ほんとに愛してたよ(2/14)縦書き表示RDF


ほんとに愛してたよ
作:のんびり桃



第1話: 出会い


私小川明日美、17歳、彼、タキこと滝川和弘16歳のときに、二人は出会った。
出会ったのは、海岸沿いのファストフードの店の前。

数脚の椅子が並んだ、ど真ん中にタキは座っていた。
『偉そうに、何?こいつ?』
私のファーストインプレッション。 これ、正直な話し。

狭い街だし、タキのことはみんな知ってるみたいだった。
「あいつ、誰?」
あたしは、友人に聞いた。
「あ〜、タキだよ。 滝川和弘っていって、あんたと同じ高校じゃん!いっこ下だよ。」
ふーん、あたしと同じ高校なんだ。 それが最初。

でも・・・
あたしは、そんなこと言いながら、タキの偉そうな姿を見たときから、きっと、すんごい気になっていたんだ。

「おう、ミーちゃん!」
ふいに、タキがあたしに向かって言った。
『何?こいつ? なんで、あたしが<ミー>って呼ばれてんの知ってんの?』
そう心の中で思いながらも、言葉も出ずに、タキのこと見ていた。 口を開けて。

「ミーちゃんでしょう? 有名だからね〜」

なんて軽いの? なんで、あたしが有名なんだよ?

なんか、むかむかしたから、聞いてやれ!

「なんで、あたしのこと知ってんのよ?」

「そんな、攻撃的な顔しないで下さいよ〜。 だって、あの有名な中学校の出でしょう? で、そこで結構悪かったんだもん、知らない人、逆にいないっすよー。」

な、何〜? そうなんだ。
そうとは気づかなかった。 そう、私が出た中学校は、非常に悪かった。 新聞にも載ったし、数人家裁に送られた。 
でも、私は、そこまで悪くはなかったぞ! 

「そう。 でも、私はそんな悪いことしてないけどね。」
ちょっと、誇らしげに言った。

「おもしろいっすね〜」

え? 何も面白いこと言ってないけど? 

「なんか、ミーさん、面白い!」

笑ってる・・・ あたし、何もしてないのに。 なんで?

「ミーさん、電話番号教えて。」

「あ、うん。 これが、あたしの・・・って、なんで、あたしが、あんたに教えなきゃいけないのよ。」

「だって、きっと話が合うような気がするからさ。同じ高校だし。」

「あ、そうか。」

とういうことで、携帯の番号と、メアドを交換した。


家に帰ってから、何で、そんな理由で交換することになったんだっけ? と、腑に落ちないようなもやもやした気持ちでいると、ふいに、電話の呼び出し音が鳴った。

「はい」
「ミーさんっすか?」
「はい・・・」
「おれ、滝川です!」
「あー・・・」
「あー・・・って。 残念みたいな〜。 早速かけてみましたよ。」
「うん〜」
「ほんと、ノリが悪いですね。」
「だって、ノリノリでも、何でしょう?」
「ほんと、やっぱ面白い。 明日、学校で会いましょう!」
「そうね、学校で会うんだよね。」
「じゃ!」 ガチャ。

何?あいつ?
っていうか、何?あたし?
振り回されてる? 
ま、いっか。


学校の門を通り過ぎると、そこにタキが立っていた。

「おはよーっす」
軽いんだよ!
「おはよ」
「またまた〜、なんか、暗いっすね〜」
「別に、無理やり明るくしても、ヘンじゃないの?」
「無理はね。」

その時の笑顔が、私にズキンって来た。

やっぱり、あの海岸沿いのファストフードの前で気になったときのような気持ちが、間違っていないって、実感してしまった。

「今日さ、一緒に帰ろう?」
「え? 急に、何言うの?」
「いいでしょ? 一緒に帰ろう。」
「はぁ?」

何も、これっぽっちも進展してない二人が、どこに何しに行くわけ? あたしの頭は少々混乱気味だった。

「じゃ、3年2組の教室に、俺、迎えに行きますね!」
さーっと、走って行ってしまった。

えぇ〜。 
それでなくとも、あたしはクラスではちょっと浮いてるというか、特定の友達しかいなくって、若干怖がられてるのに。 また、下級の子が来たとかいうの、やだな・・・


そうこうしてても、下校の時間が来てしまって、タキも来ないし、この隙に帰ってしまおうかと思ったら、階段から・・・

「ミーさん。 迎えに来たよ! 帰ろう!!」

なんなのー。
マジで来てるし。 ・・・でも、少し、んーかなり嬉しいあたしがいた。

「わかった。」

きっと、頬が少し赤かったかも。


帰り道、二人で話しながら駅に向かった。

「あたし、バスで帰るし。」
「もう? じゃ、俺んちすぐだし、寄って行って。」
「え? いきなり、タキんちに行くの?」
「うん、いいでしょ?」
「・・・んー」

なんとなく、断る理由もなく、地元のタキんちに行った。


「あら〜、かわいいお嬢さんね。 カズが女の子連れてくるなんて〜」

ちょっと、ハイテンションな、でも可愛いお母さんのお出迎え。
そっか、タキのお母さんは専業主婦なんだ。 いいな・・・

「こんにちは。 初めまして、小川明日美といいます。 お邪魔します。」
そう言って、タキの部屋に通された。
案外すっきりと片付けられてて、びっくりした。


部屋の隅っこに膝を抱えて座っていると、
「ミーさん、付き合おう」
ふいに、タキが言った。
「え?!」
「なんか、俺ら合う気がしない?」
「・・・」
「付き合おうよ。」
「うん」

え?何で? って言う、心の声と、嬉しいって言う心の声が錯綜して、でも嬉しいが勝っちゃった。 
あたし、きっとタキのことやっぱり気になってたんだね。

そして、あたしたちは、その日から拙い恋をスタートさせたんだ。












ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう