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年下くんの大きな手  作者: 白井 みちる
できなかった・・・
72/85

イライラする

とりあえずリビング行けば?という大翔の一言で5人で移動。


順番でいうと、大翔・おばさん・おじさん・私・翔って感じ。


私は前にいる大きなおじさんをちらっと見た。

前に翔が話してた再婚したお父さんっていうのがこの人なんだろう。

ほんとの父親じゃないって。

確かに、顔は似てないけどなんていうか似てる。

空気?

背が高いからかも。

それより、翔と翔のお父さんのこの雰囲気を何とかしてほしい。なんかが痛すぎて息できないんですけど。

言っておくが、私に罪はない。



うちには向かい合えるような場所はない。ソファはテレビのほうを向いているし、机も小さい。

どうしようかと迷っていたら、大翔は迷うことなくテレビの前にソファのほうを向いて座った。やっぱり向かい合わなきゃいけないんすね。


でもさ、おかしいよね。どう考えてもおかしいだろう。

私から見て左側に翔のお母さん。右側に翔のお父さん。

私の左には大翔。右に翔。







・・・普通翔が真ん中じゃね?







なんかはめられてる気がする。


しかも沈黙続いてるし。なんか言ったほうがいいのか?

分からん。

「翔気」

おじさんがゆっくりと名前を呼んだ。

「どういうことか説明しなさい」

責めるような声が責められてもいない私の心にチクチクくるのはなんでだろう。

左側を静かにうかがうと、大翔は何かを考えるように床を見ていた。

わが弟ながら無責任なやつである。

「そっちが先だろ」

相変わらず低い声でおじさんとおばさんのほうを向きもしない翔があの日の翔と重なった。

父親と、血がつながっていなかったと言った時の翔と。


なんでだろう。あの時はこんなこと思わなかったのに。


なんか、イライラする。

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