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金太の超カオス・レビュー 作者:金太祭り上げられる

『マスエフェクト3』:ゲーム

 『マスエフェクト2』は細かい欠点はあるものの、ゲーム史に残る傑作だった。そしてマスエフェクトサーガ最終章である『マスエフェクト3』が満を持してやってきた。銀河の運命は一体どうなってしまうのか? こいつは瞬きする暇がなくて眼が乾きそうだぜ!……ということは結論から言うと無かった。いや、なかったこともない。冒頭の地球へのリーパー(有機生命体滅ぼそうと企んでいる機械生命体の種族のこと)襲来からパラヴェンまでは、息つく暇もなくストーリーと戦闘が展開されてひたすら圧倒されていた。
 遂にリーパーとの決戦が始まった……! そう期待させるに十分な出来だったと思う。だがその中でちょっとした不安というか、不満が吹き出していた。
 操作しにくい! 今回からは前作までになかった前転などの回避行動や物陰から物陰への隠れながら移動、といったアクションが追加された。一見いいことのように思えるが、これらのアクションが全て×ボタンに割り振られているため、至極操作がしづらい!
 物陰に隠れようと思って何気なく×ボタンを押すと、訳の分からぬ前転をするし、怪しい場所を調べようと×ボタンを押しても前転するし、ダッシュしようとしても盗んだ前転してから走り出す。
 前作は基本的に銃撃戦だったが、3からは敵が近づいてくることが多くなったので近接攻撃が強化されたり、ダッシュが速く長時間できるようになったり、先のような回避行動が加えられたのだろうが……
 暴発する回避にちょっとウンザリ。最も回避なんてそんなに使うゲームではない。やっぱり今作も銃撃戦がメインなのだから、回避はなくても良かったのでは? ちょっとゲームの方向性を見失った感じだ。上手い人は対応できるのだろうが、とにかくこの回避暴発がうざかった。壁の影に隠れようと思ったら前転して壁からコンニチワで銃弾の手厚い歓迎を受けることになろうとは……
 あと、主人公のクラスはソルジャーを使っているのだが、このソルジャーのスキルで時間を遅くできる、というのがある(正確な説明ではないが、だいたいそんな効果)。これの使い勝手が大分2と変わっていて、ちょっと戸惑った。別に同じでもいいと思うのだが……
そして装備がクラスごとに決まっていたのが完全に自由に。より自由な戦闘スタイルを構築できるようになったことはいいことだと思う。ただ、重量制限が少し厳しすぎると思う。重量をオーバーした場合のペナルティが戦闘スタイルによってはかなり足かせになる。ソルジャーも2ではサブマシンガン以外の全ての武器を持っていけるというアドバンテージがあった。それゆえ他のクラスではありえないほど豊富な武器の種類、弾数があり、武器の強さを一番実感出来た。ところが、今回のソルジャーはスキルもパッとしないうえに持っていける武器まで厳しい制限を受けてしまう。しかも筆者の大好きなショットガンとスナイパーライフルは概ね重たく設定されている、ていうか重すぎ! 武器のレベルを上げていけば少しずつ軽くできるのだが、それでもしれてる。しかも武器のレベルが一周目は5まで、ていうのが……二周目以降は10まで改造できるそうだが、なぜ一周目はダメなの? バランス崩壊するほど強くなってしまうのだろうか。
 武器のレベルアップにも不満が残る。『2』では、まずアップグレードの技術をミッションで入手するか店で買うしかなかった。そしてミッションで入手した技術はそれだけでは武器のアップグレードは行われず、アップグレードに必要な資源消費することで技術を研究して、ようやくアップグレードが完成する。当然ながら資源は貴重で、集めるには単調でウンザリする資源採掘ミニゲームを行う必要があるから、当然ながら慎重に選びに選んで迷いながら、でも銀河のために苦渋の決断をようやく下してアップグレードすることになる。それだけに、アップグレードで強くなったのを実感できたときは喜びもひとしお。そう思うと、あの退屈なミニゲームも必要悪だったと思えてくる。
 それだけ大変だった『2』に比べ、『3』では、船内から、いつでも、お金を払だけでアップグレードできるようになった。だがこれが、達成感がないのだ。しかもアップグレードしても何の効果音も演出もなく、「強くなった」という実感、ありがたみがまるで湧いてこない。ただし、『3』から新しく加わったモジュールという追加機能を付与するシステムは良かった。もうちょっとアップグレードとモジュールとの差別化が上手く行われていれば、とも思うが、選ぶ楽しみはあったし良かったと思う。あと、武器に関しては『2』にあったヘビーウェポンが消えたことも痛い。『3』では戦場で拾って使い捨てる形式になったが、重量級の敵が出てくる今作こそ、むしろヘビーウェポンの出番ではないだろうか。むしろ強化&増加して欲しいくらいだった。
 『2』からの細かい改善点として目についたのが、船内から全てのショップにアクセス出来る、というものだ。『2』の欠点もそのままに、今作『3』でも相変わらずロードが長いのでこれは大きな改善点だった。ただし、店がシタデルという場所にしかなかったという改悪点もあるため、相殺したらゼロだよ。
