109話です!
今回はカクサスが奮闘します!
ちょっと笑いもあります・・・?
では、どうぞ!
第109話 傀儡編 其の3 被襲撃者の養療、命懸けの戦い
「・・・ぐぅ・・・」
スバルは自分のベッドの上で呻いていた。
「スバル!?大丈夫なの!?」
「ご主人様!?」
「お、落ち着け・・・、肋骨が軋んだだけだ・・・」
「・・・もう・・・」
ほっとしたような顔をするアイリスとレイ。
「スバル、今日はゆっくり休んでおけ。護ることくらいはできる。」
「ああ・・・、頼んだぞ、カクサス・・・」
弱々しくカクサスに頼むスバル。
「ところで・・・皆は?」
スバルは、自分のことを省みずに他の全員を心配していた。
「一応、一番襲撃されにくい地下に避難してる。避難してないのはスバルと私とレイだけだよ。」
「はい。私はご主人様と奥様を護衛するのが今の仕事ですから。」
「お、おお、奥様って・・・///」
「俺達はまだ結婚すらしてないぞ!?・・・がぁっ!!?」
「す、スバル!落ち着いて!?」
レイがついつい言ってしまったことに過剰的に反応してしまったスバル。
結局例に漏れること無く肋骨が折れていることを忘れていた為に激痛で苦しんだ。
一方、外。
「今回ここに来るなら人型で来るかも・・・知れないね。」
「・・・そうですね・・・」
ノブとサスケは入り口を護っていた。
『人型で来る』、これが一体どういう意味なのか。
先日、スバルが単身ティガレックスと戦ったときにスバルが見た光景のことである。
それは、眼の前でモンスター形態から人型形態に光を纏って変わった、というだけだが。
「スバルの言ってること信じたくもなるけどさ?なんだってのあの非現実的な話?アイリス達だってあそこまでなって無いよ?モンスターになったり人になったりとかさ?」
「・・・の、ノブ?」
「へあっ!?あ、あれ?オイラ、なんか変なこと言ってた?」
「・・・愚痴言ってました・・・」
「うわぁ・・・、オイラって・・・」
ノブはかなりへこんでいた。
「・・・来たか!」
「カクサス?」
突然声を上げたカクサスに疑問符を浮かべるだけのアイリス。
「来たって?」
「俺の知ってる気でない何かが来た・・・、つまりは敵!」
「そんな・・・」
「アイリスとレイはその場に残ってスバルを守ってくれ!俺はそのまま迎撃に当たる!」
「う、うん!」
「わかった!」
カクサスはレイとアイリスを残し、迎撃に向かった。
外。
「・・・ちっ・・・」
「サスケ、絶対に殺さないように!一旦捕まえてスバルを殺そうとした相手を吐かせる!」
「・・・分かりました!」
ノブとサスケが戦闘を始めていた。
相手は、黒髪の少女。
頭には猫耳。
そう、ナルガクルガだった。
「流石に、剣を使わないとなると、戦い辛いな・・・」
シディアもその少女と交戦をしていたものの、慣れない徒手空拳に戸惑っていた。
「皆、ご主人様のために倒れてよぉ!スバルを殺させてよぉ!」
「悪いが、殺させるわけにはいかないのでな!」
「逆にお前を捕まえさせてもらうよ!」
わりと子供っぽい言い方をして物騒なことを言う少女に対し、3人で挑む。
傍から見れば大人げない、と思われがちであるが、相手はナルガクルガ、しかも強さは推定G級。
3対1に持ち込んだとしても負ける可能性は否めなくなっているのだ。
〈済まない、少々遅くなった!〉
そして、徒手空拳の猛者・カクサスがついに到着、4対1になった。
「ふーん、こんなか弱い女の子に4人がかりで挑むなんて・・・最低だね。」
「人の寝込みを殺そうとするお前はどうなんだ?」
「私はいいの。ご主人様の命令だから。」
「だったら、捕縛してその主について白状してもらおうか!」
スバルの家の前の広場で、5人はぶつかった。
地下。
「うぅ〜っ・・・」
ナコルが唸っていた。
「ナコル、落ち着いて・・・」
「落ち着いていられませんよ!今この時にスバルがピンチになってるかもしれませんよ!?」
ウィリアが落ち着かせようとしても、ナコルは興奮しきってしまっていた。
「・・・カクサス・・・」
『・・・』
ナデシコはカクサスの心配を、リナトとニンフはただただカクサスの無事を祈っていた。
そんな中・・・
「ちょっと!解放してよ!なんで私を縛るの!?」
「イシアぁ〜っ!姉さんを縛らないでよぉ〜っ!」
「ふにゅ〜っ!」
1番の暴走因子、サンナとヘリアンとクリニアは縄で縛られ、動けなくなっていた。
「だって、姉さんやヘリアンを放置していたら逆に皆が危険でしょ?」
「・・・それに、皆のことを考えるなら大人しくしている方がいいよ・・・?」
『うーっ!!』
ガンッ!ゴンッ!ドスッ!
