110910 総集編挿入の関係上7-7と7-8を統合しました
第七章 進む日常、始まりの時。
第094話 7-7 進む日常、始まりの時。(終)
一応の誤解を生徒会メンバーに解いていたその時だった。
「ユウジユウジー」
「ああん? なんだよ」
「あー、ぼくもこんな美少女だらけの生徒会に入りたいなぁ」
今までの空気をガン無視してユイがそう言い放った。
「はは……それはタチの悪い冗談だな」
この空気でそんなこと言うなや!
「冗談なんかじゃないぞ。 この生徒会に居るユウジは……とても元気だ」
! ……そうかもな、内心は楽しんでいるんだろうな。 こんな明るく会話の絶えない生徒会。
そんな中でいやいや言いながらもボケにすかさずツッコミを入れる。 こんな楽しい時間が他にあるだろうか。
クラスとも家とも違う、そんな空間がここにはあった。 個性的な面々が紡ぐ愉快な物語。
ふ、俺ってばツンデレだから今まで気づかな――
「な、訳ねーだろ」
へっ、そんなこと想ってたまるかよ! 冗談。
元気だぁ? そりゃ俗に言う空元気ってヤツですよ! やってられないッスよ、この空間でツッコミしてないと!
それに明るい? ……ナイスジョーク(笑) 書記さんとかめっちゃ陰湿だし、姉貴はねちっこいし、会長はちっせぇし!
ああ、疲れるだけのこの生徒会になんで入ったかなぁー? てか拉致されたんだったな、うん。
ぶっちゃけまだ部活をエンジョイした方が良かったわ!
「そうね、ユウ。 あなたを部活でエンジョウさせるべきだったわ」
「燃えるんですか!?」
くっ、心詠み……これだから心の中でも気を休める暇はないな。
この高校に入って1月経たぬ間に拉致され、いきなり副会長補佐代行とかさ……。
いや、姉貴さん。 拉致せず誘ってくれたら俺はもっと違う反応をしたかと思われるですよ?
そしてこんな時に思い出すフレーズは――
『クソゲヱじゃからな!』
うん、その通り。 拉致とかさ、色々古い上にやられる側はちょっとした恐怖だぞ?
……そういえば、俺何回か首ぶっ叩かれて気絶させられてるけどさ。 調べてみたら、一回では気絶なんてしないんだそうだ。
つまりは一回の首チョップにどれだけの衝撃をこめてるのかと、皆に問いたい。
「巳原さんはなんで、生徒会に入りたいと思ったの?」
書記のチサさんが何故かユイに食いつく。 ……このままフザケタ発言して失脚してしまえ。
「生徒会活動というものと第一に貴女のような方々と時間を共有したいからです!」
なんて素直だ。
……これはオワタな。 ユイの夢潰えたり~
「特に貴女のような妖艶な空気を身に纏う絶世の美女との時間を共に!」
うわ、くっせぇ。
「巳原さん採用」
ええっ!?
「素直は良いことよ、それにしっかりとした目的もあるようだし」
いやいや「しっかり」という表現は色々な物や方に失礼だと思うぞ!?
ようするに「生徒会の活動にも興味あっけど、美女と過ごしたいから生徒会入るー」てことだ。
この目的には浅さしかない。 既に地が見える程に薄い。
「はい! ありがとうございます」
と、お礼を言った次の瞬間に会長がババンとテーブルを叩き。
「それでは、今日は生徒会メンバーが新たに二人増えたから。 自己紹介をしよう!」
会長もさっくり認めちゃうのかよ!
「え、こほん……ここで新しく入った生徒会役員を紹介します!」
バァンと生徒会テーブルを叩いて立ち上がった会長はそう叫びます。
「まずは……巳原ユイさん! 役職は――どうなのチサ?」
「書記補佐よ」
!?
「……書記補佐を務めることなった巳原ユイです。 どうぞよろしくおねがいします」
「えっ? なんでお前が書記補佐に?」
「今決まった」
「NOW!?」
てか、ということはチサさんの発言で全て決まったというのか……なんぞこれ。
「じゃ、じゃあ……オルリス=クランナさん! えーと……」
「雑務総指揮ね」
雑務なのにこころなしかカッコいい!? ……てか生徒会に雑務ってオルリスが最初だよな?
てことは指揮される側が思い切り不在なんじゃ――
「オルリス=クランナです。 よろしくおねがいします!」
頭を下げるごとに、長い金髪が大きく揺れます。 ああ、綺麗な髪ですこと。
「……はぁ」
そんな脇を一人ため息をつくユウジ。
まぁ気持ちは……分かるような分からないような。
「以上が新しいメンバーだからね、みんな仲良くするんだぞ!」
なんとも会長らし……いや、小学校の先生みたいな言葉で締める会長だった。
「それでここのメンバーはね! まずは私は会長! この藍浜高校の会長! すっごい偉いよ、理事長の次ぐらいに偉いよ!」
「校長を超越しただと……この学校はどうなってんだよ!」
そうユウジがツッコミます……ということで、出番は無さそうですし私はツッコミを自棄することにします。
「藍浜校長生徒会、生徒会長”葉桜アスカ”だよ! 会長様とお呼びなさい!」
そういえばそんな名前……って物凄いナルシスト!?
