ねこみみ強制隷従
俺の国で軍事クーデターが起こった。首謀者の名はとしあき。軍部のトップだ。
としあきは国内の反乱分子を一掃するために、国内の教養人を一斉「ねこ化」することを決めた。
としあきの兵に捕まり頭にネコミミをつけられた者は、たちまち従順なねこ少女になってしまう。
虐殺するならまだしも、いや、まだしもではないか。
しかしなんという変態野郎か!!
物理学者の卵である俺も当然標的だ。
やつの魔の手はすぐ迫ってきた。
早期に国外逃亡をはかるため、教授や他の研究者たちとの打ち合わせに大学の研究室に行くと、
そこには・・・
「あ、きよひこくんだ。おはよ~」
「あ~、きよひこくん!」
ねこの耳に・・・ねこの尻尾のついた・・・女の子たちが・・・
「ちょ・・・誰なんだお前たちは!」
もうだいたい察しはついていたが一応言ってみる。
「なにって、わたしはきょうじゅだニャ。まいにちあってるじゃんニャ~」
その中の一人が答える。こんなかわいいネコミミ少女が白衣。これは萌え、
「じゃない!なにやってんすか教授!まさかもう・・・て、何なんですかその図面は!」
「うん。としあきさまのつかいのひとたちがきて、しんがたのみさいるのけんきゅうをしろっていうから、それをはじめていたニャ」
これはヤバイ。もう研究室のみんなは制圧されてる。逃げなきゃ!
急いで部屋を出ようとすると、女の子たちに囲まれてしまった。
「どこへいくつもりニャ?はやくきよひこくんもなかまになるニャ。これをつけるととってもたのしいきぶんになるニャ」
その手にはネコミミが・・・
しかし相手は非力な少女。俺は成人の男。突破するくらいわけない!
俺は女の子の群れに猛烈に突進し、突き飛ばし、強引にかきわけていく。
「うニャア」
「いたいニャア」
倒された女の子たちが悲鳴をあげる。
が、かまってはいられない。
なんとかドアにたどり着く。後ろから女の子たちが追ってくるが、
足の速さには自信がある。部屋を出てしまえばこっちのものだ!
勢いよくドアを開けて飛び出すとそこには・・・
「なかまになるニャ」
「なかまになるニャ」
「なかまになるニャ」
「ニャ~」
廊下を埋め尽くす・・・無数の・・・ネコミミ少女が・・・
俺を見ている・・・手にはネコミミを持って。
やられた・・・もうこの大学内はすべて・・・
呆然と立ち尽くす俺の後ろで、
「つかまえたニャ」
と声がして、俺の頭に何かが載せられた。
チェックメイトか。最悪だ・・・・・・・・・・・・・ニャ。
俺は気を失った。
・・・・・・・・・・・・・・
「きよみちゃん。だいじょうぶ?おきて」
だれかがわたしをよぶこえがする。
このこえは・・・きょうじゅさんニャ。
わたしはめをあける。
「よかったニャ。きゅうにたおれこんじゃうんだもん。わたしびっくりしちゃったニャ」
わたしはきょうじゅさんのひざのうえにあたまをのせてねころんでいた。
みんなもしんぱいそうにわたしをのぞきこんでいる。
「ご、ごめんなさいニャ。わたし、なにかくらっとして」
「きにすることないニャ。なにかたいちょうがわるいのかニャ?だったらまだやすんでていいニャ。わたしたちはけんきゅうをすすめているニャ」
そうだったニャ。としあきさまのためにしんがたのみさいるのけんきゅうのさいちゅうだったニャ。としあきさまのためになんとしてもかんせいさせてさしあげるニャ。
「ううん。だいじょうぶニャ。としあきさまのために、がんばるニャ」
「えらいニャきよみちゃん。それじゃあつづきをはじめようかニャ」
きょうじゅさんにてをひかれ、わたしはしっぽについたゆかのほこりをはらってたちあがった。
<おわり>