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一応、暗黒騎士やその他の設定は某ゲームを基盤としたパクり設定であることがほとんどです。ご了承下さい。
一幕、暗黒騎士K
俺は、暗黒騎士。

闇を受け入れ、全ての負の力を行使する恐ろしい存在。

『兄ちゃん、すもうつよいな!』

そう、その圧倒的な存在に大の男すらも腰を抜かし、倒れ伏す。

『お兄ちゃあぁん僕のおもちゃがあぁぁ』

そして、そこにいるだけで小さな赤子を泣かす。

『お兄ちゃんおしっこー』

さらにはあまりの威圧感に失禁するものも……

………。

『ねーねーこのお城すごいでしょー』

「おぉ、これなら王様もお喜びだ」

俺は、目の前で砂の城を誇らしげに見せる六歳児の頭を撫でた。

『ねぇおしっこー』

「む?ち、ちょっと待て!ここでしちゃいかん!」

そして、股間を抑える同じく六歳児を抱えて、近くの施設内に飛び込む。

間一髪間に合ったようで、その児童を降ろしてパンツを下げた瞬間………

……まぁ、間に合った。

「ふぅ……」

安堵の息をもらし、再び幼児の群がる広場へ出る。

『お兄ちゃんこっちだよ!』
『ねぇつみ木しようぜ!』
『おんぶしてー』

途端に俺の影を見つけた幼児達が、一斉に俺に駆け寄ってくる。

「ま、待ちなさい、一人ずつ…」

『『『『あねぇにいつみごっちましてようよー!』』』』

全員が一緒に喋るので何を言ってるのかわからない。

仕方ないので、背中に来た奴をおんぶしながら秘密基地に向かい、そこで積み木を積みながらおままごとをした。

…もう一度、言う。

俺は暗黒騎士だ。そう、暗黒騎士…



「どうも、お疲れ様です」

「うむ…報酬は?」

夕方、幼児達も一応の教育の時間を終え、俺はその幼児養育施設の園長に任務終了の旨を伝える。

暗黒騎士たるもの、毅然として見返りを要求しなければならない。

「はいどうぞ。お約束の八千ガレットです」

園長は封筒を手渡した。

「うむ、確かに八千だな。任務は達成した」

一応中身を確かめ、懐にそれをしまう。

もし暗黒騎士を騙すような輩がいれば、容赦するわけにはいかない。俺は恐るべき、暗黒騎士なのだ。

「あ、それとこれ。子供達からです」

と、園長が何か取り出した。

…どうも寄せ書きらしい。【あんこくきしの兄ちゃんまたきてね】だと。

…こいつら絶対に暗黒騎士をわかってない。

「みんなあなたのことが本当に好きだったようで…できればここで働いてもらいたいくらいですよ」

いや、だから俺暗黒騎士だって。暗黒騎士が保育園勤務ってどうなんだ。

「いや、流石に暗黒騎士の方ですからお忙しいでしょうけどねぇ」

眼鏡の老園長はそう言って苦笑する。

年の功か、何も言い返せない。

『お兄ちゃんまた来てよ!』

と、後ろでいきなり声が……

『兄ちゃんまた遊んでね!』

「あ、こら貴様ら!」

突如出現した大量の幼児達が俺によじ登ったり引っ張ったりしてくる。

カンカン

「こら、死神の兜を叩くな!」

ビリリリ

「アー!死神のマントがっ」

『きゃははは』

……三度目。

俺は正真正銘、暗黒騎士だ。…信じろ。



「無理だと思う」

「なんで」

「だってお前オーラねぇもん」

「なんの」

「暗黒騎士。ってかワルの」

ある巨大な建造物の中。

ここは国の中心にある国立兵団の本拠地だ。

ってまぁいきなり兵団なんて用語飛び出しても、わけわからんだろうな。

説明は後ほど。

とにかく俺はいつものようにそこへ帰還し、相棒と一緒に晩餐を食らっているのだ。

「…それにしてもこの姿を見た時には、暗黒騎士の威厳がわかるだろう」

「うんまぁ最初は。俺もびびった」

最初は、か。確かに今日の幼児共も、真っ黒で凶々しいこの暗黒騎士特有の『死神の甲冑』を見て怖がっていた。

ていうか普通に泣いてた。そりゃいきなり角生えた刺だらけの黒鬼がやってきたら普通は泣く。

「でもマント破れてんな」

「…………」

暗黒騎士の証の一つ、死神のマントを幼児に破られたなんて、言えない。

