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暗殺者
作:神名代洸


要人暗殺を依頼され、いつもとは違う何かを俺は感じていた。

今は仕事のためにとあるホテルの一室に一人でいた。机の上にはバラされた拳銃の部品が並べられ、一つずつ点検をしていた。

【ピンポーン!】

部屋の入口のチャイムが鳴ると瞬時に銃を組み立て、足音を殺してドアの傍まで行き、かまえた。

「私よ!ロイ。いるんでしょ?」

ドアがカチャリと鳴り、少し開いた。

「サラ、どうしてここに?」

「何にもなきゃきちゃいけないの?」

「今回の仕事は俺一人のはず。それに何かいつもよりやばい感じがする。君は直ぐにここを離れるんだ。」

「残念ながらそれは無理そうだぜ。」

ドアが開き、ロイと歳が近そうな青年と、少し年上の男達が二人入って来た。
その姿はロイにとっても懐かしい人達であると同時に嫌な感じがした。
普通は単独で依頼をするのがほとんどで、秘密りに掛け持ちされた状態で受けたことは今まで一度もない。
あれこれといろいろ考えてみると、依頼自体が罠だった可能性も捨て切れなかった。
盗聴されている可能性は捨てきれなかった。

「お前達には関係がない話しだ。一刻も早く。」

「だがそうはいかない。窓の外を見てみろよ。」

ロイは足早に歩いていくと迷彩服を来た男達が建物内に入るところだった。

「なぜここがばれた?」

「お前に依頼した奴はどんな奴だ?ロイ。」

「ちょっとやばい雰囲気を持った男だった。受けた依頼も合衆国首相の首だ。だが気に入らなくて断ると脅しをかけてきた。秘密をもらすなと…。」

「それはちょっと処じゃないかもしれないよ。ある筋からヤバイ奴らが裏で動いていると聞いていたんだ。」

「それよりもまず、ここから脱出するのが先よ。」

「そうだな。じゃあ―――。」

脱出ルートはロイが確保。敵を引き付けるのは残りの役割。
そう決めると動きは素早かった。
みなこのみちのプロ。
相手が誰であってもそれは変わらない。


ドアを開け、すべるようにみな廊下に出た。
辺りはシーンと静まり返っており、それが余計に不自然さを出している。
手でのゼスチャーのみで仲間に指示を出し、先頭に立っているマイクは辺りを伺った。

別の場所ではロイが逃走用の車を確保していた。

バイブ機能の振動で気付いたマイクはロイからのメールで脱出ルートへと仲間を誘導していった。だがその間、客とは会うどころか敵による銃撃が待っていた。
何とか銃弾の嵐をかい潜り、目的地につくとエンジンがかかっている三台の車へと走って行った。

ロイは一人で乗り、他の車に半分づつ乗り込むと急発進でその場を離れた。


しばらく走ると十字路に入り、当初予定していた方向に走る二台とは反対方向にロイの車は走っていった。

「ロイ!そっちはヤバイ。」

仲間が叫んで車の向きを変えようとしたときあちこちからバイクが走り込んで来て辺りに銃を向け、銃弾の嵐になった。
その弾をよけながらハンドルを切った一台は回りそこね、ひっくり返って電柱に激突して爆発、炎上した。
ロイはその間も走り続けたが、後方から走って来たバイクの刺客に片側のタイヤを撃ち抜かれ、ハンドルをとられながら何とか停めた。
そのあとからマイクとサラが乗った車が追い付き、ロイを援護しながら近付き、敵に銃弾を浴びせた。


「しぶといヤツめ。とっとと始末しろ。もれるとまずい。」
いかにも肉太利でいかつい顔の男の指示に背後に立っていた無表情の男が両手に持っている刀の鞘を仲間の男にぬかせるとクロスさせ、構えた。

ロイもマイクもサラも戦闘のプロ。
相手の殺気だけでどこにいるのかもわかる。しかし、相手の方が速かった。見切る間もないまま右足を斬られ、その直ぐ後に両横の腰辺りから串刺しにされ、抜かれた後はその場に倒れた。

「この…俺が…はんげ…き…できな…い…とは…。ハァハァハァ」

ロイはもう動く事も出来ず、虫の息だった。その目に映るのはハチの巣にされ、ボロボロになって死んでいくマイクの姿と、頭を撃ち抜かれ倒れていくサラの姿―――。


「みんな…すまない。」


ロイは意識朦朧とした中で仲間に謝罪し、口から血を吐いて息絶えた。
















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