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シドの過去を書いて欲しいというリクエストがありましたので書かせて頂きました。
『CROWN』外伝 Ver.シド
作:是音


ザックが『CROWN』へやって来る5年程前



「おらぁ!てめぇは速さだけが取り柄なんだろうが!?もっと速く動かねぇと異世界じゃ速攻でやられるぞチビ!!」

「うるさいチビって言うな!それに僕は速さだけじゃないよう!オズマだって感覚に頼りっぱなしじゃないか!」

互いの龍怒がぶつかり合う。
イリュージョン社支部の演習場で僕とオズマは模擬戦をしていた。オズマは嫌な奴だ。大人のくせに僕にいっつも突っ掛かってくる。いつも面倒を見てくれるのはアザブルだ。彼は自分の機体を整備しながらこっちを見て笑った。

「おいコラ、アザブル!てめぇも笑ってないでシドに何か言ってやれよ!」
「ははは、まぁいいじゃないか。シドだって頑張っているんだ。それに小学生相手にいい歳した大人が本気を出すのもどうかと思うぞ、オズマ。」
「バカヤロー、相手は人間じゃなくて魔鬼だ!子供だからって手加減してくれるわけねえだろう・が!」

〈ズガァ!〉
そう言ってオズマは僕の機体を蹴り飛ばした。

「痛ってぇ〜!この馬鹿オズマ!見てろよ、絶対僕が一番に新資源を回収するんだ!」
本当に痛い。頭を打った。全く、どこの世界に巨大ロボットでいじめられる小学生がいるだろうか?ま、僕が天才だから妬いてるんだろうけどさ。

僕がここへ来た当時は・・・八歳くらいかな?別に拉致されて来たわけじゃないよ。僕はいわゆる戦争孤児ってやつだ。僕の生まれた国ではまだ国内で無駄な争いを続けていたんだよ。食料を奪うために国の兵士達が僕の両親や友人を平気で殺していた。銃弾が飛び交う非常な地獄で生きる為に僕は人を殺した。たくさん。
そんな中でついに僕にも死ぬ時が訪れようとしていた。僕の手には銃、そして周囲には十数人の兵士。目的は僕の持っている少ない金と少ない食料。
そして銃声が聞こえた。やっぱり死ぬのは怖かったよ。僕は泣きながら目をつむっていた。でも僕は死んでいなかったんだ!目の前には金色に輝く大きなロボット、そして焼け焦げた兵士達の死体。それに続いて《イリュージョン社》というエンブレムの兵士や兵器が次々に現われ、国の兵士達を全て焼き払っていったんだ。
僕を庇ってくれた金色のロボットから男の人が降りて来て、名も無い僕に手を差し伸べて言ったんだ。

「・・・殺人に関しては慣れっこかい?」

そう言って彼は微笑んだ。それが僕とミシェルの出会いだった。
彼は僕に居場所と、名前と、仲間を与えてくれた。オズマは嫌な奴だけど。

でも本当に嬉しかった。僕はミシェルについていくことにしたんだ。フフ、とんでもない極悪人だけどね。宇宙消滅って話も知ってたよ。僕は戦場で死んでいたはずの子供だからね。たいして驚きもしなかったし怖いとも思わなかったな。

それから僕は勉強と訓練に没頭した。気が付けば《天才少年》《イリュージョン社最高幹部》《ミシェルの右腕》という肩書きがついていた。



そして異世界侵攻作戦が開始される日。
ミシェルの機体を中心に僕達は集合していた。

「ジークフェルドは既に動き出しました。
ではオズマは『トガス』、アザブルは『メアス』、
シドは『ヒラリス』で新資源を回収して来て下さい。私は『ヴァルガ』へ行きますから。失敗は許しませんよ。では。」

ミシェルは僕らに背を向けた。

「シド」

「頑張りなさい。」

そう言うとミシェルはワープゲートの中へ入って行った。

「チビ、魔鬼の腹の中に入っちまったら連絡しろよ!クハハハハ!!」
「シド、健闘を祈る。」

オズマとアザブルもワープゲートへ消えていった。
オズマは僕の事をずっとチビだと言い続けてる。あれからかなり背が伸びたのに、失礼な奴だ。


僕もワープゲートへ入った。行く場所は異世界『ヒラリス』。正直わくわくしていた。


「さて、新資源を頂きますか。」


戦いは始まったばかりだ。


お気に召しましたでしょうか?ご希望があればまだまだ他のキャラクターやストーリーを書きたいと思いますので、メッセージをお送り下さい。













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