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第2話 死神or変人?
 で、オレと自称死神は居間で向かい合っていた。しかもお互い正座で。
 変な光景だと思うよ、死神が正座してんだぜ?
 とりあえずオレから話し掛けてみた。

「えっ……と、アンタはその……自称死神らしいが、目的は何だ? やっぱ金か?」

 自称死神は少し首を傾けた。ドクロの仮面が首を傾けたのだ。奇妙以外の何者でもない。

「自称じゃないですよ〜。目的は〜……準くん?」

 あ、この人オレの命取るつもりだよ。
 あの大鎌で首バッサリいくつもりだよ。
 ん〜、死ぬのはもうちょっと先がいいなぁ。警察呼ぼうにも携帯は部屋に置いてきちゃったし電話機は遠い。
 ってかこいつ声色からして女だ。
 無駄だと思うが命乞いしてみた。

「あ、あのさ、オレまだ未来明るい青少年なわけ。地獄の沙汰も金次第っていうし、オレの命金で延ばしてくんない?」

 どうだ? これは賭けだ。これでダメなら死を覚悟しよう。

「命って? 私はただ地獄に飽きたから逃げて来たんだけど……」

「……は?」

 全然意味わからん。だけどどうやら命を奪いにきたわけではないらしい。とりあえずホッとしたオレはリラックスして質問することにした。
 にしてもまだ死神気取ってんのか。

「てめえが地獄から逃げてきたのはわかったが、何でオレんトコなんだよ。つーかコレ不法侵入だぞ?」

 いきなり強気になったオレ。自称死神は別に気負う様子も見せない。

「そりゃー金持ちで両親外国行ってて高級マンションで一人暮らししてるボンボンでそこそこツッコめる男なんて君くらいじゃな〜い。だから居候させて〜!」

 はい、正直に暴露してくれました。しかもドクロの仮面が甘えるようにお願いしているのだ。キモすぎる。
 それにいきなりこんなこと言われて居候させるわけもない。

「できるわけねぇだろ。つーかまずは仮面外せ女」

 そう言った瞬間に目の前の自称死神のローブがバサバサと揺れだす。なんかわかんないけど寒気がする。こ、これは多分殺気というやつだ!!

「貴様ぁ何故私が女だとわかった!! さては貴様八大地獄の餓鬼だな!? おのれ餓鬼の分際で生意気な! その首はねてくれるわ!!!」

 ヤバイヤバイヤバイ、なんかすっげぇ怒ってるなんかすっげぇ怒ってるなんかすっげぇ怒ってる……! 首はねるとか言ってるし! 謝らなければ、何か言い訳しなければ!

「ち、ちょちょっと待って! 声色から判断しただけだって! オレ餓鬼とかじゃねぇし! ……よ、よしわかった、居候させてやるからまずは落ち着けって!」


 そう言うと自称死神は『居候』の言葉に反応したのか落ち着きを取り戻していった。……本当に死神なんじゃないか?

「じゃ、決まりですねー! さて、漫画漫画♪」
「待てぇい!」

 さっさと立ち去ろうとする自称死神を呼び止めるオレ。謎だらけだコイツ。聞きたいことが山ほどあるぞ。

「これから色々と質問させてもらうからな! まずはお前が死神であるとするなら、証拠を見せな」

「え〜、わかりましたよ。めんどくさー」

 居候させてもらう奴が言う言葉じゃねぇよな。しかも見た目だけで全然死神な性格してないし。
 オレの前に座りなおした自称死神はすっと手を上に挙げた。

「じごくむし〜っ」

 ん?
 天井に黒い穴が開いてなんかわらわら出てくるな。
 出てきたのは……。
 ぅあ、虫だ〜!! ダメだ虫は! オレは虫が大っ嫌いなんだ!!
 しかもなんか形がミミズみたいで……でっけぇよ!
 あわわわわ! こっち来たぁぁぁ!

「よよよよし、お前は死神だと認める! だから早くこの気味悪い虫を片付けてくれ!」
「もぉ、証拠を見せろって言うから見せたのにぃ」

 自称いや、もはや紛れもないその死神は指をパチンと鳴らして気味の悪い虫共を消した。助かったぁ〜。
 しかし、死神って本当にいたんだなぁ。

「アンタ名前は?」

「死神もしくはセクシー死神もしくはグラマラス死神と呼んでくださいなっ」

 うん、こいつはアホだ。ドクロの仮面つけた奴にセクシー死神はないだろうが。

「死神にも名前くらいあるだろ?」
「あるにはあるけど……長いですよ?」
「オレは記憶力良い方なんだ」

「そうですか? じゃあ……コホン、私の名前は『ロシュケンプライメーダ・ヘルツェモナイーグルスペカタマラス七世』です」

「そうか。じゃあロシュケンプライメーダ・ヘルツェモナイーグルスペカタマラス七世、お前は何で地獄に飽きたんだ?」
「はい。私ことロシュケンプライメーダ・ヘルツェモナイーグルスペカタマラス七世は毎日毎日人の首を狩って生活するのが嫌になったのです」
「ふぅん。ところでロシュケンプライメーダ・ヘルツェモナイーグルスペカタマラス七世、あんまり長い名前で会話すると読者が飽きるからこの位にしておこう」
「そうですな」

 というわけでオレはこいつのことを死神って呼ぶことにした。


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