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異世界創作の素 作者:読歩人
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爵位のネタ

 今回は、爵位です。なろう小説で主人公たちが駆け上がる出世ロードのアレです。魔族の前線指揮官を倒したら『男爵にしてやろう』『騎士に取り立ててやる』『娘をやるから王様ならない?』と押し付けられる主人公のなんと多いことか……


 さて、そんな出世ロードの必須アイテムである爵位ですが……いろいろありすぎて混乱しませんか? 貴族の称号であり序列があるぐらいは知っていても細かいことまで知りません。なので具体的にどんな地位なのかまとめつつネタにできそうな事柄を見つけていきます。

 とりあえず爵位ぽいものを羅列、

 王、皇帝、大公、公爵、侯爵、辺境伯、伯爵、宮中伯、副伯、子爵、城伯、男爵、準男爵、騎士爵……

 大体こんなものだろうか? 王や皇帝は爵位では無いとツッコミがはいるだろうが爵位を書くついでにまとめておく。でそれぞれの地位は王から勅許状を受けて認められる。なお王が交代したりすると忠誠を誓いなおして領地と爵位を認めて貰わないといけない。
 王様『お前らの領土を認めて守ってやるから税寄越せ。そして敬え』、貴族『領地を認めて保護してくれるなら税を払ってやる。だけど無茶振りしたら許さんぞ』と結構ドライ。重税を課し領地を取り上げようとした王様が、廃位させられたり議会制を認めさせられたり王政そのものを潰されたりすることもある(相続税九割とか無茶振りですよね?)。



○王(king):王国で一番偉い人。語源は”血族(kin)”。同じ土地に住み、同じ言語や風習を共有する民の長。王族と呼ばれる一族の最有力者が付く地位。敬称は陛下。

 重視されるのはどちらかといえば血縁であり、中世欧州では王の直系が途絶えた時、血筋が近い他国の王族(政略結婚が多いので欧州王家はほとんどが親類なのだ)を王に迎える場合もある。ただし言語・出身地・宗派さえ違う王を頂くと大抵混乱が起こる。

 なお異名が付き易い立場でもある。『獅子心王』『兵隊王』『勝利王』など格好良いのはいいが、『魔王』『狂王』『悪魔公』とか完全に悪役である。他にも『腰抜け王』『無思慮王』『背教者』にいたっては悪口でしかない。

 王の最大の敵は、国内の貴族達であることが多い。王は有力な貴族達から力を奪うために課税をしたがるし、領土を拡げるために戦争をしたいからだ。先代より受け継いだ土地は長男に残し、治世の間に侵略で得た土地を次男以下に分配するためである。まあ、国内貴族を取り潰してその領地を息子に与える王もいたが……総スカンを食らって廃位されたりする(実話)。

・王のネタ:強引な課税&外国への侵略をした”愚行王”が戦死した。沈みかけた国を再建するため貴族達が王に担ぎ出したのは、侵略された国の末王子だった。戦勝国の王子でありながら敗戦国の王になってしまった若王は、自らを傀儡にしようと暗躍する貴族や賠償金を要求してくる父王相手に奮闘する。後世”胃痛王”と呼ばれる彼は本当の王になれるのか!?(あれ? ネタのはずがテンプレ王道ものできそうな……)



○皇帝(emperor):帝国で一番偉い人。語源は西洋だと”ローマ軍最高司令官(imperator)”。東洋だと”自らの王(最初の王)+締める(昔は糸偏が無く、多くを束ねるの意)”。前者は元老院を軍事力で屈服させたカエサル(カイザーの語源です)由来であり。後者は乱立する諸王を軍事力で屈服させた始皇帝由来である。

 共和制の軍事最高司令官と諸王の中の王では少々立場が異なるが――多民族を軍事力で支配した君主として見れば方向性は同じである。皇帝に求められるのは軍事力なのだ。

 ちなみに帝国とは多民族・多宗教・多人種を抱え込みながら広大な領土を持つ国のことであり、民族単位の長である王が治める王国とはそこが異なる。そして多種多様な種族や文化を纏め上げるには軍事力は必須であったのだ。

 王に比較して皇帝は歴史が浅い。カエサル&始皇帝以前にも多民族・多宗教・多人種を纏め上げた大英雄はいたのだが概念が生まれなかった。アレクサンダー大王なんかもマケドニア帝国を造りはしたがアレクサンダー帝とは呼ばれなかった。

