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10話 この世界では無職扱いのようなので、就職したのですが…

遅れましたが、この話で強く?なります


マリアに教会を案内された。見た目は大きく見えたがそこまで中は広くないようだ。今案内されているのはマリアの私室だ。広さでいうと7畳ほどだ。性格が伝わって来るかのように部屋はとても綺麗に整えられており、ベッドに机、本棚とシンプルだ。


「汚くてすいません…」


汚いって言われてもこれ以上どこを綺麗にする必要があるのかわからないんだが…


「そんことありませんよ。この子…えーとロゼは一緒にいてあげてください」


「はい、わかりました」


顔を真っ赤にして俯くマリアはとても可愛かった。代わりにロゼは満面の笑みだ。さっきから俺とマリアの手を離そうとしない。まあ、嬉しいならいいよ。それから水浴び場や、炊事場などを案内された。やはり風呂はないようだが、水浴び場は広めだったので風呂を作るのもいいだろう。まあ、許可は取ってからだが。その後、空いているいう部屋に向かう。広さは5畳もない程度で、何もおいてないのでかなり広く思えた。


「ここが空いてる部屋ですが、本当によろしいので?」


「宿を取ってあるので、今夜は宿に泊まりますが、その後ここに寝泊まりしても?」


「は、はい!大丈夫です!」


「そうですか、では、契約成立ということで。まずは家賃です。受け取ってください」


俺は皮袋から王金貨を10枚取り出すとマリアに手渡す。マリアは素直に受け取ってくれたが、ただの金貨ですら驚いていたが、さらに上の王金貨だとことに気づくとすぐに失神しかけたほど驚いていた。その後マリアに貨幣価値を聴いたところあまりにも大きな金額だったので、王金貨1枚にした。

ロゼの服やら食費とかに使ってくれというと涙を流して喜んでくれた。こんな綺麗な女性に喜んでいいただけるなら、いくらでも出しますよ?しばらくしてマリアが落ち着き始め、最初の礼拝堂まで戻ってきた。


「ボルト様は…


「様付けはやめましょう?いや、この際一緒に敬語もやめましょう。なるべくで構わないので!」


「そうですか…そうですね!うん、それで、ボルトさんは教会に用があるんですよね?」


「そうそう!職種に就きたいんだが」


「職種ですか…目を閉じて両手を合わせてみてください」


「こうですか?」


祈るように目を閉じてを合わせる。すると急に頭の中に声が響いた。あのレベルアップの時に聞こえるあの声だ


『職種が決まっています。変更はできません

・使徒勇者

 神が専用に作った職種。勇者とあるが、正確には勇者ではない。

 スキル取得条件の解除、スキルレベルの必要経験値半額、天声天使』


どうやら職種は決まってるようだな…変更もできないか…それにしても世直しって何をすればいいんだ?まあ、まだいいか。決まってるなら早く職種につけてくれ


『職種『使徒勇者』につきました。私、ルシファーがあなたの転生生活をサポートいたします。宜しくお願い致します』


おお!あの脳内に流れていた音声が常に会話できるってことか!かなり便利だな!それにスキル取得条件とかスキル関係に特化してるよな。まだスキルの凄さを実感してないんだが


「どうでした?つけましたか?」


「ええ。そうだ、商業ギルドに一度顔を出さなければいけないので今日はこれで失礼します」


明日来ることを伝え教会を出た。少女は何か名残惜しそうな表情だったので、またすぐ来ることを約束しておいた。

時間はかなり過ぎているだろう…ギルドまで戻っていると何やらギルド内が騒がしかった。カウンターを勝手に超える気にはなれなかったので、受付嬢に声をかける


「すいません、グラスさんにお会いしたいのですが」


「ギルマスですね!お名前をお伺いしても?」


「ボルトです。ボルトが来たとお伝えください」


「はい、かりこりました。少々お待ちください」


受付嬢は終始笑顔で接客をしてくれた、冒険者ギルドとは大違いだな…

しばらく待っているとグラスがものすごい勢いで出てきた。グラスは俺を見つけると何も言わずに首根っこを掴みそのまま奥まで引張ていく。猫じゃないんだが…って俺の体重70あるんだが、よく片手で掴めるな…

奥まで行くと強面の男たちが腕を組んで机を囲んでいた。。


「どうかしたんですか?」


「さっき預かった小さなハンマーなんだが…俺の持てる付与全てをかけても上限を行かなかったんだ。これは異常だ…言ってる意味がわかるか?」


「わかりません」


「付与できるのは魔法と多少のスキルだ。それにスキルに関して相性が関わってくるんだが…このハンマーには鎚術lv2と摩擦軽減、火魔法、水魔法だ。異常なんだよ。魔法が2属性付与できる武器はないんだよ!人間で付与できるのは俺だけだと思うが、ドワーフならみんなできる。そのドワーフ内でも絶対にできないと教わった」


