今日はテストなのに投稿した大馬鹿者のリオレイアです。
今回から少し戦闘から離れます。
世界の思惑
上陸し橋頭堡を確保する事は出来た自衛隊。上陸作戦の最も困難な部分は終えたが、まだ内陸部での戦闘は終わっていない。
一方、数で押すことで勝てる、ミッドウェー・ハワイ両島沖海戦で撃退は出来なくとも損害を与えた事により数の力を過信しつつある米軍。
どちらがハワイを制すのだろうか…
「何だこの有り様は!」
ハワイに置ける戦況を示した地図を見て机を叩いたのはキング作戦部長である。彼は開戦以降有効打を与えていない事実に激怒していた。
いや、有効打を与えるどころか逆に攻められている現状にだろうか…
とは言うもの、怒鳴ったところで自衛隊や帝国陸軍が撤退するわけではない。参謀達が震え上がるだけだ。そうして怒鳴り散らしていた彼の元に一つだけ朗報が届いた。B-17の爆撃タイプが60機、ガンシップタイプが15機ハワイに派遣されることになったのだ。
これだけの数があれば敵上陸部隊を叩きのめせるかも知れない。いくら敵戦車が化け物の様な強さを誇ろうとも爆弾を雨の様に落とせば撃破出来るだろう、と思っていたキングであったが、一つ重要な事を忘れていた。
それは轟竜の戦闘隊である。それらは機銃手が対応できないほど素早く飛行し、ガンシップですら一撃の下に落とす攻撃力をもっている。
最も、思い出しても数で押せば何とかなるのではないか?と、攻撃を躊躇する理由にはならなかっただろうが…
ともかく爆撃隊による上陸部隊攻撃は決定された。
そのころ、東京では…
林田
「現在の戦況はどうかね?」
石破
「はい、我が方の圧倒的優勢とまでは行きませんがオアフ島、ワイキキ・ビーチに橋頭堡を確保する事に成功しました。」
財部
「それはどういう事かね?生憎、軍事には疎くてな。」
石破
「つまり、上陸に成功したと言うことです。敵航空隊も撃破しましたし、オアフ島の占領も間近でしょう。」
横山
「それは結構だが、あまり戦線を広げんでくれ。自衛隊と協力しても総務が追いつかん。」
石破
「そう言われましても…まあ、ハワイより向こうには行く気はありませんが…」
財部
「当たり前だ。ましてや対独戦なんぞもっての他だ。イギリスに武器を売るのなら歓迎するがね。」
これは平時であれば大問題になる発言だったが、現状ではそれも仕方がなかった。輸出が途絶えたために今年の年末に大規模なリストラを計画している企業が激増したのだ。中小企業にはすでに始めた所もある。
そして、戦時下であるいま最も需要のある品は武器弾薬と燃料である。ついで食糧と各種鉱産資源、特に鉄とアルミであった。
この内、燃料や資源は自給できない日本は輸出できない。となれば輸出出来るのは武器弾薬や機材となる。流石にコンピュータやジェット機のようなオーバーテクノロジーは輸出出来ないが、零戦や九十七式艦攻ぐらいならばエンジンを載せ替えた上で輸出できる。中東やアフリカ諸国へ輸出し、独立を支援してやれば、戦後の資源確保に有効かも知れない。
まあ、先にインドなどの有力な部隊の居るイギリス植民地をどうにかしなければならないのだが…
経済対策ばかり考えても仕方がない、会議に戻そう。
三島
「まあ、経済は戦争があれば荒れる物です。かのアメリカでさえ国を傾けかねないのですから。輸出については法整備を検討しておきますので。あと、ロシア…もとい、ソ連とイギリスに動きは無いのですかな?陸はともかく、海は手薄になっているいまイギリス海軍がシーレーンの妨害を行う可能性はありますからな。」
石破
「いまのところ自発的に動く気は無いようです。が、アメリカからの要請があれば動ける程度の準備はしているかと…」
林田
「かと、では困るのだ。もっとはっきりした情報が欲しい。油田やタンカーが攻撃されては困るからな。それと西岡君、国内の食糧状況はどうかね?」
西岡
「はっきり言うと悪いです。まず、海外からの輸入が途絶えたので小麦やオレンジ、とうもろこしは全滅。魚介類も鮭などは輸入に頼っていたので供給が止まっています。鮪も遠洋漁業が不可能なので貯蓄を少しずつ出してきましたが、それも限界です。自給可能なのは米と卵、薩摩芋ぐらいですね。肉類は自給率こそ50%ですが飼料の穀物が無いのでまもなく手に入れにくくなるでしょう。食糧生産上は満州を手放したのは痛手でしたな。」
林田
「しかし…いまさら再占領する訳に行くまい。それこそ戦後に叩かれるぞ。」
西岡
「まあ、過ぎた事はどうしようも無いですし北海道や耕作放棄地の開発で賄うしか無いでしょうな。今なら商社などを解雇された若者たちや満州からの引き上げ団が食い詰めているでしょうから少し援助してやればそう難しくは無いでしょう。」
財部
「満蒙開拓団ならぬ北海道開拓団かね?しかしこれ以上金は無いぞ、どこかの金食い虫がただでさえ少ない税金を食い散らしたおかげでな。」
財部はそう言うと石破をちらりと見た。石破はむっとして言い返した。
石破
「そうは言いますがね、戦争ってのは金を使うんですよ。これでも高いミサイルを使わないでなるべく安い銃砲を使うよう指示しているんですから。」
当然のごとく喋る石破に財部が反論する。この二人はいつもそうである。鍋島は、またかとばかりにうんざりした表情になった。二人に席を挟まれているために何時も唾をかけられた挙げ句、意見を求められるのである。