 上にも書いたが皇帝に求められるのは力である。ナポレオンにしろ歴代中華な王朝の皇帝にしろその根幹は軍事力ありき。王とは異なり血縁や血統は後から高貴な女性を嫁に迎えることで対処可能なのだ。

・皇帝なネタ:力こそが正義を地で行く皇帝の悲劇。上にも書いたが皇帝は、王に比較して軍事力優先で血統は二の次の地位である。結果……後継者争いが深刻化しやすい。王の急死などで後継者指名がなくても、王国ならば擁立されるのは精々が二、三人である。しかし帝国はスケールが違う!! なんと数十人の皇帝が乱立するのだ!!(これも史実)。
 百の皇帝が争うマッキ帝国に生まれた少年は、この争乱を治めるべく皇帝退治の旅に出る。『ノーモア皇帝』を合言葉に皇帝狩りが始まる。最初の標的は、皇帝を自称する父親だ。



○公爵(duke):爵位の一番上の人。語源は、ローマ帝国独自指揮権保持者(dux)、皇帝が最高司令官なことを考えると軍団長といったところか。敬称は閣下。

 中世欧州では、王に匹敵する貴族の最高位。公国などは公爵(王ではなく貴族)が君主として治める国となる。なお強大な異民族の長を一方的に公爵相当として交渉する場合もあったりする。王に匹敵するが王と見なさない、といういじましい努力である(対等に扱ったら負けという根性)。

 この公爵、王に匹敵する者を自国の貴族として封じるための爵位なのだが、国が衰退すると問題が発生しやすい。例としては、侵略併合した国の元王族を公爵として封じたが、後年王家が衰退した隙に公国を名乗って再独立されてしまったなど。つまり王としても蔑ろにできないし油断もできない大貴族……それが公爵なのだ。



○公爵(prince):爵位の一番上の人……何故また公爵が? と疑問に思った人、あなたは正しい。こちらは同じ公爵でも軍事的に王に匹敵する貴族ではなく血統的に準ずる貴族の爵位である。分かりやすく言うと王子・第一王位継承者・殿下とか呼ばれる王族に与えられる称号。語源は、ローマ帝国元老院第一人者(princeps)。上記の公爵が軍事的有力者ならこちらは政治的有力者。

 欧州では上記の公爵とこの公爵は別物なのだが明治政府が和訳する時、両方とも公爵にしてしまったのだ(面倒なことである)。なおこの二つの公爵は、時代地域により上下関係が異なるので更にややこしい……

 プリンスな公爵は、君主という意味も持っているが一応、王ありきである。王が生前のうちに王家の領土を王太子に任命した子供に継がせるときなど『プリンス・オブ・(地名)』となり『(地名)公爵』と名乗ることなる。形式的な爵位で軍事力や金銭的な意味ではデュークな公爵に劣る場合も(あちらは半独立領に近くこちらは王の庇護下での権勢)。

 王のところでも書いたが、王は先祖伝来の土地は長男に継承させ、侵略などで新たに得た土地は次男以下に分割して継承させることで王族の力を高めようとする。長男は王子→公爵→国王となり、次男以下は王子→公爵(臣下)として新たな公爵家を起して更なる繁栄…………といきたいところだが現実は中々厳しい。そうそう新しい領土は手に入らないし、三人の息子に公爵領を与えたら結託して反乱を起された王なんぞもいる。結局こちらの公爵も油断できないのは同じ(物理的骨肉の争い)。



○大公(grand duke):公爵の進化版。語源は、偉大な公爵(grand duke)……分かりやすい爵位だ。通常の公爵より上の爵位。公爵でも王に匹敵する爵位なのにそれ以上とかインフレ。敬称は閣下。

 この爵位、並みの公爵より更に一段階抜きん出た者が自称したことに始まる。大公なんて呼ばれるにはよほど力が必要……というかそれだけの力を手に入れたから大公を自称し認められたというべきか。

 例えば、複数の公爵位を継承した者(欧州王家は政略結婚が多いため複数の国家に跨って爵位を持つことがある)、王の叔父など分家の当主(王族全体で見れば年長者にあたる)、王家以上の権勢を誇る公爵家(王家は風前の灯である)。