 ショップの改悪もそうだが、全体的に『2』より行ける場所が少なくなったような気がする。『2』にはいろんな町や惑星があり、メイン以外のサブミッションも豊富にあり、銀河を探索する気分が味わえた。それが今回ゴッソリ削られている。もちろん、その分「リーパーとの決戦」に容量が割かれているのならば仕方ないのだが、別にその決戦もそこまで容量を使っているように思えない。ただ単にゲーム全体のボリュームが少なくなったような気がする。これはクリア時間にも表れている。『2』では全クリまで40時間以上かかった。一方『3』は30時間弱でクリアした。いくら『2』が資源発掘ミニゲームなどで内容の水増しがしてあったとしても、10時間も資源採掘をしていたとは思えない。『2』で行った場所がリーパーに破壊されていれば「おのれリーパー、許すまじ!」となって盛り上がったんじゃないかと思うのだが……オメガなんか舞台にすれば面白そうなミッションを作れたはずだ。そしてサブミッションが少なすぎる…… 『3』はそこらへんをスキャンして『戦闘資産』(遭難した特殊部隊とか置き忘れられた機械とか)なるものを得る。これもスキャンするとリーパーもとい宇宙イカがやってきて触れると即ゲームオーバーという厳しい判定。前作みたいにキャラに助言もらって船を改良できたら良かったのに。スピードアップとか、燃費アップとか、燃料容量増加とか。んでその『戦闘資産』というのがよく分からない。戦闘資産を得るために、遭難した特殊部隊を救出する、とかいうミッションを作れたと思うし、そのほうが「決戦へ向けて準備している」感があっただろう。ゲームのメインミッションは基本的にこれを増やしてリーパーに対抗する戦力を整えるために行うのだが……途中とくに戦闘資産が反映されるようなイベントもなく、なんだかなあ…… 結局ミッションはシェパードと仲間二人を選んで連れていく形式で、ちょっと「決戦してる」感がなかった。仲間キャラが減ったことも大きい。前回より少なくなったキャラで「さあ、決戦だ!」と言われても中々厳しい。
 そしてけっこう痛いのが敵キャラの使い回し。前回は仲間を集めるためにいろんな種族とも戦うことになったし、ロボットの『メック』もいてバラエティ豊かだった。ただ、今回の敵はリーパーである。最初から最後までリーパーなので、一通り敵クリーチャーが出そろうと、あとは最後まで同じ敵との戦いしかない。サーベラスも敵として登場するが、こっちもだいたい同じ敵と戦うことになるから、「ああ、またこいつらか」という感じになる。そして一部の敵がメチャ強い! 強すぎてバランス崩壊するくらい強い。瞬間移動で近づいてきて掴まれたらHPマックス、シールドマックスでも一撃で天国へご招待とかちょっとおかしいと思った。自分は何とか対応できても、仲間はかわいいAIが操作しているので次々と掴まれて散ってゆく。
 そして物議を醸したエンディング……途中から「ちょっと風呂敷広げすぎなんじゃ?」と思っていたが、エンディングはその影響だろうか、もはや収集がつかなくなっていた。ただ、思ったより受け入れられた自分がいた。多分、まだ一周目だからだと思う。エンディングについては大きく分けて3種類あるらしく、まだ2種類は見てないわけだ。しかし、ネット上の評価によれば「どれもあまり変わらない」らしい。要するに、どれも(ほぼ)バッドエンドで、結末もうやむやなまま終わってしまう、ということだろう。少なくとも自分の見たエンディングはそうだった。ちょっと曖昧すぎるエンディングだと思ったが、まあ、そんなものではないだろうか。ただ、これが3部作のエンディングにふさわしいかと問われればかなり微妙……一応無料DLCで補完するらしいから、そっちでどれだけ改善されるか期待。バッドエンド=悪いとか思わないが、ここまでプレイして結末があまりに曖昧で、100%納得できるバッドエンドではなかった。半分くらいしか納得できなかった。
 そして比較的どうでもいいオンラインプレイ。やってみると意外と面白い。外人が多く、たまに向こうの英語が聞こえてくる。英語力に自身のある人はヴォイスチャットしてみてもいいかもしれない。基本的にオンもオフとやることは同じだが、異星人を操作できるようになっているのでそれだけでも面白い……と思う。というのも最初は人類しか操作できず、ロックを解除して異星人が選べるようになるからだ。ただ、その解除の仕方がいわゆる「ガチャ」方式なのは納得いかなかった。ゲーム内マネーで引けるので良心的だが、運要素が絡んでうっとうしい。だが、全体的には思ったより出来が良く、友達とやればハマれそうだと思った。友だちいないけど。いてもマスエフェクト自体が日本でマイナーなので誰もやってないという……もっと洋ゲーの面白さが普及して欲しい。
 なんだかんだで愚痴ばかり書いたが、それだけ面白いシリーズなのでもったいなかったから、これだけ不満を書けたのだろう。それに、確かに不満も多々あったが最終的にはプレイして良かったと思えたゲームではある。映画的な演出、ストーリーの盛り上げ、グラフィック、どれも良かった。特に途中の選択には、どれを選んでも何かを犠牲にすることになり、決断も悩むし決断したあとも「本当にあれでよかったのか?」と思わせるあたり、ただのシナリオではない。プレイヤーが直接、銀河の問題に介入している感覚が味わえた。ただ、ゲームとしての要素要素のまとめあげ方が、前作より少し大雑把になった。そんな気がする。クソゲーというより惜しいゲーといったところか。
 もうPS3やその他現行機の性能では『マスエフェクト3』の内容を表現しきれなかったんだと思う。もし次世代機で『3』が大幅リメイクされたら、ぜひ買いたい。
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