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ある恋人たちの会話
ねーえ。
もしも、私がああなたより先に死んだらどうする?
そりゃ悲しいさ。
悲しくて悲しくてたまらないよ。
でも、僕が君の後を追ったりなんてことはしないだろうな。
そうなの?
だって僕の人生は僕のものだよ。
君と僕の人生は違うものじゃないか。
僕が君の後を追って自殺しても君に会える訳じゃないんだし。
でも、でも、あたしが、恋人が死んじゃったのよ!?
悲しくないの?
悲しい、って最初に言ったじゃないか。
悲しいよ、たまらなく悲しい。
でも、あたしの後を追って死んじゃったりしないんでしょ?
ああ。
そんなことをしても無意味だからね。
…………………………。
どうして泣くんだい?
別に、あたしはあなたにあたしの後を追って欲しい訳じゃないの。
だけど、あたしがもしも死んじゃったら、あたしの後を追って死んでくれるくらい愛されてる、って思いたかったの。
ただそれだけだったのに。
君はよく分からないことを言うなあ。
僕が君の後を追えば、僕が君をとてつもなく愛してる、ってことになるのかい?
突発的なセンチメンタルかもしれないじゃないか。
それよりは現実的に考えた方がいい。
…………………………。
ほら、また泣く。
だって。
現実的ってどういうこと?
つまりね、突発的なセンチメンタルでもない限り、後追い自殺なんて存在しないんだよ。
何故かっていうと人は人よりも自分が一番可愛いものだからね。
人は、人の為になんか死ねないのさ。
現実はそんなものだよ。
でも君が死んだら僕は悲しいんだよ。
たまらなく悲しいんだよ。
それじゃ満足出来ないのかい?

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