第31話
屋上は凄く強い風が吹いている。強い風は、新一と小田切の間を通り過ぎて行く。
「では、次です。貴方が何故、宮野厚司達を殺したか…。先ず、宮野厚司を殺した理由から…。貴方は、水無怜奈を殺すためにFBIが居る杯戸中央病院に澤井美咲を送り込んだ。しかし、FBIに邪魔をされて澤井美咲は水無怜奈を殺すことは出来なかった。澤井美咲を殺したのは組織の人間ですよね?そして、澤井美咲の携帯に一件だけ着信履歴を残したんですよね?」
「それが、何だって言うんだ?」
小田切は、少々怒っている。
「その一件の着信履歴が引っ掛かってた。けど、その着信履歴は貴方が仕掛けたトリックです。その着信履歴をFBIが見つけたらその発信場所を調べる。そして、FBIはその場所に乗り込む。FBIが乗り込む前に、貴方は宮野厚司を自殺に見せ掛けて殺した。FBIに宮野厚司を組織のボスと錯覚させる為に、自殺に見せ掛けて殺したんですよね?それと、鳥取の研究施設でそこに住んでいた男を殺したのは組織の人間だ。」
新一は、小田切を鋭い視線で見ている。その時、新一の携帯が鳴った。新一はポケットから携帯を出して、携帯を開いた。新一は、真剣な眼差しで携帯の液晶画面を見た。そして、笑みを浮かべた。
「貴方が組織と関わっている証拠を仲間が見つけたようです。」
「…………………。」
小田切は、何も言わずに黙っていた。
「話を続けましょう。尾野川英孝と山瀬晃昭達を何故殺したか…。それは、FBIが組織の行方をまだ追ってたことです。宮野厚司の事を調べられたら尾野川英孝達にもFBIが迫る。そうなったら、貴方が組織のボスと分かってしまう可能性が高い。だから、貴方は尾野川英孝達を殺した。しかし、貴方の計画はそこから狂った。シルフィアと言う組織の人間が組織を裏切った人物を探す為に帝丹小学校に潜入した。そして、シルフィアを組織の人間が殺した。けど、その人が手紙を残していた。その手紙で貴方を見つける事が出来た。」
「見事だよ…、工藤君。素晴らしい推理だ。」
小田切は、拍手をしながら言った。
「赤井秀一さんを殺したのは何故ですか?」
「あれ?奈月君の姿が見えんが…。」
博士は、家の中を見回しながら言った。
「…居なくなっているわね。」
哀も家の中を見回しながら言った。
「(まさか…!)」哀は何かが分かった様に驚いた。そして、玄関に向かって走り出した。
「どうしたんじゃ?哀君…。」
「早く止めないと危険よ…。」
「それって、奈月君の事かね?」
「ええ…。」
哀はそう言い、玄関のドアを開けた。
「貴方は……。」
ドアを開けた途端、一人の男が立っていた。
「彼を殺した理由は…、組織にとって危険な人物だからだ。彼は我々を壊滅させる銀の弾丸…、彼を消さなければ私や組織が危なかったからだよ。」
小田切は、淡々と話している。
「水無怜奈を病院から連れ出そうとしたCIAの諜報員を殺したのも組織ですね?」
「ああ…、そのCIAが水無怜奈の奪還計画を邪魔したからな。」
「貴方達の目的は何ですか?」
新一は、話を変えて尋ねた。
「組織の目的…、それは不老不死を完成させる事だ。この研究は、烏丸蓮耶がひそかにやっていた研究だ。私や宮野達も不老不死には興味があった。だから組織に入り、不老不死の研究をした。」
「組織を作ったのは烏丸蓮耶ですか?」
「そうだ…。烏丸蓮耶は、不老不死の研究の為に作った組織だ。しかし、研究には金が必要だった。そのために、組織は暗殺や取引等をして資金を集めた。しかし、何度やっても不老不死は完成できなかった。おまけに、体内から毒薬が出ない薬が出来てしまった。その薬を組織で毒薬として使う事にした。不老不死の研究は今でも続けている。けど、あの薬を飲んだ君が生きていた事には驚いたよ。君とは一度しか会ってないからな…。」
「江戸川コナンが工藤新一だって知ってたんですか?」
新一は、驚いたような顔をした。
「最初は気付かなかったが、アクアビットから聞いてから君のことを知った。そして、シェリーやアイリスを匿っている事と我々の事を探っている事も…。」
「(アクアビット…、聞いた事のないコードネームだ。)」
新一は、心の中で考えた。
「だが、私もこれで終わりだ。」
小田切は、俯きながら言った。
「自首をするよ…。」
小田切は俯いたままだった。その時…、
…ドォン、…ドォン、…ドォン、
警視庁の近辺から物凄い爆発音が聞こえて来た。
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