第29話
警視庁の屋上で新一と小田切が対立しながら立っている。
「それで、私に話しって何だね?」
最初に口を開いたのは小田切だった。
「貴方が関わっている犯罪組織の事ですよ。」
新一は、真剣な眼差しだった。
「私が…、犯罪組織に関わっている?証拠でもあるのか?」
「…貴方の事を調べさせてもらいました。貴方は小さい頃、鳥取の倉吉に住んでいた。」
「それが、何か関係でもあるのか?」
小田切は、冷静な声で尋ねた。
「しかし、両親が事故で亡くなり貴方は東京に住んでいる祖母に預けられた。けど、その祖母が入院して貴方が一人になったので施設に入れられた。」
新一は小田切の質問に答えず、淡々と話している。
「私には、両親と祖母以外は知り合いが居なかったんだ。」
「貴方は東京の施設で中学、高校、大学に通った。そして、帝都大学で宮野厚司や尾野川英孝や山瀬晃明などに出会った。貴方は宮野厚司達と仲が良かったって聞きました。」
「大学の事も調べたのか…。」
小田切は、そう呟いた。
「貴方は、帝都大学を卒業してからニューヨークの薬品研究所で働いていた。そしてその研究所を止めて、日本に戻って来て警視庁に入った…。そうですよね?小田切刑事部長。」
新一は、小田切の方をじっと見ていた。
「ああ…。それが私と犯罪組織がどういう関係があるんだね?」
「今、話したのは貴方の今までの経歴ですよ。」
「その経歴が私が犯罪組織に関わっている証拠でも言うのか?」
「貴方の事を調べても犯罪組織との関係は分かりませんでした…。でも、貴方がその組織に関わっている証拠は必ず見つかりますよ。」
新一は、不敵な笑みを浮かべた。
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