第六章 平和かは疑問だけど楽しい数日間。
第084話 5.5-12 平和かは疑問だけど楽しい数日間。
何故か息を切らして帰ってきた姉貴。
気付くと、夕食を作り始めた方がよさげな時間になっていた。
「あうあう……ユウくん、本当に夕食甘えちゃっていいの?」
キッチンに買い物袋を持って向かうと、心配そうな表情で姉貴も着いて来た。
「だからいいんだって、俺が作りたいだけだから。 迷惑なら止めるけどさ」
「ううんっ、ううん! ううんっ! 違うよ! そんな訳ないよっ!」
ぶるんぶるんと首を横へ振って否定してくれた。 よかった、迷惑じゃなくて。
「なら、ちょっくら作らせて貰うわ」
腕まくりをしながらもキッチンに辿りつき、買い物袋を地面へと下ろす。
「ユウくんの夕食かぁ……ワクワク!」
「切り替えはええっすね、姉貴。 あっ……そういえば姉貴。 エプロン借りるよ?」
「うんっ、どうぞどうぞ!(あとでユウくんの残り香をっ)」
ぶるっ……なんか寒気がした。 風邪ではなさそうだな……何故かはわからないけども。
さてと、鈍っている腕で料理開始しようとするかね。
以下結果。
見た目はそこまで綺麗に出来ていないが、味は俺的に無難に出来た。
俺の料理は久しぶりな割には、まぁまぁ出来たと自負していた。
桐が「普通にウマイじゃと……っ!」と箸をカランと卓袱台に落としたのは地味に笑えた。
ホニさんの食べっぷりには料理をした身としては嬉しい物があるね。 「ユウジさん美味しい! 美味しいよ!」お世辞でも嬉しい。
ユイはというと「っ!」最初こそ驚いたもののその後は淡々と食べ続け完食した後に――
「ふ、ふん! ユウジにしては美味しいんじゃない? ユウジにしては、よ! 勘違いしないでよね!」
と、何故かツンデレ口調で言われた――
「完食したのは、買ってきた素材がもったいなかったからよ! 美味しかったなんて言ってやらないんだからね!」
……最初こそイラっとしたが、ユイはユイで不器用だからな。
急いで食べたせいで口元に食べカスが残り、頬が少なからず赤かったのはかなり可笑しかった。
姉貴は……涙流してまで「おいしいよユウくん」と言いながら食べてくれたのだが、反応がしづらかった。
「また、つくるよ」と言ったら姉貴が倒れた。 ……まったく、嬉しさのあまりに卒倒するなんてあまり見たことが無い。
倒れたと言っても、3秒後に復活したのでそれほど重くは扱わないことにしよう。
調理して分かる料理の難しさ。 姉貴の常に劇ウマ料理には太刀打ちしようがない。
本当姉貴ってのは、凄い人だと再認識させられた。 流石姉貴。
しかし、たまには料理するのも良いものだ……結構クセになるかもしれん。
姉貴の荷が軽くなればと考えてのことだったが、思ったよリ楽しかったのでしばらくしない内に食事をつくるかもしれない。
……ネットで、色々料理のレシピを探してみようかね。
姉貴に仕事を全て取ったら、逆に怒られそうなので。
少しずつ、少しずーつ。 俺にシフトしていければいいかな。
それで、姉貴に余裕・自分の時間が出来たらよいなと思う。
姉貴は大切な家族なだけに、自分だけの時間も大切にして欲しいというのは……弟の俺が考えても良いことだろう?
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