ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
約1ヶ月ぶりの更新になります。
高二になり、勉強が大変になってしまったためです。

お知らせ
アクセス数が20万を超えました!!これを記念してアイデア募集を行います。どうぞ奮ってご応募下さい。
上陸開始!橋頭堡確保なるか…
 一列に並んだ輸送船と強襲揚陸艦。
敵は航空兵力を持たない、あるいは即座に壊滅させられる程度の規模しか持っていないため揚陸には従来の揚陸艇や揚陸艦に加えLCACも使われる。流石にヘリは使わない。
 まず第一段階、おおすみ級三隻のLCACで10式戦車三輌を、エセックスのLCACから155mm自走りゅう弾砲に加え89式装甲戦闘車二輌を上陸させる。
89式装甲戦闘車は重MATの搭載により対戦車戦闘はもとより対舟艇戦闘も行える。
先行部隊が上陸したら第一次上陸隊を上陸させる。また、同時にレールガンによる支援砲撃も行う。



 いよいよ上陸開始だ。ウェルドックを持つおおすみ級やエセックスは艦尾のハッチを開放しLCACを海面へ解き放つのを今か今かと待っている。
そうでない船もビーチングに向けて自身の揚陸箇所の再確認を行ったり、ダビットから下ろした揚陸艇に兵員を下ろしたりと忙しかった。
 一方、米軍は…
真珠湾を守りの主眼においていた。真珠湾には太平洋艦隊司令部がある上、大規模な艦隊が停泊しているが…
陸軍にとっては、やはり艦隊の存在が大きいのだろう。戦艦などの大口径砲を持つ船はともかく、駆逐艦クラスならば支援砲撃ができる。が、海軍は真珠湾から出て艦隊を守ろうとしていた。何処へ行っても陸海軍の軋轢はあるものである。
   0620時
 横一列に並んだ揚陸艇のエンジンが唸りを上げ黒煙を吹き出す。LCACがハッチを駆け下り海上を猛スピードで疾駆する。
ゆら級をはじめとするビーチングタイプの揚陸艦も自らの上陸ポイントへ動き始める。
 と、LCACの元へ砲撃!
 データリンクにより砲弾の軌跡が伝えられると急旋回する!
直後弾着!!至近弾すら観測されない見事な回避であった。

「報告!敵揚陸艦より揚陸艇がおろされています!また、空母とおぼしき艦の艦尾に開口部を確認しました!」

「わかった。だが、此では手も足も出ん…」

 真珠湾の入り口には重巡インディアナポリスと空母レンジャーが大破着底している。レンジャーは空母不足を補うべく大西洋から回航されてきた船である。
敵艦隊に一矢報いようと真珠湾から出ようとした矢先にロケット攻撃を受けたのである。四発のうち三発はホップアップした後に艦橋や煙突に突っ込んできた。
これだけでも大破判定並みの損害を受けていたが、最後の一発がホップアップせずに第二砲塔脇の乾舷に命中したのだ。弾薬庫までは届かなかったが火災が発生した。それは余りに近すぎた…
必死の消火活動も虚しく火災は弾薬庫へと達した。弾薬庫への注水をしようにも指示すべき艦橋がすでに無かった。
いくら頑強な軍艦でも主兵装…この場合は主砲の、弾薬庫が誘爆すればひとたまりもない。たちまち真っ二つに折れてしまった。
 直ぐ後ろを航行していたレンジャーであったが急速転舵に全速後進と、取れる限りの回避策を取ったものの元々運動性に欠ける大型艦であり、なおかつ舵が効きにくい低速である。舵は役にたたず、スピードも殆ど落ちないままに衝突した。
 その結果、インディアナポリスの後部に乗り上げる形で止まり、無事だった後部の上部構造物がレンジャーの艦底をずたずたに引き裂いてしまった。無論、艦底を引き裂かれて無事には済まない。大規模な浸水が発生しダメコン班の必死の処置も虚しく浸水は広がっていった。
やがて浸水は機関室に達した。
消火活動の為の電力供給を断つわけにいかず機関は運転を続けており、機関科員はまだ退避が終わっていなかった。水の迫る轟音に咄嗟の判断で蒸気捨て弁に取り付いた機関科員もいたが最早手遅れであった。機関室に侵入した水は機関科員を押し流し、広い空間…ボイラーへと流れていった。
 機関科員を押し流しながらボイラーへとたどり着いた大量の水はボイラーの高温によって急激に熱せられ蒸発した。それはすなわち水蒸気爆発である。急激に冷やされたボイラーは圧力容器にヒビが入り出しており、耐えることはできなかった。たちまち高温高圧の蒸気が噴出し機関員を殺傷した。蒸気捨て弁が開放された事により圧力は多少下がっていたが焼け石に水、まだかなりの量が残っていたのだ。機関破壊により電力供給を断たれたレンジャーは排水ポンプを作動させる事はおろか消化用のポンプもまともに動かず、駆逐艦からの放水で火災を収めることになった。排水ポンプが作動しないため、放水によって艦内に入った水は艦の着底を早める結果になったが弾薬への誘爆に比べればまだましである。しかし、本当の悲劇は此処からであった。
 浸水を食い止める為に脱出が終わった区画から順に隔壁を閉鎖していったが、それは消火用の水が艦の上部にたまる結果を招き、トップヘビーという船にとって危険な状態になっていった。ただでさえインディアナポリスの艦体の上に載ってバランスが悪くなっているレンジャーであったが、この事でさらにバランスが悪くなった。そして、危なっかしいバランスに支えられた船体は一つの偶然から破局を迎えた。
 救援の駆逐艦は左右両舷から放水していたが何の偶然か右舷側から放水していた駆逐艦のポンプが故障し、放水が左舷側からのみになってしまった。日本の空母ならまだ良かったかも知れない。だがアメリカ空母は艦の側面に開口部がある。放水は其処に狙いを付けており、左舷側に大量に水がたまる結果になったのだ。
その結果、約二度の傾斜が生じた。普段であれば問題ない傾斜角だが、不安定な状態のレンジャーには命取りになった。僅か二度の傾斜ではあったが右舷側の水が左舷側へ移動するのには十分であった。右舷側から左舷側へと移動した水はさらに艦を傾斜させた。傾斜は十二度で止まったが、搭載していた航空機や艦を動かす巨大なボイラーが滑る様に左舷へと移動し、今まで耐えてきた船体も耐えきれずに左舷側へと倒れ始めた。