「ガキにやられたのか」

なのになんでわかるんだこいつは。俺の相棒は武闘家のくせにやけにそういうところが鋭い。

ていうかあの幼児共はなんで途中から俺を怖がらなくなったんだ……

「まぁKらしいけどな」

そう言って相棒は、油で揚げた肉をコメという穀物の上に乗せた……

まぁ、カツ丼をかけこんでいる。

その横には、脂っこい汁の中に麺や焼いた肉と……略

つまりラーメン。が置いてある。

「うん…イケる」

とかいって、美味そうに食べるもんだ。

ていうか武闘家がそんなにヘビーな食事でいいんだろうか。俺は暗黒騎士だから知らんが……

「大体お前食細すぎ。暗黒騎士ならもっと馬鹿みたいに食え」

「俺は元々少食なんだ…暗黒騎士ならってそんな法則もないだろう」

「俺のイメージだ」

勝手な虚像をお持ちの武闘家だ。

ま、確かに俺の前にはいわゆる一杯のかけそばがあるだけだ。騎士というイメージではないが、俺はこれで充分足りる。

「ジンだって、そんなに食べたら太るだろう」

「さぁ…ダイエットしたことないけど。…ピザ食いたいな」

ジンはカツ丼とラーメンを平らげ、追加にピザを注文した。Lサイズの。

完全にメタボな食事だが、実際武闘家ジンが太ったようなことは不思議と今までなかった。

「はい、デラックススタミナピザLサイズね」

お、ピザが来た。…でかい。

「Kも食う?」

「……いらん」

「あっそう」

ジンは料理人のおばちゃんが持ってきたピザを美味そうに見た。

……しかし……

「ジンよ」

「ん?」

「Kという呼び名はどうにかならないのかな」

何かこう、道とか精進とかいう言葉が出て来そうなんだが。終いには自決してしまいそうな。

「じゃボスがいいか」

「…やっぱりKでいい」

…思わず俯いてしまう。

どうして俺は『ケイヴォス=ゾ=ディヴィル』なんて名前なんだろうか。

後で語るが、この名前は俺が暗黒騎士になった理由にも関係している。

とにかく俺は何故か、Kという名で知り合いに呼ばれる。もしくは今ジンが言ったボス、だ。

後者は暗黒騎士らしいといえばそうだが、なんだかあまり頭が良くなさそうなので俺はKという名に甘んじている。

「暗黒騎士K、か…」

嫌な程、悪くはない。が……

「まぁ、武闘家ジンの方がカッコイイよな」

…こいつと比較するとどうにも引けをとってしまう。

ま、名前くらいどうだっていいが。何せ俺は暗黒騎士なのだから。

「それはともかく、明日はちゃんとした任務があるのだろうな?」

「ん?今日の任務は気に入らなかったか?」

「当然だ!暗黒騎士たるもの、あんな愚かな児童と戯れるなど…」

「にしては大事そうに持ってんね、それ」

ジンが、例の寄せ書きを指差した。俺はそれを懐に抱えていたのだ。

いや…これは、だって…なぁ。

「そんなもん持ってるから暗黒騎士に見えないんだよ。悪かねぇけど」

「…むぅ…」

仕方ないじゃないか。報酬は全てがめつく戴くのが暗黒騎士道というものだ。

……詭弁ではない。言い訳でもないぞ。

「し、しかし俺は暗黒騎士だぞ。もっとこう、魔物退治なんかの任務があるだろう」

「あぁ、そんなら一杯あるよ」

………。

「んじゃ明日から魔物退治の任務でも受注する?あ、他の奴らと一緒にだけど」

……なんで今日俺、保育園にいたんだろう。

「?いらんの?」

ジンが俺の顔を、いや兜を覗き見る。

「…いや…頼む…」

「おけ。んじゃ明日からな。またな。お休み。」

ジンはいつの間にかピザを平らげ、席を立って食堂から出ていった。

「………はぁ」

表情のない悍ましい角付き兜の中で、俺は溜息をつく。

なんか、疲れた。



俺は暗黒騎士だ。

でも多分もう皆さん
「なんで?」って思ってるだろう。

今日は寝る。疲れた。

また明日、この国の兵団と任務のシステムについてと、俺が暗黒騎士になったいきさつ、そして暗黒騎士の真の姿を説明する。


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