うーん。 やっぱりここら辺のユウジは変だ。
※最近諸事情により多忙で修正が雑になっています、すみません。時間が空き次第直していきますので……
第五章 来訪者と疲労な主人公
第066話 5-12 来訪者と疲労な主人公。
離れていく桐の背を少しの間見つめると、すぐにユウジは歩きだしました。
下校時刻からしばらく時が経ち、生徒会に続く廊下に居る生徒も数えるのみになっています。
桐と話していた場所から20秒かからぬ間に生徒会室前にたどり着くユウジ。
そして若干……いえ、かなーり嫌な嫌悪感丸出しの顔で生徒会の扉を引きました。
「あっ、シモノ!」
と、いきなり会長がお出迎えだ。
「ああ、どうもです」
「ええ!? そんな……あなた生きてるなんてっ!」
……こんなに大歓迎されるなんて、嬉しくて死にそうだよ。
「……なんで死んでそうな設定に俺はなってるんですか」
ユウジは色々あって疲れ気味、ツッコミもぐだーとしているのがわかりますね。
「だって死んだじゃないの、私の目の前で」
「はぁ……」
「……ツッコミにキレがないわね、どうしたの? 体調でも悪いの?」
「ツッコミのキレが俺の体力バラメーターなんですね……ただやる気がおきないだけですって、フラグなんかじゃないですよ」
「なんで納得するのよ! これじゃお笑い芸人失格ね! 吉○クリエイティブスクールからやり直しなさい!」
「吉○芸能より松○芸能派です、俺」
「そっちにツッコむのね!?」
「で、なんで呼び出したんですか?」
「……はっ! 私がツッコんでしまうなんて……調子が狂うわね」
「いやだから」
「なんとなくだよ!」
会長はロリボディにジャストフィットな薄い胸を張ってそう言い放った。
「はぁ……」
「その上司の問いへの答えに困って、とりあえず言っておけばいいや的な台詞を言わないのっ!」
「生徒会役員として考えるなら会長は上司であながち間違えではないかと」
「あ、確かに! ……ってここツッコミ時だよぉっ!」
「あー」
ポンと、手を叩くユウジ。 あ、フラグじゃないですよ?
「……」
「どうもユウの様子が変ね」
「私もそう思うー」
「何かあったのかしら……」
「これは……女が関係してるに違いないよ!」
「! その発想はあったわ」
「手紙で告白されるも数十秒後、口頭で振られるとか」
「……アスちゃん、それ元ネタ分かるのかしら」
「ノ、ノリでいいんだよっ! 偉人はこう言ってたわ”こまけぇこたぁいいんだよ!(AA略”と!」
「それも分からないと思うわ、例え理解出来たら理解出来た人もかなりの重度だと思うわ」
「でも考えてみると、シモノの浮いた噂は聞かないよね」
「噂以前に見てわかるハーレm……なんでもないわ、女の線は保留にして他になにかあるかしら」
「あとはよく買っていた季節限定品が昨日まで売ってた店の棚から消滅してたとか!」
「今度はあるあるネタなのね……」
「文化祭の看板に某アメリカネズミを描いたせいで某会社から訴えられちゃったとか!」
「それはアウアウネタね」
「……うーん、じゃあただの疲労?」
「その発想はなかったわ、でも一理ありそうね……あの見てわかる通り片栗粉を塗したかのような白い顔」
「なんで片栗粉?」
「そして後ろのアイツもやせ細ってるわ」
「後ろのアイツ!?」
「あら見えない? ほら黒くてテカテカしたムチムチのジャージ着たおじさん」
「見えないよ! チサにはいったいどんなものが見えてるの!?」
「私の右目には未来が見えているわ」
「予知能力!?」
「私は戦いたい、アスちゃんを守るために! この右目を使って先読み攻撃を食らわせてあげるわ!」
「邪気眼!?」
謎の言い合いの横では、ユウジが生徒会室のテーブルに備え付けられたイスに腰を下ろしていました。
「あー、あの子にどのタイミングで謝れば……」
そう呟いたその時です。
「おーっす!」
見計らったかのように福島戸夏が入室しました。
ちなみに解説すると、福島戸夏、彼女は生徒会役員会計を務める。 茶色のセミショートを黒いリボンで纏めたツインテールの髪を揺らしながらやってきた。
あ、キャラクター紹介のところで黄色になってますけど、そんなヤンキーカラー一応生徒会では認められませんから。
手には薄い深茶色の鞄を片手で持ち生徒会のテーブルに備えられた椅子に座る3人に向かってスポーツ部的あいさつを投げてきます。
世に言うスポーツ系少女ですね。 最近出てきた肉食系女子と、あまり違いがわかりませんが、スポーツ少女です。
「コナツも来たねー! あとはミナだけかぁ」
人の噂をすればその噂された人が姿を現す訳でして。
「お、遅れましたっ!」
ミナが息を切らしながら、生徒会室に滑り込んできました。
「大丈夫大丈夫! 気にしなくていいよー」
「うん、ありがとね! 葉桜会長っ」
ユウジ姉はおとなしめにスマイル。 そしてユウジの姿を自分の視線が捉え。
「あっ! ユウくんこんにちはっ!」
しかしユウジに思い切りの笑顔であいさつしただけで、他のことはしない。 一応は、生徒会という場を考えているのだと思うけど……
「よーすっ」
その思い切り笑顔に対比するかのようにやる気にない適当な挨拶を返すユウジ。
「ユウくん元気ないね……どうしたの?」
ユウジ姉は途端に不安の感情を作り出し、ユウジに問う。
「いや、ちょっくら悩み事があってな」
「え、何? 悩み事? お姉ちゃんが聞こうか?」
「いや、止めておくわ。 もの凄く個人的な悩みだしさ」
どこか配慮の言葉の籠った言葉ですね。
「そ、そう? ……やっぱり、ユウくんも大きくなっていくんだね」
なんとも遠い目をするユウジ姉ですが、それには無反応でやはり考え事を始めるユウジ。
いや……確かにあれはヒドイですけど、そこまで悩むことじゃ……?