「そうなんですか…ふーん」


俺は机の上に置かれた金槌を見ながら、興味なさそうにしているとグラスが俺の方をつかみ上下に揺らしてくる。


「馬鹿野郎!お前はこの異常事態を理解できてないんだ!」


「お、落ち着いてください!まあ、付与はありがとうございました。それで、お代は」


「お代は…いらん。そのハンマーをもらうことはできないか?」


突然上下に降られていた腕が離されたことで、俺は後ろに倒れそうになる。驚いてグラスの顔を見ると、不安そうな表情を浮かべていた。


「これをですか?別にいいですけど、代わりに『付与魔法』ってやつを教えてください」


「そ、そんなあっさり渡すのか!?俺は全財産投げうる覚悟までしてたんだが…それくらいおやすいご用だ!ってことはお前も俺と同じ『付与士』だったかの?」


「いえ、違いますけど。まあ、教えてもらえるだけ教えてください!」


「まあ、教えてやってもいいが…スキルが手に入らなくてもハンマーは返さんぞ?」


「上等です!」


それから部屋にいた男たちがハンマーを慎重にどこかに運んだ後、グラスと俺二人だけになった。ガタイのいい男たちがいなくなったおかげで部屋が広く感じる。


「お前は規格外だよ。さあ、教えてやる。まずは付与したい対象を出してみろ」


俺はポケットから鎌を取り出し机の上に置く。試しということで一つだけだ。


「その後、詠唱だ。『我の力の断片を魔力に 理の魔素と魔力をもって 力を分け与えよう『物質付与』だ。覚えたか?」


あまりに長文すぎて何を言っていたか覚えていない…うーん…

とりあえず冒頭部分だけでも言おうと口を開く


「『我がま…


『スキル『付与魔法』を入手しました。ステータスを開きますか?』


脳内に先ほどのルシファーと名乗った音声が流れる。こんな簡単でいいのか?てか詠唱してないんだが…まあ、いいか

一応ステータスを開いてくれ


名前 ボルト

年  27

レベル 57

筋力  650

知力  590

魔力  400

運   2000


☆スキル

・鎌術 lv3

・金槌術 lv1

・虚言 lv1

・殺傷探求 lv2

・付与魔法 lv1

・鑑定 lv1

・隠蔽 lv1

・心読 lv1

・心眼lv1

・気配察知 lv1


☆特殊スキル

・備品召喚発注

・電気魔法


は!?なんか増えてるんだけど!?


『スキル入手の制限が無いため一部例外を除いて、発動を一定時間見たスキルは取得できます。これまでに見たスキルを全て入手しました。』


いや、待て待て…『鑑定』はグラスだろ?『気配察知』や『心読』とかなんだよ!


『『気配察知』はハッシュ=オールファッションから。『心読』、『心眼』、『隠蔽』はミラル・エンシェントからです。』


ハッシュ…まさか一緒に宿に来た時に入手したのか。あの時も気配に敏感だったからな…しかし、ミラル?…ミラル…誰だ?どこかで聞いたことあるんだが…まあいいか…

脳内でルシファーと会話していると、何やら肩を叩かれたので意識を戻すと目の前にいかつい顔が飛びこんできた


「ううわっ!」


「うわとは…失礼な奴だな!途中でボーとしやがって。大丈夫か?」


「大丈夫です。あ、入手できましたよ、ありがとうございます。」


「ま、まじか…俺以外にできる奴が増えるとはな」


「そんなに珍しいのですか?」


「まあ、付与魔法ってのは生産系のスキルだからな。冒険者なら基本、支援魔法扱いだなんだ。仲間にかけることが多いんだ。まあ、物質付与はドワーフの十八番だしな」


「そうですか。よかったんですか?教えてしまって」


「大丈夫だ。それにお前は冒険者なんだろう?なら、それで商売はしないだろうと思ってな」


「そういうことですか。わかりました。これでは商売はしませんよ」


「おう!なんか、気になる言い回しに聞こえたが…よしとしてやる。」


「では、失礼します。」


「いつでも寄ってくれ。歓迎する」


グラスの声を背中で聞き俺はそのままギルドを出て行く。多くのものが俺を見てくるが無視する。

外はすでに日が落ち夜になっている。早く帰って寝たい…



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