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愛(かな)し。

作者: 河野夜兎

 色褪せた畳の上の粗末な万年床。部屋中に捨て散らかされた紙の山は彼の苦悩だ。

 そんな苦悩の証に埋もれながら、私の身を激しく貪る彼。その唇から零れる熱を纏う言の葉は容赦なく私の身を、心を奮わせ、いとも容易く深い快楽の淵へと引きこむ。

 果てた私の身を包み彼は愛を囁くが、

「あなたは嘘吐きだから」 私は慟哭を押し殺して小さく呟いた。

 彼が一番に愛するのは私ではなく、ペンに魂や情熱を込めて書く芸術「小説」なのだから。

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― 新着の感想 ―
[一言]  好きな人の気持ちを全て独占したいのはいつの時代でも同じ。  人間ならば話が通じるだけ幾分かましとは言えるが、相手が相手だけに略奪愛とかは難しい。  強敵に挑んでしまいましたね。彼女が全てを…
[一言] とても切ないです。 彼女より作品だなんて間違っている! けど、これが彼氏の作品に対する情熱でもあるのですね。 攻めたくても攻められない、そんな乙女心を男である私に教えてくれる作品でした…
[一言] 僕はフェミニストではありませんが、女性はいつの時代もこんな悩みを持ち続けているのかなぁって思いました。 「でもそんなあなたが好き」みたいになればケータイ小説のノリになってしまうのでしょうがw…
2010/07/05 00:12 退会済み
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