○侯爵(marquess):語源はドイツの辺境伯(markgraf)、辺境地区の伯爵から。この辺境とはつまり他国に接する国境地帯のことだ。他国からの侵略に備えるため軍事指揮官の権限を有しており普通の伯爵より大きな領地もった存在なのだ。敬称は卿。文句無しの大貴族。

 重要な地域を任せられた軍事力を持つ爵位と言える。四方を敵に囲まれた国ならば、東西南北四人の侯爵が任命されることになるでしょう。緊急時には周辺の貴族達に対する軍事的指揮権を有しているかもしれません。地方派閥なるものがあるならそのトップとして君臨する存在です。

・侯爵のネタ:王の地位を巡って第一王子と第二王子が内戦を始めた。イガイタイ侯爵には両陣営から協力要請が何度も送られてくる。しかし敵国が内戦の隙に侵略の準備を開始した。内戦の早期決着のためにどちらかに協力すべきか? それとも侵略に備えるべきか? 他の貴族の動きは? お家安泰のためには勝ち馬に乗らなければ……今日も彼は胃薬を手放せない。



○伯爵(count):語源は、君主とともに歩く者(comeo)、王の側近である。この爵位は、最初の爵位と言えるもので、他の爵位はこの爵位からの派生系や区別するために生まれていった。例えば公爵は王とは違う部族の長(王に匹敵する者)を封じる場合、伯爵は国王と同じ部族の者を封じる場合と分けて用いられた。敬称は卿。

 伯爵は貴族の爵位の基本である。王の側近として各地へ派遣された総督=地方行政の責任者なのだ。領地から税を集め王に納めるとういう国の根幹をなす徴税システムの始まりだ。最も任命してから時が経つと地元との結びつきを強めて『側近? 何時の時代? 何代前ですかそれ』となるのだが。力をつけ過ぎると侯爵や公爵を自称して周囲が追認するはめになったりする(特に大都市周辺を任された伯爵の躍進は凄まじい)。

 そして王の側近である伯爵だが当然ながら、地方行政があるならば中央行政もある。現代日本で言えば大臣だ。宮中伯を筆頭に様々な伯が生まれた(帝領伯、王領伯、地方伯などなど)。なおこちらは領地による自力が無いため、領地持ちの諸侯との争いに敗北すると没落まっしぐらである。

 王に意見できるような宮中伯もいれば、領地を借金の担保に入れるような貧乏伯爵までなんでもありだ。一番上下の幅が大きい爵位と言える。とりあえず貴族を出したいなら伯爵にしとけば後からどんなキャラにしても許されるだろう。伯爵として登場させた後、こっそり辺境伯だったとかすれば侯爵級の大貴族である。

・伯爵のネタ:トアル伯爵とドコカ伯爵令嬢が恋に落ちた。しかし同じ伯爵家ながらトアル伯爵は没落宮中伯であり、令嬢は北の大貴族であるドコカ辺境伯家の一人娘。『出世して彼女に相応しい地位を手に入れてやる!!』万魔殿たる宮廷で男は愛のために戦う。立ち塞がる上司! 地方貴族と中央貴族の婚姻を認めたくない王! そして突然現れる親が決めた婚約者!! 最後の敵は辺境伯家当主!!



○子爵(viscount):語源は副伯(viscount)、伯爵の補佐役である。まんま伯爵の助力をするための伯爵。伯爵令息が爵位を継ぐまで名乗る爵位だったり伯爵家の分家の当主が名乗ったりする。敬称は卿。

 侯爵級や有力な伯爵などの子弟や子分に配すると派閥の厚みを出せるだろう。もしくは実は大物のキャラクターを、読者に小物とミスリードさせたい場合も使える爵位である。例えば、子爵と名乗っているが実は、侯爵の息子であるとか(本来ならば侯爵令息であることを隠したい)。

 仕事としては、伯爵などの下で小都市(都市伯)や城(城伯)の管理を任される。伯爵や侯爵が地図上で面の領地を持つなら、こちらは文字通りの”点”である。他にも伯爵が宮廷闘争に励んでいる時に、地元で代官をしたりする(地方行政の官僚ですね。もちろん宮中で働く子爵もいます)。

・子爵のネタ:貴族を名乗りながらも中間管理職であるテシタ子爵。ジョウシ伯爵から無理難題を押し付けられる日々だ。『贅沢したいから税収を上げろ』』『美女を集めてハーレム作れ』『反乱起こしたいから軍を集めろ』……もう限界だ!! テシタ子爵は、ジョウシ伯爵を失脚させつつ自分が後釜に座ることを決めた。幸い悪事の証拠は山ほどある。国内のバランスを崩しかねないこの情報を誰にリークすべきか……?



