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第58話 ハイクオリティ・セクシー娘 死神
「やったぜー!ついにサブタイトルをジャックしてやったわぁ!!」

・・・タ、タチ悪ぃ。

 オレは死神とアイスキャンディーを舐めながら街を歩いていた。買い物である。

「うーん、こんな暑い日は三笠くんも大変だよね。・・・あっ!今度会ったら頭剃らなきゃ!」

 逃げろよ三笠。

「いーなー、プールとか海とか行きたいなー」

・・・。

「いーなー、プールとか海とか行きたいなー」

「お前泳げねぇだろ」

「むーっ!いいじゃんいいじゃん!行きたいもーん!」

「わかったわかった。つーか《夏は海でしょ!》的な考えをしそうな人物が周囲に一杯居るから多分行くことになるぞ」

「やったぜー!てなわけで水着買って〜!」

「・・・はいはい」

――――――――

 買い物を済ませ、帰り道を歩いていると、突然死神が立ち(浮き)止まった。

「ん、あれ?準くん準くん!」

「どうした?」

「あれ見てよあれ!」

 死神が指差す先には、電柱の影に隠れてなにやらコソコソしている般若面の着物姿がいた。

 夜叉さんである。なにしてんだろ?

「おーい夜叉さーん!」
「夜叉さん、何してるんですか?」

 びくっと驚いた様子で夜叉さんは振り返った。

「死神殿に里原殿!?」

「夜叉さん何してたの?」

 夜叉さんは素で慌てているらしい。

「い、いやぁ、そればっかりは言えませんな」

「・・・《呉服屋のおトメさん》との事、ばらすよ?」

「あれは一週間ほど前の事になります・・・」

 夜叉さーーーん!

・・・。

 呉服屋のおトメさん!?

「一週間ほど前、某は仕事中に般若面を割られてしまい、丁度この付近にて落としてしまったのです。慌てて拾おうとしたところ、
『面白い格好ですね』
と、会社帰りの女性が先に仮面を拾ってくださったのです」

・・・。

 本物の鬼を見て面白い格好ですね。とは肝がすわりすぎだろ。

「で、お礼を言い忘れたので・・・」

 なるほどね。

「わかった!夜叉さん、その女性に一目惚れしたんでしょ!」

「ぶっちゃけその通りです」

 簡単に暴露しやがった!

「ふーん、で、今もその女性を待ってるんだ〜」

「はい。今は夏休みですので大体このくらいの時間にここを通るのは調査済みです」

 ストーカーじゃん。

「ですが。この様に待っているのは良いのですが、どう声を掛けたら良いか・・・というか声を掛けた後どうすれば良いのか・・・」

「よっしゃ!じゃあ私達が夜叉さんの恋愛成就に一役かってあげるよ!ねっ準くん」

「ん?まぁいいけど」

 しかし夜叉さんは

「い、いやいや、結構です。お構いなく」

 と拒否した。

「その・・・。お二人は、超鈍感で有名ですから・・・」


 へ?

「へ?」

 オレも死神も首を傾げるばかりだ。

「まぁいいからいいから!夜叉さん、私に任せなさ〜い!」

 というわけで、半ば強制的に
《死神プロデュース・恋愛成就シュミレーション》
が企画された。

 どうやらオレが女性役らしい。

――――――

LESSON 1
《甘い言葉でノックアウトだぜベイベ!作戦》

――――――

 道を歩いていくオレ・・・じゃなくて私。
 そこへ般若面をつけた男が電柱の影から飛び出してくる。

『あ、あの』

「はい?」

 相当恥ずかしいぞオレ・・・じゃなくて私。

『先日はどうも有難うございました』

「あぁ、あなたはあの時の。いえいえ、構いませんよ」

(夜叉さん!そこで例のセリフGO!!)

『あ、あの・・・』

「?」

『《ここでこうしてアナタと出会えた。これは運命!私の物語とアナタの物語による奇跡のクロスオーバー!さぁ、共に運命という名の夢物語を描いて・・・》』

 ベシィッ!!