「会長……様?」
オルリス、純粋過ぎます……。
「メイド様!」
誰だメイド様って言った奴……ってユイか。 なぁーんだ、ふぅーん。
……なんですか、その反応。
「じゃあ、藍浜高校生徒会、副生徒会長”下之ミナ”よろしくね! オルリスさん、そしてユイちゃん」
姉貴が真面目に応答していた……俺の時とは偉ぇ違いだ。
「は、はいっ!」
「はい、ミナ姉……いえ、副会長!」
ユウジ姉、なんか久しぶりに真面目なことを喋った気がするのですけど……気のせいですよね。
「そして、藍浜高校(ry、書記”紅チサ”よろしくね、オルリスさん、そして改めて巳原さん」
「よろしくおねがいします!」
「はい、紅さん!」
あ……もう一つの世界では、ちょっとシナリオが違いましたね。 いけないいけない、ナレーションミスするところでした。
「そして藍浜(ry、会計”福島コナツ”よろしくなっ!」
「こちらこそ、よろしくおねがいします」
「夜露死苦ゥ!」
もう死語どころじゃない気がします。
「更に(ry、副会長補佐”下之ユウジ”よろしく……な?」
「……!?」
「よろー」
……ユイの挨拶が次第に軽くなっていくのは気のせいでしょうか?
あれ、なんかオルリスさんが驚いてますね……心読んでみます。
「(シモノですって! ……あの下劣な男と、副会長の名字が同じですわ! まさか、いえ、そんなことは、ない、はずですわ)」
残念ですが、彼らは立派な姉弟です。
「(それにしても似ていませんわね)」
あー、それは私は思います。
「(普通と美女じゃ全く釣り合わないですわっ!)」
地味に酷い言い方ですね……。
「うーんと、今休んでる生徒会役員はまぁいっか……ということで生徒会メンバーの紹介が終わりました! これから1年間仕事を共にするんだから皆、仲良くね!」
まーた、小学生の担任みたいな締め方ですね……
「紹介が終わったので、今日はすることなし! ということで今日の生徒会、終了!」
えええええええ!? これで終わりですかっ! ユウジと福島を待っていた役員の時間は殆ど無駄じゃないですか!
「お疲れさまでした」
次第に帰り始める、役員達。
「(えっ、えっ! もう終わりですの!? ……なるほど、次回からが本格始動ということでよろしいのですね?)」
ええと、残念ながら――
「(にしても、変態が生徒会役員だなんて……今後、気が重いですわ……)」
どうなんでしょうね……ユウジが汚名返上出来ると良いのですけど。
そうしてオルリスは「皆さんお疲れさまでした!」と、言って足早に帰って行きました。
「もう終わりなのかー よし、帰るぞ、ユウジ」
「ああ、うん」
「ミナ姉はどうします?」
「うーんそうだなぁ……そうだね、一緒に帰っちゃおうかな!」
「じゃあ、帰りましょうー、チサ鍵お願いねー」
5月1日
「……」
あれ、姫城ですね? 何か読んでますけど……新聞?
「ふふふふ……ユウジ様がそんなことを」
え、どういうことですか?
「これは……問い詰めなくてはですね」
いや、意味が分からないんですけ……ど? ところで姫城は何で新聞なんか……っ!
えと、あれって――
非公式新聞です……よね?
= 序章全7話 完結 =
「もしもユウジに黒髪ポニーテールで、ユウジに少なからず好意を寄せる”明るく活発な幼馴染”がいたら」
「もしもユウジの”明るく活発な幼馴染”の挙動に触発されて、深い愛を持ち”病んだ心を持った美女”の同級生がユウジに告白をしたら」
「もしもユウジの姉に”生徒会”に入るよう促され、姉を思ったユウジが入ることを決意したら」
「もしもこの世界に人との触れ合いを求めた神様がいて、ユウジがその”可愛い神様”に出会ったとしたら」
「もしもとある国が存在して、その国から留学してきた”西洋美人の転校生”にユウジがセクハラをしてしまったら」
「もしも”西洋美人の転校生”と”生徒会”で再会を果たしてしまったら」
「もしも”西洋美人の転校生”がユウジにセクハラをされた事実を”病んだ心を持った美女”が知ってしまったら」
繋がる”イフ”の物語は続いていく――
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プロローグのプロローグから進む日常、始まりの時。までの「1から7のダイジェスト。」第100部に追加しました。
√1に飛びたい方や、どんな話だったか思いだしたい時にオススメですー
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