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死神といっしょ!
作:是音



第8話 我が家で座談会


「準くんご飯まだ〜?」
「準くんどうもすみません」
「里原くん早くぅ!」
「恐縮です里原殿」
「なんか僕まですみません里原くん」


 ん〜何だこれ?

 この声はそれぞれ死神、ナイトメア、美香、夜叉さん、三笠の物。
 で、今日はオレの家に集まって近況報告(座談)会らしい。黒いローブの死神、ダークピエロ、和服の般若面。今すぐにでも仮装大会に出られるな。つーか仕事はどうした死神業者共?


 美香はナイトメアとも意気が合ったのか、死神と三人でわいわいやっている。

「へ〜、じゃあメアちゃんも死神さんと一緒に仕事してるんだ〜!」
「そうなの、でもロシュは仕事の効率悪いからいっつも私が請け負ってるんだけど。あと変な仮面もキモかったし」
「お前に言われたくナイヨ。そして仮面は関係ナイヨ」

ゴトン
「ほい、飯できたぞ〜っ」
 今日の昼食メニューは軽く焼そばなんてどうでしょう?

「来た来たご飯〜♪」
「ロシュ食べてばっかりじゃ太るよ。以前体重計乗って気絶したこと忘れたのかしら〜?」
「誰も気絶なんてしてナイヨ。事実無根だ!」
「あ、焼そば美味しいです準くん♪」
「急ニキャラヲカエルナ!」

 お〜、死神がツッコんでるよ……。ナイトメアは見た目こそ死神より幼く見えるが中身は割としっかりしているみたいだ。


 真面目といえばこの二人だ。
「じゃあ夜叉さんは平安時代に直接古典文学に触れられたのですか!? 羨ましいです!」
「いやいや、三笠殿もなかなかの知識をお持ちのご様子」
「はい、特に中古時代の和歌や物語に興味がありまして」
「ほう、では最古の歌物語として有名な『伊勢物語』がありますが、その中の一つ『芥川』では盗み出した女が最後には鬼に食われるという話でしたが、あれは連れ戻しに来た屋敷の者を鬼に例えたといわれています。しかし実はモデルとなったのは某なのです」
「えぇ!? じゃあ未詳となっている作者はやっぱり紀貫之なんですか!?」
「ふふ、それは作者殿との約束で秘密にしているんですよ」

 ……何こいつら?
 つまらん話を長々とどうも申し訳ありませんでした。

「準くん、お話しませんか?」

 気が付くといつのまにか隣にナイトメアが座っていた。
 食事の準備も終わったし、一休みするか。
「準くんは料理上手なんですねっ」
「ん、まぁ一人暮らししてるとどうしてもな。インスタントってのは苦手だからさ」
「偉いです! 両親は外国に行ってるって聞きました。大変ですね」
「中学の時からだからもう慣れっこだよ。メアちゃんも仕事頑張ってるみたいじゃん?」
「頑張るというか無理矢理押しつけられたようなもんです! 自分勝手などっかの変態流行趣味女のせいで……」

「誰が変態自己中勘違い時代遅れ流行趣味女だぁー!!!」

 そこまでは言ってないよ……。

「事実でしょうが!」
「貴様何故私が紅しょうがアレルギーだとわかった!! さては貴様八大地獄の餓鬼だな!」
「対話能力もゼロのようね!!」

 おいコラ危ないから鎌を振り上げるな。そしてナイトメアも構えるな。

「くらえ死神奥義!!! {お父さん私の首知らない?}{またお父さんを疑うのか!}{だって洗面所にキャバクラのマッチが――」
「長いっつーんだよボケ女がぁ!『ブラックマターボール』!!」

 壊れる壊れる家壊れるよ〜……。よ〜し、こんな時は

「助けて夜叉さ〜ん」
『……承知(怒)』

――――――

 数分後、居間にはベソをかきながら正座をさせられている死神とナイトメアがいた。まだ夜叉さんが小言を言い続けている。


「いや〜ハハハ、一時はどうなるかと思いましたよ」
 と汗を拭う三笠。
「何か楽しかったからいいんじゃな〜い?」
 とケラケラ笑う美香。

 てめぇら他人事だと思って……。


「――であるからして、何度も言いますが人様に迷惑をかけてはいけないとあれ程言って―――」

 夜叉さんはまだ説教中でしたか。


 それから夜叉さんの説教は3時間程続いた。


 オレと美香はその間三笠の強制授業を受けていた。

「で、『K(K+1)(K+2)(K+3)』を展開してΣの公式を使ってまともに計算すると大変であるので、この場合は数学的帰納法を利用すると楽に証明できます。さらに文字Kが式の中に……」

「ぽけー」
「ぽけー」
 オレと美香は完全にうわの空だ。

「よ、よし三笠、そろそろおやつにしないか?」
「いいね〜おやつ!(ナイス里原くん!)」

「そうですか? じゃあ今日はこのくらいにしておきましょう」

(助かった〜)

 そしてオレはホットケーキを作って持ってきた。

「夜叉さん、もうそのくらいにして。ほら、みんなでおやつでも食べましょう」
「里原殿。わかりました」

「ホラお前等もおやつだぞ」
「準く〜ん!」
「助かりました〜!」

 説教から解放された死神とナイトメアは笑顔でホットケーキを食べた。

 つ、疲れるぞ……。

 それからまたみんなで談話した後、それぞれ帰宅して行った。ナイトメアはまだ残りたかったみたいだが夜叉さんに睨まれて大人しく帰って行った。

 三笠は勉強話厳禁だな。

 オレと死神は後片付けを済ませ、晩飯を食べてから居間でくつろいでいた。

「あー楽しかったぁ!」
「お前半分は説教だっただろ」

 しかし夜叉さんはいろんな意味で怖かったし、ナイトメアは性格が不安定だ。死神業者ってのはキャラの濃い連中が多いな。

「お前とメアちゃんって仲良いんだな。お前がツッコむなんて珍しいもんな」
「仲良いわけないでしょっ。ただ口やかましいだけの私の妹分みたいな奴だよう」
「へぇ、その割には妹分の方がしっかりしてないかぁ?」
「もうっ、うるさいよーだ!」


ドンドンッ
「里原さーん?」

 お?
 隣に住むおばさんの声だ。

ガチャ
「はい?」
「何か旅行から帰ってきたらウチの前に焦げたヨーグルトが置いてあって困ってるのよ〜。お宅の物じゃない?」

(ジェイソンヨーグルトか)
「違います」
「そう。違うんだったらいいんだけど。ごめんなさいね、一体誰なのかしら焦げ臭いったらないわ……」
バタン


 ………。


「死神ーーー!!!!!」












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