼みたい」


テューガがそう言うと、一気に騒ぎ始める冒険者たち。まるで、先生の話を聞かない生徒のようだな…


「どうも。今は騒いでいる暇はありません。嫌なら一緒に来ていただかなくても結構です。しかし、必死に戦っている仲間がいるのに逃げたとなれば臆病者と今後言われ続けるでしょう。」


急に静かになる冒険者たち。皆俺のことを見てくる。ちょ、緊張するやん…


「この街の近くの魔物は比較的弱い。しかし、束になれば違う。なら、我々も束になればいいんです。そして魔物の多くはゴブリンです。ゴブリン以外が出てくれば皆で集団で襲いかかれば必ず勝てるじゃないですか。」


「そうだ!俺たちが全員で行けば余裕だ!」

「ゴブリンなんて俺は数百は殺してきたぞ!」

「俺なんか千は超えてるぞ!」


一気に騒がしくなる冒険者。騒ぐというより叫んでいる?…まあ、皆やる気になったようだしいいか。俺はテューガにそっと耳打ちをする。


「報酬はどうなるんですか?」


「考えてある…んっ!えー報酬だが、無事完了したら一人金貨を3枚だ!」「それと、テューガさんが無事帰ってきた冒険者は日付が変わるまでだが、酒場代を肩代わりしてくれるぞ!!」


「「「「うおオォォォォオオおおおお!!!!」」」」」


冒険者たちが声を合わせて雄叫びをあげる。テューガは顔を真っ青にして俺を見る。俺はしたを出してウインクをする。テューガは観念したかのような表情になる。


「さあ、みんな聞いてくれ。そんじゃ、サリバンさん…お願いします」


「お、俺か!?…わ、わかった…えーと…


後の説明を全てサリバンに任せる。適当に冒険者の中を見ていると、遠くにミラルが笑顔で見てきたので手を振る。ミラルは大きく頷くと人混みに消えていった。

数分サリバンが説明をすると、20分後各武器などを整備して万全な状態でここにもう一度集まれと言って解散する。その中に見たことのある四人組がいたので声をかける。


「ハッシュさん。こんにちは、お久しぶりですね」


「おう。お前商人じゃなかったのか?」


「それが諸事情で…まあ、冒険者で稼いでから母国を探します」


「そうか、頑張れよ。それで、こいつらも参加させて大丈夫か?」


ハッシュがこいつらといったのはザックとサーだ。二人とも装備が新しくなっており、前より頼もしく思える。


「そうですね。ゴブリンが主なので大丈夫だと思います。」


「そうか…よし!お前たちも装備を整えてこい。」


「「はい!」」


「そうだ、ハッシュさん。テューガさんを知っていますか?」


「テューガは俺と同期だ。あいつはいろんなことに首を突っ込んでな…ここに飛ばされたのも上の連中の他種族への差別に文句をいったことだったしな」


「うん…あいつはバカ。自分の立場を理解してなかった」


「まあ、俺たちがこの街に来た理由の一つに、テューガの様子を見ることだったが…よくやってると言っておくか」


「そうですか…是非お願いします」


「それで、お前何か他に国から持ってきたものとかないか?…」


「え、えーと…そうですね…こ、この鎌とかもそうですね…」


俺は腰から鎌を取り出し、ハッシュに見せる。ハッシュは鎌を軽く素振りしている。


「こいつは驚いた…めちゃくちゃ軽いし、鋭さが半端じゃねぇ」


「そ、そんなもんです…それじゃあ、そろそろ」


俺はハッシュから鎌を受け取ると、すぐに腰に戻した。一瞬ハッシュが名残惜しそうな表情をしたが、無視だ。俺はその後適当に流し、別れた。なぜ、ここまでするのか…それは『心読』が発動してしまったことにある。ハッシュは心の中でこう思っていたのだ。


『それにこの鎌を作る技術…ゴム手袋の件もマーズの報告を聞いていない…やはり一度国に報告するか…』


嫌な予感がするゼェ…

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