「それで会長、俺らを呼び出して今日は何をするんですか」
会長以外の誰もが聞くであろう質問を突然ユウジが発しました。 本当いきなりですね!
「え、えとね……そうだ」
「……今考えたんですか」
「そんなことはないょ? 今日は、今後の生徒会の方針を考えるのっ!」
「そして今、考えるんですか」
「これからの生徒会の方向性を決定付けるコトだから、1クールに渡って議論するよっ!」
「3ヵ月もあれば他のこと出来るでしょうに」
「シモノは黙ってて」
「はい、わかりましたー」
素直に了承すれば、腕を枕にして寝始めるユウジ。 えー。
と、思いきや自分の世界に入る為に寝たフリをしているようです、また考え事ですか……
「こらーっ! 寝ないで!」
「……」
「シモノに言ってるんだよ」
「……」
「廊下での会話とノリが似てない? ネタ切れって言われちゃうよ?」
廊下での会話……というのは、先程のユウジと桐の会話のことですよね? ……盗み聞きでもしていたんでしょうか?
「……」
「アスちゃんが”黙ってて”って言ったからじゃないかしら」
「屁理屈こねた小学生かよ……」
書記が解説し、福島がツッコミます。 なんというコンビネーションですね!
するとユウジは足元にある鞄から、適当なノートとペンケースを取り出す。 寝ながら。
そのペンケースからマジックを取り出しノートを開くとキュッキュッと音を立てながら何かを書き始める。 寝ながら。
そして書き終わるとペンケースにマジックをしまい、ノートとペンケースを鞄に片付け、書いたノートを千切ってその紙片をこちらに寄こした。 もちろん寝ながら。
この間、顔を皆に見せず、地面にほぼ顔が付いた状態で何かを書いていたことから今は必要のない器用さが滲み出ていた。
「なにかしら……」
そうして皆がユウジの書いた紙片を覗くと、そこには――
『”黙れって言ったから素直に実行してるだろ(#^ω^)ピキピキ”』
「顔文字入り!?」
「それにあまり見ない類のものね」
「……体は高校生、頭脳は小学生だな」
そう福島が呟くと、また律儀にノートとペンケースを(以下略) そしてまた出てきた紙片は――
『”コナンと逆じゃないか( ´_ゝ`)”』
「なにこのイラっとさせる顔文字!?」
「なにか使い方違う気がするわ……」
「うぜええええっ!」
今度はノート、ペンケースをしまわずに居たので次の紙片はすぐに来た。
『”うざい? その反応はこちとら本望だ( ´_ゝ`)”』
「この顔文字気に入ったのかな……」
「見せられた方はたまったものじゃないけどね」
「というかもう喋れよ!」
『”会長ご許可を”』
「え、私!? え、えーと……シモノ喋って」
そう会長が言った途端にです。
「……帰ってきました」
「おかえりユウくん」
「ここでユウジ姉参戦!?」
「今までの会話を傍観視してたみたいね……ミナ、やはりあなたは只者じゃないわ」
「それで会議するんでしょう?」
「……うん、まぁ」
「実際正論ね」
「で、会長さんどうするんだ?」
「……あ、もう時間だ! もう帰る時間だよ」
「えー」
「……やっぱりね」
「パターン化してねぇか?」
「ということで会議は終了」
「してねーだろっ!」
「おお、ユウジが久しぶりにハイテンションになってる!」
ということで、会議終了です。 会議してないじゃないですか、という意見には全面的に賛同しておきます。
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