外に響き渡る殴打の音。
カクサスと少女が拳を振るいながら舞っているような状況が出来上がっていた。
「さぁさぁさぁさあぁっ!さっさと倒れちゃいなよぉっ!」
「ふっ!俺はそうやすやすと倒されたりしないぞ!?」
「うっさいうっさいうっさい!」
途中で大声で何かを叫び合う二人。
「す、凄い・・・」
「あっちのナルガの子は絶対に死なない可能性があるけど、カクサスは殺される可能性がめちゃくちゃ高いからね、本気にならざるを得ない、といったとこかな?」
ノブとサスケは考察を述べ合ったり感想を言ったり。
「ノブ、サスケ、ここは任せた!俺はスバルの許へ戻る!」
「わかった!ここは任せて!」
「スバルさんのとこへ!急いでください!」
「了解!」
シディアはスバル、アイリス、レイの許へ走って戻って行った。
その頃、スバル達は・・・
「お、俺が・・・、戦わないと・・・」
「ダメ!スバルは寝てないと!肋骨折れてるんだよ!?」
「だが・・・、皆を・・・、危険には・・・」
無理にでも起きて戦おうと、応戦しようとするスバルを寝かせようとするアイリス。
「ご主人様!寝てないとだめですよ!」
「止めて・・・くれるな・・・!」
「スバル!寝てろ!」
レイにも止められるが、それでも我儘を言うように起き上がろうとしたスバルに一括するシディア。
「他の者を頼れ!全てお前一人で背負うことはない!」
「・・・だが・・・」
「ダメ!」
「ごふぉっ!?」
それでも動こうとするスバルを、抱きついてまで止めるアイリス。
「ダメ・・・!スバルが死んじゃ・・・、やだよぉ・・・!」
「あ、アイ・・・り・・・ス・・・、い、今・・・死・・・にそ・・・う・・・」
「あ、アイリス!ご主人様が!」
「え?あ、うえっ!?ご、ごめん!」
こんなやり取りがあった。
「くっ・・・」
「どうしたのぉ!?さっきまでの威勢はどこにあるのぉ!?」
ついに劣勢になり始めたカクサス。
彼の頬に一筋の傷跡が付く。
「ふん・・・、まだ『まいった』などと言うわけにはいかないんでな!」
「だったら・・・、殺してあげる!」
ナルガクルガの少女は先程よりも攻撃速度を上げ、カクサスを翻弄しようとする。
「カクサス!」
「・・・あの速度じゃ・・・、勝ち目がありませんよ・・・!」
ノブやサスケも心配する。
そんな最中、カクサスは眼を閉じた。
「あっはははは!!本当に死にたいのね!?」
ナルガクルガの少女は狂ったような声を出して迫る。
「・・・」
迫る少女に対してもカクサスは微動だにしない。
『カクサス!』
アイルー二人がカクサスに向けて悲痛な声を上げたが・・・
ドグォッ!!
「か・・・は・・・」
ダメージを受けたのは少女の方だった。
「・・・調子に乗り続けたのが仇になったな。」
「う・・・ぐ・・・」
予想外の反撃に遭い、少女は憎しみの篭った眼でカクサスを睨みつける。
「さぁ、吐いてもらおうか!スバルを狙う奴の正体を!どうして狙うのかも!どんな奴なのかも!」
「ぜ・・・、絶対に言うもんか・・・!絶対に言うもんか!」
そして、少女は再び立ち上がり、バックステップでカクサスとの距離を取り・・・
「今度こそ殺しに来るからね!?」
と言って逃げていった。
「・・・ふぅ。これでおしまいだな。一時凌ぎには・・・なっただろうな。」
「カクサス!頬大丈夫なの!?」
「・・・出血が・・・!」
戦い終わってカクサスの許へ駆け寄る二人。
「大丈夫だ。出血量はすさまじいかもしれないが、あくまで見掛け倒しだ。心配する必要はないさ。」
「ならいいんだけど・・・」
外にいた3人は家に戻っていった。
あんなに激しい戦闘があったにも拘らず、家本体には何も被害が無かった、ということが唯一の救いだった。
「相手は撤退した。一時凌ぎかもしれないが、それだけでも進歩だろうな。」
「だといいが・・・うぐっ・・・」
脇腹を押え、呻くスバル。
「・・・どうせまた『俺が皆を守る』とか言って動こうとしたんだろ?それでアイリスかレイに抑えられて・・・と言ったところか?」
「・・・なぜに全部的中させるんだよ・・・」
スバルはへこんでいた。
「カクサスから聞いた話なんだけど、今日襲いに来たのはPT−04・・・だったみたい。」
「それで、スバルの肋骨を折ったのがPT−03・・・」
リビングでは作戦会議が行われていた。
「今後スバルを守ろうとしたって、スバル自身が自衛するだけじゃダメだから・・・」
「私達が強くならないといけないわね・・・」
「戦闘組だけでも、ね。」
ライラとシロンが結論付け、強くなることを各々が決意した。
全ては、スバルを守るため。
全ては、愛する人を助けるため。
全ては、助けるべきものを助けるため。
目標はバラバラだろうが、最終的に強くなることに逢着していた。
To be continued・・・
今回は、PTシリーズ3人目が登場しましたが・・・、書いてて『・・・ヤンデレ?』と思ってました。
次回は・・・覚醒。
護るべきもの有る限り・・・負けられぬ戦がある。曲げられぬ信念がある。
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