 数分後、海上には転覆し横腹を見せているレンジャーと脱出した兵士達しかいなかった。
 レンジャーやインディアナポリスの撤去は難しいものになった。漏れ出しているとは言え、空母も重巡も艦の燃料は大量に残っているし、弾薬も一部が残っている。
駆逐艦とは搭載量が違うのだ。下手をすれば艦隊や港湾施設に被害が出かねない。
結局、弾薬や燃料を運び出し安全量まで減らしてから処理する事になった。それが太平洋艦隊の命取りになることは誰も思わなかったが…


丁度その頃だった。揚陸艇や揚陸艦が動き出したのは。先鋒は10式戦車を載せたLCACである。後ろには155mm自走りゅう弾砲や装輪装甲車を載せたLCACと兵員を載せた揚陸艇、戦車は勿論装甲車や後方支援車両などを載せた揚陸艦が続いていた。
特にLCACはその機動性を武器にどんどん浜に近づいていく。銃弾一発で沈む危険があるにもかかわらず、である。敵も残っている機関銃などで迎撃して来るが従来の揚陸艇と違う動きに命中させられずにいた。
その間も進み続けたLCACは砂浜に乗り上げるやいなや戦車を下ろした。
最初に上陸したのは10式戦車であったが、それを見た米軍兵は目を疑った。何しろ自軍の新鋭戦車であるM4に比べ平べったく遥かに大きい。しかも、それは揚陸艇がゲートを開くなり有り得ない急加速…自動車並の加速で飛び出してきた。そいつはまるで余裕とばかりに居座っていた。実際は様子をうかがっていただけだが、それがさらに米兵の恐怖心を煽る結果になった。
突如として無事な陣地の一角からバズーカ砲が飛んできた。なかなか出ない発砲命令に恐怖のあまり勝手に撃った様だ。
放たれた弾は狙い通り砲塔に命中した。米兵達は敵戦車の撃破を確信したが、次の瞬間にはその確信は覆された。
爆煙の中からぬっと砲身が突き出され、続いて特徴的な平べったい車体が出てきたのだ。敵戦車は命中弾を受けたにも関わらず平然としており、落ち着き払った様子で構えていた。

 今までの日本戦車ではない…

 彼らのほとんどはそう思ったが所詮は『黄色い猿』が作った物、と舐めていた。勿論、それは大きな間違いである。その正体は約65年先の戦車である。そして彼らは手痛い犠牲と引き換えにその事を思い知らされる事になる。
戦車の砲塔が米軍陣地の一角を向くと巨弾を撃ち出した。決して比喩等ではない。彼ら米兵達にしてみれば駆逐艦の主砲に匹敵する戦車砲などは常識外れなのだ。彼らの知る最大の戦車砲は88mmライフル砲であり、130mm滑空砲を持つ10式戦車はまるで陸の戦艦の様に見えただろう。
もちろん、狙われた陣地はひとたまりも無い。跡形もなく吹き飛ばされてしまった。
 まさかそれなりにしっかりした作りの陣地が一撃で粉砕されるとは思わなかったのか一部の兵士が塹壕から飛び出し後方へ逃げていく。無駄とは知りつつも残って機関銃や手榴弾、小銃で白兵戦を行い少しでも多くの損害を与えようとしていた兵士達も次々と上陸する戦車や兵士の猛攻を受け、全滅したり陣地の放棄を余儀なくされていた。
 とは言え、自衛隊とて無敵ではない。
高射砲の水平撃ちに遭い車体は無事でも、衝撃でコンピュータが逝かれたのが二輌。運悪く手榴弾が履帯と転輪…要はキャタピラとそれを支える車輪との間で爆発し履帯が切断されて走行不能になったもの、LCACから飛び出した直後にタイヤに銃撃を受けパンク、横転した装甲車が数両、揚陸艇ごと迫撃砲の直撃を受け四散した兵士など、車両8輌が中小破、人員28名が殉職37名が負傷と小規模とは言うものの積み重なれば無視できなくなるだけの損害を受けた。
だが、橋頭堡の確保には成功した。言い換えれば上陸作戦で最も難しい部分が終わったと言える。内陸部への進軍は後方支援部隊の上陸と使用不能車両や負傷者を除いた再編成を待つ事になる。後にこの時間が米軍に味方する事になるのだが、もちろんその事は攻略隊には判るはずもない。

 米軍は攻略隊が停滞している間にどんな奇策を用意するのか?そして勝利の女神はどちらに微笑むのか?
それは神のみぞ知る。


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。