○男爵(baron):語源は自由民(baro)、独立した一人前の男ということである。領地を持つが伯に列せられない小貴族達の爵位。村や町を治めるその他大勢の貴族だ。地域や時代によっては貴族と扱われないことさえある。敬称は卿。

 騎士と主従関係を結び、情勢に応じて王・公爵・伯爵などの有力領主たちの陣営を乗り換えたりする(時には国も乗り換える)。大企業に振り回される中小企業経営者とも。だが彼らは地元の豪族であり強かだ。例え主家が滅びても新たな主に忠誠を誓い彼らは生き延びる。

 なおこの爵位も中央行政の官僚に与えられる。宮中貴族ともいい、金銭で売買された例もある(準男爵)。こちらの領地持ちの男爵と異なり一代限りの爵位であることが多い。

・男爵のネタ:王家に金を貸したら『爵位で返す』と踏み倒されてしまった商人ロイン。このままでは丸損だ。一代限りで領地も貰えない”男爵位”を使って何とか利益を出さなければならない。宮廷に勤めるか? 身分違いの恋に燃える平民の青年に売りつける? いっそ自ら大貴族に婿入りを狙うか……ちなみに爵位が売買されるような国は傾いてると見ていいです(実際に売買された準男爵の場合、最初1000ポンドが数年で200ポンドまでに急落するなどなかなか酷い)。商人改めロイン卿の明日はどこだ!?



○騎士爵(knight):語源は、従うもの(cniht)、君主に仕えるものというところか? 騎士のネタでも書いたが最底辺の貴族である。男爵と同じく時代と場所では貴族に含まれない。詳細は騎士のとこみてください。敬称は卿。

 他の貴族に仕えて給料を貰う、職業軍人。雇い主は、王から男爵まで様々。王から叙勲されれば騎士爵と胸をはれるだろうが、戦闘技能を持ち馬&鎧など装備を維持できるサラリーマンだったりする。

 誤解の無いようにして記しておくが男爵に仕えている騎士は、別に男爵の上の王に仕えているわけではない。他の貴族に仕えている騎士に命令するのは、別の会社の社員を働きさせようとしているものなので非常識な行為である。



追記

 異世界なのだから異世界独特の爵位があってもいい気がする。
 魔法使いがいる世界なら宮廷魔術士にも専用の爵位をつくるとか。

○魔法伯(wizardcount):魔法使い+伯爵。領地を持たない宮廷魔術士に与えられる爵位。一代のみで格は大臣に匹敵する。

 魔法ではなく異能・ギフト・天性と呼ばれる生まれつきの能力持ちには。

○天恵伯(giftcount):贈り物+伯爵。異能者を国で抱え込むための爵位。国外への移動を禁じ王領内での居住を許可(強制)される。

 神の祝福なら宗教組織に抱え込まれる前に確保するかな?

○聖伯(saintcount):聖なる+伯爵。神の使徒に爵位を与え王権神授説を強化しようとする国が考えた爵位。王族と婚姻関係を結ばせるための下準備とか。

 どちらかというと称号的な意味での爵位になりがちか? 魔王を倒した勇者に与えられた称号と爵位とかあれば後の世で重宝されそう。征夷大将軍とか元々、東日本侵略の大将に与えられた官位、そのうち幕府を開く武家のトップの官位になる。

○討魔大伯(grandsaint):偉大なる聖伯。魔王を倒した勇者に送られた爵位。後々、国内における使徒の最高位に送られる爵位になる。最終的には宗教組織と協力することにより王家以上の権限を得て宗教国家の指導者に……

 うむ、異世界っぽい気がしてきた。他にも辺境の竜に爵位を送って王家の権威付けとかするかも。ほら、日本で山の神様に官位送って鎮撫したように。

○竜伯(dragoncount):竜の伯爵。とある国が、縁を結んだドラゴンに贈った爵位。ドラゴンを爵位に封じて己の国に箔をつけようとした。この爵位を送ることにより竜の巣一帯は自国の領地だと言い張る目的も……なおドラゴン的には特に不都合が無いためどうでもいいやという感じで爵位を受け取った。
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