『はぐぁ!』

 すまん夜叉さん、ここは殴るところだ。

(うーん、セリフ長すぎたかぁ)

 問題はそこでもないだろ!

――――――

LESSON 2
《男なら格好良く一言でノックアウトだぜベイベ!作戦》

――――――

 道を歩いていくオレ・・・じゃなくて私。
 そこへ般若面をつけた男が電柱の影から飛び出してくる。

『あ、あの!』

「はい?」

 死神の指示でオレも女っぽくならなきゃいけないらしい・・・。

『先日はどうも有難うございました』

「あぁ、あなたはあの時の。いえいえ、構いませんよ」

(よっしゃ!夜叉さんGO!!)

『あ、あの・・・』

「?」

『《アベックよろしく!》』

 ボカッ!ペシッ!

『はぐぁ!』

(ふぎゃっ!)

 《アベックよろしく》はねぇだろ。

(うーん、じゃあもう最後の手段ね)

 もう最後の手段!?

――――――

LAST LESSON
『当たって玉砕!一か八かの賭けでノックアウトだぜベイベ!作戦』

――――――

 道を歩いていくオレ・・・じゃなくて私。
 そこへ般若面をつけた男が電柱の影から飛び出してくる。

『あ、あの』

「はい?」

 何だか雰囲気が変だ。

(夜叉さん、GO!)

(ほ、本当にやるのですか?死神殿)

(奇跡が起こればついてくるわよ!)

「あ、あの〜?」

『《ヘッヘッヘェ〜、マイ・ネーム・イズ・変・質・者ぁぁぁ!ドゥハハハハハ!!黙ってオレ様についてくるが良い!ブワッハハハハハ!!》』

「イ、イヤァァァァァァ!!」

 バガァン!ズバン!ドン!バキッバキベキィ!!

『ぐっ・・・はぁ・・・』

(ふぎゃぁぁぁ!)

「ついて行くわけねぇだろうがぁぁぁぁ!!」

―――――――


 結局死神のレッスンは何も役に立たず、まだ女性を待ち続けると言う夜叉さんだけを置いて、オレは死神を引きずりながら帰った。

 オレはどうしても言えなかったよ。

 LAST LESSON中に会社員らしき女性がギョッとした顔をしながらオレ達の横を足早に通り抜けていった事を・・・。

――――――――

 マンションに戻ると、部屋の前に冬音さんとナイトメアがいた。
 どうやらフロントのゲートは彩花さんに開けてもらったらしい。

「よう、準、死神!」
「こんにちわです準くん!」

「どうしたの〜?冬音姉さん達」

 冬音さんとナイトメアはニヤリと笑い、オレ達に向かってビシッと指差した。

「海に行くぜ!」
「行くです!」

 やはりそう来たか。

「やったー!海ー!」

 よかったな死神。
 死神はナイトメアとはしゃいでいる。

「海ー!」
「海海〜!」

 あぁそうだ、と冬音さんが手を叩く。

「須藤とバンプにはもう連絡したからさ。準よ、七崎と三笠、それに渡瀬にも伝えといてくれよな。あいつらも行くだろ」

「はい。ところで、どこの海へ行くんですか?」

 それを聞いた冬音さんは満面の笑みを見せた。

『《佐久間財閥》保有の孤島さ!』
こんにちは読者の皆様、いつも《死神といっしょ!》を御愛読頂き有難うございます!作者の是音でございます。この度、皆様のお陰で再び企画いたします《読者数三万突破記念・感謝企画》に向けて、読者の皆様に企画話の希望を募りたいと思います。「こんなお話が見てみたい」という意見がありましたら遠慮無く『評価コメントではなく、メッセージで』作者までお送り下さいませ。登場して欲しいキャラ等でも構いません。できる限り参考に致します!ここまで到達できたのは本当に読者の皆様のお陰でございます。たくさんのご意見、お待ちしております!


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