財部
「確かにミサイルの消費量は湾岸やイラクの時の米軍のそれに比べれば優等生だがね、これは何だね、これは!いらんだろう原子力空母なんぞ。第一、非核三原則は何処へ行ったんだ!如何に戦時下であるとは言え国民に知れたら内閣が吹っ飛ぶぞ!」
石破
「これ以上の節約はできませんよ!原子力空母だって今ある一隻では損傷とかのリスクに対して脆すぎるからであって軍国主義なんかではありません!」
財部
「同じ事ではないか!どっちにしても金を恐ろしく食うんだ!全く、補正予算を組むのが大変だったんだぞ…公共事業を停止しても戦費には追いつかず国民の福祉まで削ったんだからな。」
石破
「そんなに言うんだったら具体的に削減案を出して下さいよ。」
財部
「出せば従うのかね?」
石破
「内容次第ですな。補給の削減や調達中の機材を削ったりすれば受け入れられません。」
財部
「ふん、何だかんだ言って金が欲しいんだな。どう思う?鍋島さん。」
石破
「そっちだってそうだろう。未だに財務官僚の天下りがあるんだから。なあ、鍋島君。」
鍋島
「あの…農水相何ですがね…私…」
林田
「もういい!財部君、何とかして金を調達したまえ!必要ならば我々の給与カットでも良い。石破君は空母に続く護衛艦の建造の取りやめなりして節約に努めたまえ。」
石破・財部
「わ、わかりました…」
林田
「ところで、本当に英露は大丈夫なのかね?出来れば今すぐ動かせる戦力を知りたい。如何にロシア海軍が脆弱で、イギリス海軍も弱体化しているとは言え数で攻められれば些か不味いからな。」
石破
「ソ連海軍です、総理。現在、即時対応体制にあるのはDDが四隻、これは老朽化しているはつゆき級です。あとDEが八隻、旧軍の駆逐艦が十二隻です。計二十四隻です。その他に船団護衛にDDHが二隻、DDが八隻、駆逐艦が八隻、戦艦が二隻です。これらは第三護衛隊群の艦を含んだ数字ですが…第三護衛隊群は全艦復旧が今年の暮れになります。それ以降は船団護衛はDD四隻、駆逐艦八隻で行います。」
林田
「ふぅむ…その、駆逐艦や戦艦はどのような装備なのかね?」
石破
「えぇと…」
ぱらぱらと資料を捲り(めくり)始める石破。いかな防衛相+軍事オタクでもリアルタイムで変化する情報を把握しきれないらしい。
石破
「あ、あった(汗)えぇ…駆逐艦はむらさめ級に準ずる兵装を、戦艦はこんごう級に準ずる物を搭載しています。但し駆逐艦は一部がDDHやDDGに改装されていますが…」
林田
「うむ…それならば良い。で、だ。ソ連やイギリス海軍の動きは?」
石破
「はっきり言うとわかりません。と、言うのも現在、全ての衛星が運悪くインド洋やウラジオストク上空を通過できるルートに無いのです。修正にはまだ二日程かかる見込みで、短縮も出来ません。」
財部
「あれだけ金を巻き上げといてそれかね?」
石破
「仕方が無いでしょう。衛星は下手に動かすと軌道を外れて落っこちるか、どっかへすっ飛んで行ってしまうのですから。」
財部
「ふん、ならば何であらかじめ配置していなかったんだ?」
石破
「太平洋方面…アメリカとの戦争の為ですよ。史実ではそろそろエセックス級や月産空母が出てくる頃なんですから。いくら爆撃で遅れていても監視を外すわけにはいかなかったんですよ。それに最近ではごく少数ながらジェット機が迎撃に上がるようになり始めて危険性が上がった為に爆撃を中止も考慮しているんですからね。」
林田
「ともかく、なるべく急いでくれ。それと、漁船クラスの高速哨戒艇を建造して警戒させるのはどうだ?それならば衛星より高頻度に詳細な偵察が行えるだろう。」
石破
「そうですな。検討してみます。」
丁度その時だった。石破の携帯が鳴り出したのは。防衛省の連絡官からの直通電話の為、電源は切らない事になっている。
石破
「私だ。………………わかった、すぐ行く。」
林田
「どうしたのかね?」
石破
「パレンパンからのタンカー船団に空襲があり、七隻中三隻に損害がでたそうです。タンカーの機関故障で停滞していた所を狙われたとの事です。」
林田
「状態は?」
石破
「三隻の内、二隻は爆撃を受け炎上中、一隻は船橋が半壊し自力航行がぎりぎりできる状態です。炎上中の二隻は手が付けられないので放棄の許可を求めています。」
林田
「わかった。それと、護衛の増派を頼む。」
石破
「すでに零戦隊が向かっています。」
ここで言う零戦は「改良量産型」とでも言うべき物である。
エンジンをより大馬力の物に換え防弾性や携行機銃の強化を行ってある。
財部
「どこがイギリスは動かないだ。言ったそばから攻撃されたじゃないか!」
石破
「こんな小競り合いまで保証出来ませんよ。」
林田
「兎も角、今後この様な事が無いようにしてくれ。どうしても手が回らないのなら、ひゅうが級を回しても良い。」
石破
「わかりました。」
こうして防衛会議はだいたい終了した。実際はまだ細かい点の突き詰めがあり長引いたが方向性は決まったのである。
そして、またも動き出した戦況。イギリスのウォー・プランに対日戦は含まれているのか?それとも沈黙を守るソ連が動くのか?
分からない事ばかりの中、日本は、日本人は何処へ向かうのだろうか…
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