第四話
「………とまぁ、これが俺が生きてきた日本やな」
『………………』
三人は黙っているけど、金剛の視線はかなり厳しかった。
「………冗談は程々にしておけよ貴様ァッ!!何が未来からやってきた日本人だッ!!貴様は私達を馬鹿にしているのかァッ!!!」
こ、金剛が怒り狂って、俺の首を絞める。
てか息がァッ!!
「落ち着け姉貴ッ!!姫神が死ぬぞッ!!」
「死んで結構だッ!!」
「止めろ金剛ッ!!」
結局、榛名と長門が止めてくれたおかげで、何とか助かった………。
「………取り敢えず、携帯を見せるからな」
三人に、未来人だと証拠を見せないとな。
「この携帯は、本当は電波を通じて遠くの人と話が出来るけど、この時代には無いから写真を撮るから」
パシャッ!!
「箱から音が……」
金剛が驚いている。
ちなみに俺が持っている携帯はソーラーが付いているから壊れない限り使えるんやな。(ただし、圏外やけど)
「ほら」
俺は三人が写っているのを見せる。
「む、確かに私だ………」
写真を見た金剛が呟く。
「これで俺が未来から来た日本人だと認めてくれるか?」
「………ち、仕方あるまい。貴様を未来から来た日本人だと認めてやる」
金剛は渋々と認めてくれた。(てか舌打ちすんな)
「ありがとうな。しかし艦魂か……本当に実在しているとは思わなかったな」
俺は腕を組む。
「姫神の未来にはいなかったのか?」
榛名が聞いてきた。
「二次や架空戦記の小説にはあったけどな。後は船魂神社くらいやろな………」
てか俺、山本長官に呼ばれていたよな………。
「取り敢えず長官のところへ戻るわ。戻る寸前に、お前らに拉致られたからな」
「あぁ、山本長官には俺が言っておいたぞ」
「………マジか榛名?てか長官も見えるんか?」
「あぁ、その通りだ。私は彼女らが見えるよ」
その時、第三会議室の扉が開いて山本ちが入ってきた。
「長官」
「中々帰ってこないから不審に思ったが榛名から聞いたのでな」
長官は苦笑する。
「長官も艦魂が見えるんですね」
「あぁ、日露戦争時から見えていた。日本海海戦では日進と一緒に戦ったなぁ」
………確か、日進は事故で1935年に沈んだな。
地雷やったかな?
「ほかは山口君や小沢君、南雲君、松田君が見えるよ」
「そんなにいるんですね」
幽霊ぽいから見える人は少ないと思ってたけどな………。
「一番有名な将官は東郷元帥だろう。あの人は見えていた事を俺に言っていたからな」
山本長官が言う。
………東郷元帥も見えていたんやな………。
「ところで姫神君。そろそろ帝都に戻ろうか」
「あ、もうそんな時間ですか」
腕時計を見ると、時刻は午後4時半を指していた。
「何か用事があるのか?」
「1900から陸海軍と、政治家数人で会合があんのや」
海軍からの出席者は宮様、吉田大臣、米内さんに山本長官と俺。
陸軍からは東條さんに石原さん、杉山などが参加している。
政治家からは吉田茂、白洲次郎などが参加している。
話す内容は次話やな。
「そういう訳やからもう帝都に帰らなあかんねん」
「そうか、貴様とは酒でも飲み交わして話したい事があったがな……」
………多分、某政党の文句やろね。
三人共かなり怒ってたしな。
「また今度来るからな」
「といっても、俺らは改装中だけどな」
そういや金剛型は明日から改装する事になっていたな。
「まぁそこは気にするな。んじゃぁな」
「あぁ」
俺と長官は第三会議室を出た。
「………日本が負ける……か」
三人になった第三会議室で長門がポツリと呟いた。
「それだけは何としても避けるべきだな」
「そうだよな」
金剛の言葉に榛名が頷く。
それから三人はそれぞれ無言のまま自艦へ戻った。
「……それにしても艦魂が見えるとか凄いよなぁ」
帝都に戻っている途中で俺はポツリと呟いた。
「………まさか俺がこの世界に来たせいなんやろか……」
今の俺は史実にはいないイレギュラーやからな。
………ま、考えても仕方ないな。
今は日本が生き残る事が先決やからな。
俺はそう思った。
御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m