プロローグ
周りには血なまぐさい匂いがただより、その匂いを辿れば5、6才の男女、そして成人の女性のすでに原型をとどめていない姿がある。
15、6歳かと思われる青年は静かに血を踏んだ。
『来ルナッ……!!!!』
血の海で体育座りをした5、6歳の少年が怯えた瞳にこちらに向かってくる青年を映す。
何日も眠っていないのか目の下には大きな隈が出来ており、髪はボサボサで。
弱々しい体には肉があまり付いておらず、骨がクッキリと浮き出ていた。
目は泣きすぎて腫れていた。
近づく影は次第に目前に迫ってくる。
そして恐怖に怯え、見上げた頭に暖かい手のひらが落ちた。
『っ………!!!!』
少年は手を振り払おうと頭を振った。
案外すぐに手は離れていき青年の声が部屋にこだました。
「人が恐いか?大丈夫、俺に心は無いから」
その声を最後に少年は点々として今にも切れそうな枝毛の先の髪の毛のような意識を手放した。
青年は弱々しくなった青年を担いだ。
そして死体を踏み部屋から出ていった。
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